2024/07/06

スギ林床で足踏みして虫を追い出し捕食するトラツグミ【トレイルカメラ】

 

2023年10月上旬

シーン0:9/25・午後15:01(@0:00〜) 
平地にあるスギの防風林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が通う溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っています。 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面左と手前の2箇所に黒っぽく盛り上がっているのが溜め糞です。 
実は画面の左下外に、もうひとつの糞塊があります。 
トレイルカメラ旧機種のおかしな癖で、これ以降はフルカラーで動画がまともに撮れなくなるので、動画編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 


シーン1:10/5・午前7:39・晴れ(@0:05〜) 
地味な迷彩模様を身にまとった鳥が1羽で来ていました。 
キジバトかと思いきや、トラツグミZoothera aurea)でした。 



スギ林床を歩き回っては嘴であちこちを啄むので、小さな虫を捕食しているようです。 
しかし、他の種類の鳥たちのように落ち葉をめくって虫を探す行動はやりませんでした。 
その代わりに、少し歩き回って立ち止まると、両足を揃えて小刻みに足踏みしています。 
地面に振動を与えて、スギ落ち葉の下に潜む虫を追い出そうとしているのでしょう。 
水鳥のダイサギがやる「足踏み追い出し漁」を連想しました。 


シーン2:10/8・午前6:57(@1:06〜) 
3日後に現れたトラツグミも、「足踏み追い出し法」で虫を取っていました。 
タヌキ専用の溜め糞のすぐ横で「落ち葉めくり」もしました。(@1:17〜) 
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その後はタヌキの溜め糞にひょいと乗ると、トコトコ歩いて横断し、その上で羽繕いしました。 (@1:30〜)
獣糞が不潔だという認識がトラツグミにはないようです。 
羽繕いの際には、嘴を使って羽根を整えるだけでなく、糞で汚れた足で痒い頭を掻きました。 


シーン3:10/8・午後13:07(@2:00〜) 
今回トラツグミはなぜかほとんど歩き回らず、辺りをあちこち見回しながら1箇所(@画面中央)に留まっています。 
地面の落ち葉を一度もついばみませんでした。 
何かに警戒しているのかもしれません。 


シーン4:10/8・午後13:10(@3:00〜) 
2分後に監視カメラが起動したときには、トラツグミは画面中央から少し右に移動していて、「足踏み追い出し法」を再開していました。 
やがて尾羽を持ち上げると、少量の白い糞をポトリと排泄しました。(@3:36〜) 
トラツグミの脱糞(排便)は初見です。 


シーン5:10/8・午後13:24(@4:00〜) 
12分後にトラツグミが再び現れました。 
画面の右エリアでダンスのような独特のリズムで足踏みを披露してくれました。 


シーン6:10/9・午前7:42(@5:00〜) 
翌日に来たトラツグミは、スギ林床を左から右へ歩きながら、いつものように「足踏み追い出し法」で虫を捕食しています。 
立ち止まって身震いしました。(@5:37〜) 


シーン7:10/10・午前10:04・雨(@6:00〜) 
次の日はトラツグミが2羽現れました。 
小雨がぱらつく中、初めの個体aがいつものように「足踏み追い出し法」をしていると、左から別個体bが飛来したのです。(@6:46〜) 
タヌキの溜め糞の右横に着地しました。 
2羽のトラツグミは互いに無関心そうに見えますが、♀♂つがいなのかな? 

実は、単独で採餌中のaが立ち止まって嘴をぱくぱく動かすことがありました。 
パートナーbに対して小声で鳴いたのかと思って音量を上げてみても、聞き取れませんでした。 


シーン7:10/10・午前10:05・雨(@7:00〜) 
いつのまにか画面奥の切株にカケスGarrulus glandarius)が止まっていました。 
一方2羽のトラツグミはカケスに対して無関心で、林床で「足踏み追い出し法」による虫取りを続けています。 
偵察に来たカケスはしばらくすると、ジェー♪と一声鳴いて左へ飛び去りました。 


【考察】 
この地点でトラツグミは初見でした。 
タヌキの溜め糞wbcには特に執着せず、スギ林床をあちこち歩き回り、小さな虫を捕食していました。 
ここでは「落ち葉めくり」よりも「足踏み追い出し」の方が採餌効率が良いのでしょう。 
スギ林にはめくる落ち葉が無い、ということはありません。
広葉樹の落ち葉も散乱しているのに、好んで足踏み追い出しで虫を取っていました。
トラツグミ以外の鳥はこの地点で広葉樹の落ち葉めくりによる虫取りをしています。


【追記】
1ヶ月後にも現場近くで同じ採餌行動が見られました。


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