2021/07/27

給餌後に雛の糞を巣から捨てるスズメの親鳥【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月下旬・午前後15:33〜16:17・晴れ
前回の記事:▶ 巣に通い雛に給餌するスズメ親鳥♀♂【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)
道路標識の支柱パイプ内の巣で育つスズメPasser montanus)の雛鳥2羽は、親鳥からもらった餌を食べた後に巣内で排便します。 
そのままでは巣内環境が不潔になってしまいますし、糞の匂いで捕食者に見つかりやすくなります。 
雛が排泄した糞を外に捨てに行き、巣内の衛生環境を清潔に保つのは親鳥の役目です。 
これを排糞行動と言います。 
雛の糞を咥えて飛び去るまでの行動はほんの一瞬なので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:13〜0:56、1:06〜1:43および 1:55〜2:42) 
スズメの排糞行動は240-fpsのハイスピード動画でも撮れていました。(@2:48〜) 

給餌の直後に雛が巣内で方向転換して脱糞するシーンが一度だけしっかり写っていました。(@2:25) 
鳥の雛が総排泄孔から白い糞を排泄する瞬間を初めて観察することが出来ました。 
巣口で待っていた親鳥が、出したてホヤホヤの糞を雛から受け取ると、嘴に咥えて捨てに行きます。 
成鳥の糞とは違って雛の糞はゼラチン質に包まれていますから、親鳥が嘴で咥えても不潔ではありません。 
幼い雛の糞は親鳥が丸ごと食べてしまうそうです。(私は未見) 

雛の糞を咥えた親鳥は巣口から外へ一目散に飛び出します。 
つまり、雛の糞を咥えたままで親鳥が無駄に油を売ることはありません。
一方、雛が脱糞しなかった場合、給餌後の親鳥は巣口からパイプや標識の上に一旦飛び乗って寄り道することが多く、少し休んでから次の採餌へ向かいます。(前回の記事参照) 

出巣直後の親鳥が雛の糞を落として捨てる場所は、巣の近くの電線など大体決まっているようです。 
その下の路上にはスズメの雛の糞が大量に散乱することになります。 
残念ながら親鳥が電線から雛の糞を吐き出して捨てるシーンは撮り損ねたものの、雛の糞で汚れた嘴を足元の電線で拭ってから次の採餌のために飛び去りました。(@2:43) 

スズメの親鳥が留守の間に雛が巣内で排便することもあります。 
給餌後に親鳥は雛が目の前で脱糞しなくても巣内を点検し、糞を見つけるとパイプの奥に入って取りに行きます。 
暗い巣内でも親鳥が見つけやすいように雛の糞は白く進化したのかな?と考えたくなりますが、鳥の糞はもともと白い尿酸が多く含まれているのです。 
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 

雛の糞以外も食べ残しなどのゴミが巣内にあれば、同様に摘み上げて捨てに行きます。(@4:50) 
前回の給餌で右の雛に黒っぽい昆虫を与えたのですが、口に合わずに吐き出してしまったのです。(前回の動画参照@9:18) 
次の親鳥は給餌後に巣口に落ちていた食べ残しを拾って飛び去りました。 
その場で(巣口で)食べてしまっても良さそうなものですが、近くの歩道に降り立ってから食べました。 

前回の記事でも書いたように、この巣のスズメ雛鳥は採餌から戻って来た親鳥がパイプの上に着陸しただけでは餌乞いを始めることはほとんどありません。 
餌を運んできた親鳥の姿を直接見ないと餌乞いしないのです。 
ただ一度だけ、例外が動画に記録されていました。 
標識の裏を通って飛来した親鳥が白パイプ上に着地すると、その振動を感じた雛が親鳥の姿を見る前から餌乞いを開始したのです。(@4:32) 
交通量の多い車道の道端に営巣したので、巣内は車の騒音が反響して相当うるさいのかもしれません。 
たまたま車の通行が途切れたときに静かになり、パイプの振動を感知できるようになったのではないか?と推理してみました。 

2日後に現場を再訪すると、餌乞い♪する雛の鳴き声はなくなり、辺りは静まり返っていました。 
巣に出入りする親鳥もおらず、雛は全個体が無事に巣立ったようです。 
シリーズ完。

【追記】
スズメが営巣したパイプの直径を後日測りに行きました。
しかし、持参したミニ脚立の上に立ったぐらいでは巣口まで全然手が届きませんでした。
道路標識の支柱は丸いパイプを曲げただけの簡単な作りですから、太さは上から下まで同じはずです。
パイプの下部をノギスで測定すると直径(外径)9cmでした。
また、パイプの巣口は北北東の方角に開口していました。
雛の脱糞シーン

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