2020/02/15

連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂とあぶれ♂の攻防



2019年9月中旬・午前11:25頃


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用水路で連結打水産卵するミヤマアカネ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

ミヤマアカネSympetrum pedemontanum elatum)は成熟すると体色が性的二型になります。
成熟♂はいわゆる「赤とんぼ」で赤色ですが、♀は地味な黄土色です。
フィールドでも♀♂がはっきり見分けられるので、様々な配偶行動の観察に適しています。

ミヤマアカネ♀♂が連結打水産卵を続けている水路の岸には、交尾相手を見つけられていない「あぶれ♂」が縄張りを張っていました。
岸で枯れた草の葉や穂先など見晴らしの良い場所に止まったあぶれ♂は、複眼が発達した頭部をグリグリ動かし、周囲を油断なく見張っています。
あぶれ♂がスクランブル(緊急発進)で迎撃に飛び立っても、大体同じ場所にすぐ舞い戻ります。
産卵ペアとあぶれ♂との攻防を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
その後で等倍速(リアルタイム映像)でリプレイ。

しばらく様子を観察していると、あぶれ♂は産卵ペアを縄張りから追い払えていません。
産卵ペアは少し逃げるだけで平気で産卵を続けています。
尾繋がり状態になった♀の強奪は不可能なのでしょう。(尾繋がりは最強の交尾後ガード)
しかし産卵ペアが居なくなると、あぶれ♂の縄張りに平和が戻りました。
あぶれ♂は縄張り警戒中に何か動く物が視界に入るだけでどうしても反射的に飛び立つような体の仕組みになっている(♂の悲しいさが)だけのような印象を受けました。
素人目には、無駄に体力を消耗しているようで気の毒です。
あぶれ♂の縄張りの範囲を長時間きちんとマッピング調査すれば、何か面白いことが分かるかもしれません。

産卵を終了した♀♂がペアを解消した瞬間、あぶれ♂にも♀を得るチャンスが巡ってくるのですかね?
(それとも♀は一度しか交尾しないのか?)


ミヤマアカネあぶれ♂:側面@用水路:岸枯草:穂先
ミヤマアカネあぶれ♂:顔@用水路:岸枯草:穂先
ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵vsあぶれ♂@岸枯草:穂先
ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵vsあぶれ♂@岸枯草:穂先

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