2014年5月下旬
山道に咲いたタニウツギの花に小さな虻が潜り込んで吸蜜していました。
セダカコガシラアブ♂(Oligoneura nigroaenea)だと思います。
花から出てくる一瞬を捉えるために、240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
後ろ向きに花から出てくる際に、長い口吻が一瞬だけ見えました。
花筒の長いタニウツギでも口吻を伸ばして正当訪花で吸蜜できるようです。
花筒の入り口よりもタニウツギの雄しべ、雌しべは長く突き出しています。
したがって、受粉を助けるにはこのアブは小さ過ぎる気がします。
映像後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
それでも飛び立つ際の羽ばたきは速過ぎてよく見えません。
特徴的な盛り上がった胸部の中には飛翔筋が顕著に発達しているのかな?
満腹した虻は葉に止まって身繕いを始めました。
▼つづく
セダカコガシラアブ♂の身繕いおよび飛び立ち【ハイスピード動画】
図鑑『札幌の昆虫』p187でコガシラアブ科の興味深い生活史を初めて知りました。
孵化した幼虫は若いクモを探し、寄生する。クモの体内に入るとクモが最後の脱皮をするまで成長しない。
『クモの科学最前線』p77によると、
コガシラアブ科のすべての種がクモの内部寄生者であると考えられている。ただし、この科は捕食寄生性ではなく寄主クモを殺さない真の寄生者である。(生活史や寄生戦略の更に詳しい解説あり)
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