2019年8月上旬・午後
川辺りに蔓延るクズの群落でクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)が訪花していました。
とある花穂の周りをぐるぐる回りながら次々に吸蜜しています。
顔が黒く、腹端が尖っているのが♀の特徴です。
腹部下面のスコパ(花粉刷毛)は見えませんでした。
クズハキリバチにとってクズは巣材(葉)だけでなく食料源(花蜜および花粉)でもあり、密接な共生関係にあります。
クズの側にとってもクズハキリバチは重要な送粉者ですから、報酬に花蜜や葉片を提供しています。
正当訪花で吸蜜するクズハキリバチ♀を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜)
今度は薄い黄色の花粉を付けているスコパが見えました。
吸蜜し終わると少しホバリング(停飛・停空飛翔)してから隣の花に着地します。
そこへ左から顔の白い雄蜂♂が飛来しました。
血眼になって交尾相手を探している探雌飛翔のはずなのに、訪花中の♀になぜか気づかずに通り過ぎました。
(♂はクズハキリバチではない可能性もありますが、たとえ別種でも探雌飛翔中の♂はとりあえず手あたり次第に飛びつくはずです。)
すると吸蜜中の♀は背筋を使って腹部を高々と持ち上げ、海老反り姿勢になりました。
同時に左右の後脚も後ろに突き出しました。
これは交尾拒否のポーズなのかな?
羽化直後に交尾を済ませた♀は、忙しい採餌活動を♂に邪魔(干渉)されたくないのでしょう。
今回は接近する羽音に気づくや否や、セクハラ対策で交尾拒否の姿勢になったと思われます。
ただし、♂の有無に関わらず海老反り姿勢は訪花中によく見られるので、ハキリバチ類の単なる癖なのかもしれません。
例えば、「海老反り姿勢になると舌が長く伸びて花の蜜腺に届くようになる」などの解剖学的な理由がある可能性も考えられます。
次はクズハキリバチ♂が♀に飛びつく瞬間を動画に記録できれば、この問題は解決するはずです。
クズハキリバチ♀@クズ訪花採餌 |
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