2021年11月上旬・午後13:30頃・晴れ
河川敷の小径に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の花で吸蜜中のモンキチョウ♀(Colias erate poliographus)に♂がしつこく求愛を繰り返していました。
モンキチョウは翅の色で性別が一目瞭然なので、配偶行動の観察に適しています。
♀は白色、♂は黄色です。
(黄色い翅の♀もたまにいるのですが、今回のペアはスタンダードな翅色です。)
♂は♀のごく近くでホバリングしたり、翅を小刻みに羽ばたいたりして♀に秋波(性フェロモン)を送っています。
一方、♀は交尾済みのようで、翅を開き腹部を高々と持ち上げました。
これはシロチョウ科の♀に特有の交尾拒否行動です。
しつこい♂が近づくと、♀はパッと一瞬だけ翅を閉じます。
♀の背後に着陸した♂が強引に交尾器を結合しようとしたものの、嫌がった♀は飛んで逃げ出しました。
色気より食い気の♀はすぐ横のムラサキツメクサの花に移動すると、吸蜜を続けます。
諦めきれない♂は、同じ花の反対側で翅を震わせています。
モンキチョウの求愛および交尾拒否行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@1:15〜)
リアルタイムでは見過ごしたのですが、途中でちょっと面白い事件が起こっていました。
急にモンシロチョウ(Pieris rapae)が飛来したのです。(@2:25)
白い翅のモンシロチョウにモンキチョウ♂は一瞬惑わされたようで、追尾を始めました(誤認求愛)。
しかしすぐに別種だと気づいたようで、モンシロチョウを追い払ってモンキチョウ♀の元に戻ると、求愛活動を再開。
乱入したモンシロチョウの性別を私は見分けられませんでしたが、探雌飛翔中の♂だったのかもしれません。
つまり、モンシロチョウもモンキチョウ♀に誤認求愛しかけた可能性があります。
つづく→モンキチョウ♂2頭からの求愛を拒否して逃げ回る♀
▼関連記事(3年前の撮影@ムラサキツメクサ)
訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂
モンシロチョウの世界では可視光よりも紫外線で見える情報が配偶行動には特に大切であることが分かっています。
私も紫外線カメラで動画撮影してみたいところですが、高嶺の花です。
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