2023年2月中旬〜下旬
雪深い里山のスギ林道で溜め糞場sを監視する自動撮影カメラの設置アングルを逆向きにしてみました。
同じ地点ですが、これまでよりも広角で撮れるようになりました。
ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が通りかかった映像をまとめました。
画面の中央に写っているのが、以前カメラを固定していたスギの木です。
林道脇の法面(斜面)でスギの苗が育ったために、根本が強く湾曲しています。
これは多雪地帯の山地に特有の樹形です。
ヒョロヒョロの稚樹は深い積雪に埋もれて強く押し付けられます。
春になって雪が完全に溶けるまで氷河のように斜面をゆっくりずり落ちますから、木々は持続的な強い雪圧を受けるのです。
倒された稚樹は春になると雪が溶けるのを待ちかねるように重力屈性と光屈性で幹は真上に向かって成長しようとします。
しかし、冬が来る度に再び雪圧で潰され曲げられてしまいます。
幹が充分に太くなって剛性が増す頃には根本が強く湾曲してしまうのです。
その一方で、豪雪地帯でも平地に植林されたスギは根元からまっすぐ伸びます。
シーン1:2/19・午前1:50・気温0℃(@0:00〜)
どうやら雪ではなく雨(みぞれ?)が降っているようです。
深夜に雪道を右から登場したタヌキが対面のスギの根元に立ち寄りました。
その辺りはちょっとした崖(法面)のようになっているのです。
匂いを嗅いだだけで、マーキングなどはしませんでした。
林道上の深い雪に埋もれた溜め糞場sは素通りしたようです。
雨のために雪面の状態は湿雪で、タヌキが一歩踏み出す度にズボズボと潜っています。(腐れ雪)
シーン2:2/25・午前3:36・気温0℃(@0:41〜)
6日後の小雨が降る未明にタヌキが再登場。
この6日間で雪が少し溶け、ホオノキの幹に固定したトレイルカメラの設置アングルも自然に少しずれてしまいました。
今回もホンドタヌキは雪深い林道を右から左へ通り過ぎました。
雪面の状態は締まっている(やや凍っている)ようで、タヌキが歩いても足が深く潜りません。
オーバーハングしたスギの根本に近寄ったものの、風の匂いを嗅いだだけでした。
何の匂いをチェックしているのか分かりませんが(カモシカの眼下腺マーキングの匂い?)、前回よりもおざなりです。
もしかして、「ここにヒトの匂いがする怪しい装置(トレイルカメラ)がずっとあったのに無くなってる…」とタヌキは不審に思っているのでしょうか。
今回もやはり溜め糞場sを素通りしたようですが、画角をもう少しだけ左に向けてカメラを設置するべきでした。
つづく→
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