2019年9月上旬・午後17:30頃
稲穂が実る田んぼでは、スズメを始めとする種子食性の鳥類による食害を防ぐために、様々な対策が施されています。
広大な田園地帯の一角で、ちょっと不思議な鳥よけを見つけました。
水田の隅など畦道に刺した竹竿の先に黒いビニール片がくくりつけられ、風が吹くと旗のようになびいていました。
カラスの死骸を模した案山子のつもりですかね?
これまでも畑などで見かけたことがあります。
その竹竿や金属パイプを支柱として、テグス(黄色いナイロン糸)が縦横斜めに張り巡らされていました。
これはおそらく、鳥が田んぼ内に降り立つのを妨害するためでしょう。
稲作農家の人にテグスの設置目的を尋ねてみた訳ではないので、以上は私の推測です。
田んぼの全面にネット(網)を張るならともかく、こんな大雑把に糸を張り巡らせるだけで果たして鳥よけの効果があるのか、個人的には疑問でした。
後日、合鴨農法に関する本を読んでいたら、似たような対策法が書いてありました。
アイガモの雛を水田に放したら、天敵(捕食者)から雛を守るために田んぼを電気柵で囲い、更にカラスよけのテグスを張る必要があるそうです。
カラスは、空から下りてくるので、電気柵では防げないんだ。(中略)カラスには、いろんな対策法があるけれど、いまのところいちばん確実な方法はテグスだ。テグスというのは釣り糸のことだ。(中略)「4mもテグスの間隔があったらカラスが勝手に飛びこむよ〜」と思うかもしれないけれど、だいじょうぶだ。カラスが侵入したとしても、テグスを低く張っているので、飛び上がるときに羽をいためるんだ。カラスは羽や翼をいためることをきらっている。(中略)それでカラスは侵入したいけれど、しないんだ。 (古野隆雄『アイガモの絵本 (そだててあそぼう)』p17より引用)
この本は一見すると児童書や絵本のようですけど、内容はかなり実践的でとても参考になりました。
もしかして、今回私が見た田んぼは小規模にアイガモ農法を試していたのでしょうか?
しかし電気柵は設置されていませんでした。
この区画だけ田んぼの所有者が違うのかな?
撮影したのは鳥がそろそろ塒入りする夕方で、田んぼに鳥はもう来ていませんでした。
しかし2羽のハシボソガラスが近くの電線に止まって夕刻の田んぼを見下ろしていました。
来季はテグスの張られた田んぼに注目して、鳥が侵入するかどうか観察してみるつもりです。
カラスだけでなく体の小さなスズメに対しても効果があるのでしょうか?
機会があれば、「合鴨水稲同時作」を実践している田んぼも見学してみたいものです。
鳥よけ(野鳥):黒ビニール@水田隅+テグス |
鳥よけ(野鳥):黒ビニール@水田隅+テグス |
ハシボソガラス2(野鳥)@電線 |
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