2022年11月中旬・午後13:15頃・晴れ
里山のスギ林道で定点観察しているホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場sを見に行くと、大小の糞塊が2個残されていました。
気温の低い晩秋には、溜め糞に集まるハエ類はめっきり少なくなっていました。
来ている少数の昆虫も低温のせいで動きが非常に緩慢です。
古い糞塊には白いケカビが発生しています。
その上に追加された泥状の新鮮な糞(下痢便)にベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)とハクサンベッコウバエ(Neuroctena analis)が1匹ずつ同じ向きに乗っていました。
手前の別な小糞塊にはタヌキが食べた果実の種子が未消化のまま大量に含まれていました。
そちらの小糞塊にキバネクロバエ(Mesembrina resplendens)が1匹で来ていました。(@0:57〜)
興味深いことに、ケカビの生えた古い糞塊にハエ類は集まっていませんでした。
これが偶然の事象なのかどうか、今後も注意して見ていくつもりです。
溜め糞を長期間のインターバル撮影したタイムラプス動画で記録すれば、分かりそうです。
ケカビが生えると獣糞の匂いや味、栄養価も変わるはずですから、ハエ類が来なくなっても不思議ではありません。
糞の表面にモサモサのケカビが生えると、ハエが物理的に着陸しにくくなるのでしょうか?
その一方で、ケカビの生えた獣糞を好む糞虫もいます。
数日経つとケカビは自然に消滅し、溜め糞の生物分解は次の遷移段階へ移ります。
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