2013年2月下旬
右角欠け&左耳裂けという特徴のあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)をこっそり追うと、河畔林の奥で常緑樹の葉を次々と採食し始めました。
葉を枝から噛み千切ると、顎をもぐもぐ動かして咀嚼しています。
ときどき枝からの落雪がカモシカの頭を直撃しても、平然と食べ続けます。
後ろ足で立ち上がって採食することは無いようで、首を伸ばしても口が届かない枝葉は残されます。
採食メニューの樹種を調べるのに二転三転しましたが(マユミ? ツリバナ? 等々)、ようやくツルマサキだろうと判明しました。
枝葉と果実 |
枝葉と果実 |
枝葉 |
別種の落葉高木の樹冠まで蔓を伸ばしている。 |
気根 |
現地で採集してきた枝葉です。
押し花のようにスキャナできれいに取り込みたかったのですけど、忙しくて時間がなかったので、萎れる前にセロテープで貼っただけで済ませました。
果実 |
果実 |
冬芽 |
冬芽 |
この個体は年中この辺り(谷川の河畔林、標高〜420mの平地)を縄張りとしているのか、それとも餌の乏しい厳冬期だから山から下りてきたのか、興味があります。
ちなみに中公新書『カモシカ物語』p146によると、
山の下部の方が上の方より積雪量が少ないことなどから、行動をするのにも楽なのかも知れない。(中略)一般的に体力の衰えてきたものは、川原などの低地部に現れる傾向にあるようである。もちろん本の記述を鵜呑みにするつもりはありませんが、一つの参考としておきます。
つづく→食後の座位休息
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積雪期の採食メニューとして、前年には雪山でユキツバキの葉を食すニホンカモシカを観察しています。
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