2021/11/08

クリの灌木で鳴くエゾゼミ♂を声紋解析してみる

 

2021年8月下旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の尾根道を歩いていたら近くでセミが喧しく鳴く声がするので主を探すと、若いクリ(栗)灌木の細い枝に下向きに止まっていました。 
現場は標高562m地点で、地上からの高さ〜3.5mの地点にセミが止まっています(目測)。 
逆光なのでストロボを焚いて(日中シンクロ)写真に撮ると、その正体はエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)でした。 
周囲に灌木の枝葉が生い茂り、その隙間から撮影アングルを確保するのに苦労しました。 

周囲で鳴く同種♂の声に負けじと、ジー♪(またはギー♪)と単調に鳴き始めました。 
メロディが全く無く、情緒の欠片もありません。
側面から♂の発音器官である腹弁が見えます。 
ジー♪と単調に鳴いている間は腹部を上下に動かしています。 
腹弁の振動は動画からは確認できませんでした。
口吻を枝に突き刺して吸汁しておらず、鳴くことに専念しています。 
疲れたのか鳴き止むと、腹部も動かなくなりました。 

保育社『検索入門:セミ・バッタ』p28によると、エゾゼミの鳴き声はギィーーと連続音で、終奏音が断続的になるのがアカエゾゼミとは違う特徴なのだそうです。 

しばらく見守ってもエゾゼミ♂はクリの木から飛び立たず、私は諦めて立ち去りました。 

エゾゼミ♂の鳴き声を声紋解析してみる 


いつものように、オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルとして抽出してからノイズを除去しました。
鳴いている部分(鳴き初めから鳴き終わりまで)の約30秒間を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。 
鳥の鳴き声の美しい声紋とは全く異質ですね。


関連記事(同時期の撮影)▶ ミズナラの枝で鳴くエゾゼミ♂♪


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