2021年8月中旬・午後16:20頃・くもり
訪花シーンを注意深く観察すると、次から次へと白い花筒で毎回常に穿孔盗蜜していました。
花筒にまたがると、その根本に外側から口吻を突き刺して(噛み破って?)その穴から吸蜜するのです。
蜂が飛び去った後の花筒には小さな穴(盗蜜痕)が残ります。(@3:05、3:15など)
花筒の入口から頭を突っ込んでも奥の蜜腺まで舌が届かないのでしょう。
訪花を繰り返しても雄しべの葯に体が全く触れないので、後脚の花粉籠は空荷です。
ゴマ農家にとって花から盗蜜するクロマルハナバチは害虫の扱いになります。
しかし他の農作物では送粉している益虫ですし、簡単には決めつけられません。
ちょっと面白いなと思ったのは、葉上の落花にクロマルハナバチ♀が誤ってしがみついたシーンです。 (@1:54)
蜂の重みで落花ごと落下しました。
空中ですぐに体勢を立て直し、次の花へ向かいます。
落花にだまされかけてスルーしたのは(@1:31) 。
あまりにも忙しなく飛び回るので目が回りそうです。
盗蜜シーンおよび花から飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:37〜)
複数個体を撮影。
穿孔盗蜜の行動をスローモーションでじっくりご覧ください。
クロマルハナバチ♀は二次盗蜜者であることの証拠映像も撮れました。
ゴマ花筒の根本を大顎で食い破るのではなく、既に開いていた穴に黒い口吻を差し込んでいました。(@x:xx)
ただし、1つの花筒で珍しく時間を掛けていたこともありました。
身繕いなど休んでいただけかもしれませんが、このときが穿孔中だったのかもしれません。
肝心の口元がしっかり撮れず残念。
茎の下部にはゴマの実がなっています。
ゴマは茎の下から上へと順に花が咲いて実がつくようです。
ゴマに正当訪花して授粉を助ける送粉者はミツバチでした。
関連記事(同日の撮影)▶ ゴマの花で採餌するセイヨウミツバチ♀ところで、ゴマの葉腋にある黄色い点は何でしょう?
まさか花外蜜腺?
なんとなく、盗蜜のための蜜標になっているような気もしました。
【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』を読んで驚いたことの一つは、クロマルハナバチが環境省レッドリストの準絶滅危惧に指定されているという事実です。(p183)
山形県ではなんと、絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されていました。(公式のデータベースはこちら)
私のフィールドでは平地を中心に平凡な普通種なのですが、恵まれた環境だと知りました。
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