2024年4月中旬〜下旬
シーン0:4/10・午後14:06・晴れ・気温30℃(@0:00〜)
シーン0:4/10・午後14:26・晴れ・(@0:04〜)
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。
平地の二次林で、越冬中に死んだニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで監視し続けています。
春になって落葉樹の若葉が芽吹き始めました。
この時期なぜか頻繁に出没するようになったイエネコ(Felis silvestris catus)の映像をまとめました。
シーン1:4/14・午後20:58・気温15℃(@0:07〜)
右から来た猫が巣口Rの横に座り込むと、キョロキョロと辺りを見回しています。
監視カメラの存在にも気づいたようで、カメラ目線でしばらく凝視しました。
巣口Rをちらっと見下ろしたものの、あまり興味を示しませんでした。
暗視動画はモノクロですけど、この個体の体色模様はおそらくキジトラですね。
足先だけ白く目立ち、まるで白足袋(または白い靴下)を履いているようです。
この特徴があれば、個体識別ができそうです。
この個体を「キジトラ白足袋」と名付けることにしました。
近所の民家で飼われているイエネコが夜の散歩で遠征しに来たのでしょう。
外見で性別を見分けられませんが、春はネコも交尾期ですから、雄猫♂が交尾相手の雌猫♀を探し求めているのかもしれません。
やがて立ち上がると、手前に向かって立ち去りました。
シーン2:4/16・午前3:05・気温8℃(@1:07〜)
2日後の未明にも、同一個体と思われるキジトラ白足袋が現れました。
巣口Rを見下ろして匂いを嗅いでから左の巣口Lへ向かいました。
その動きに反応して、対面に設置した別のトレイルカメラが起動しました。
巣口Lに顔を突っ込んで長々と匂いを嗅いだものの、巣内には侵入しませんでした。
シーン3:4/16・午前3:05・気温7℃(@1:46〜)
別アングルの監視カメラで撮れた映像です。
左から来たキジトラ白足袋が巣口Lに顔を突っ込んで頻りに匂いを嗅いでいます。
巣穴Lの奥で「いざりタヌキ」が餓死しているのではないかと私は疑っているのですが、その死臭をネコも嗅ぎつけたのかもしれません。
あるいは、野ネズミが巣穴Lに住み着いていて、猫はそれを狩ろうと通い詰めているのかもしれません。
その後も巣口Lに佇んで周囲を警戒しています。
シーン4:4/16・午前3:06・(@2:46〜)
左へ立ち去りました。
足先が4本とも白いことがよく分かります。
シーン5:4/16・午前3:06・(@2:54〜)
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。
巣口Rに生えたマルバゴマキ灌木の根元の匂いを嗅いでから、巣口Rを覗き込んでいます。
その巣口Rをピョンと飛び越えると、右奥の林内に入って行きました。
立ち止まって振り返ると、暗闇に猫の白い目がギラギラと光って見えます。
夜行性動物の網膜の奥にあるタペータム層がトレイルカメラの赤外線を反射しているのです。
シーン6:4/16・午後17:27・くもり・気温22℃(@3:33〜) 日の入り時刻は午後18:19。
まだ明るい夕方に、キジトラ白足袋が左からやって来ました。
自然光下で見て、体色の模様がしっかり確認できました。
アクセストレンチから巣口Lに忍び寄ると、トンネルの奥を覗き込んでいます。
中に入ろうとはせず、左へ戻って行きました。
シーン7:4/16・午後17:27・くもり・気温23℃(@4:04〜)
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。
次は巣口Rに回り込んでから、奥を覗き込んでいます。
その場で毛繕いを始めました。
周囲を警戒してから右へ立ち去りかけたものの、広場の右端で座り込んで右を凝視しています。
辺りで鳴き騒いでいるカラスを警戒しているのかもしれません。
シーン8:4/17・午前5:04・気温10℃(@5:03〜)日の出時刻は午前4:58。
日の出直後でもまだ暗いらしく、監視カメラが暗視モードで起動しました。
右から来たキジトラ白足袋が巣口Lに忍び寄ると、その奥を覗き込んでいます。
猫が立ち去る際に、キジ♂(Phasianus versicolor)が隣接する農地でケンケーン♪と鳴く大声が聞こえました。(@5:34〜)
シーン9:4/17・午前5:04・気温10℃(@5:40〜)
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。
巣口Lを覗き込んで匂いを念入りに嗅いでいます。
キジ♂が母衣打ちで縄張り宣言する鳴き声は(@6:08〜)。
猫が野生のキジを獲物として狩ることはあるのでしょうか?
しかし、このイエネコ個体はキジ♂の鳴く声を聞いても狩りモードに入るどころか、巣口L横の獣道に座り込んで左後足で痒い顔を掻きました。
シーン10:4/19・午前5:12・雨天・気温8℃(@6:40〜)日の出時刻は午前4:55。
2日後の小雨が降るまだ暗い早朝に、いつものキジトラ白足袋が現れました。
今回は2つの巣口R、Lの横を素通りしました。
シーン11:4/19・午前5:12・雨天・気温9℃(@6:56〜)
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。
巣口Lの点検をしないで、奥の獣道を右へ立ち去りました。
シーン12:4/20・午後12:50・晴れ・気温28℃(@7:22〜)
翌日の昼下がりにも、キジトラ白足袋が参上。
忍び足で右に立ち去りかけたものの、画面の右端に座り込みました。
やがてその場にゴロンと横臥して、自分の足を舐めました(毛繕い)。
アナグマの旧営巣地で猫がこれほどリラックスして長居するということは、この時期は誰も住んでいないのでしょう。
シーン13:4/20・午後12:52・晴れ・気温29℃(@8:15〜)
右端に居座っていたキジトラ白足袋がようやく左下手前に立ち去る姿が写っていました。
シーン14:4/21・午前10:35・くもり・気温24℃(@8:42〜)
翌日も昼前に登場。
獣道を右から来たらしく巣口Lの横を素通りして左へ向かいます。
シーン15:4/21・午前10:35・くもり・気温22℃(@8:49〜)
続きが別アングルの監視カメラで撮れていました。
巣口Rを跨いで右へ向かうと、広場の右端に座り込んで右をじっと見据えています。
近くの植林地で伐採作業をするチェーンソーの騒音が響き渡っているので、猫は警戒しているようです。
最後にようやく立ち上がって右へ歩き出しました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
同一個体のイエネコが死んだアナグマの旧営巣地に昼も夜も頻繁に現れるようになりました。
春は猫の交尾期でもありますから、♀を探し求める雄猫♂なのかもしれません。
あるいは野ネズミなどの獲物を狩ろうと探索しているのでしょうか。
猫は2つの巣穴のうち巣口Lに興味を示し、顔を突っ込んで頻りに匂いを嗅いでいます。
巣穴Lの奥深くで下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が餓死したのではないかと私は疑っているのですが、その死臭をネコも嗅ぎつけたのかもしれません。
しかし猫が巣穴Lに侵入することは一度もありませんでした。
イエネコは肉食獣ですが、一般的に自分で狩った新鮮な獲物しか食べず、よほど飢えていない限り死骸の腐肉を食べることはありません。
しかし後半になると、猫は巣口への興味を失ったようで、匂いを嗅いだりしないで素通りするようになりました。
キジトラ白足袋は営巣地の端に座り込んで、のんびり長居するようになりました。
アナグマの旧営巣地で猫がこれほどリラックスして長居するということは、この時期は誰も住んでいないのでしょう。
アナグマの死後にタヌキの♀♂ペアがこの巣穴を乗っ取るかに見えたのですが、結局は住み着かなかったようです。
(巣穴が腐乱死体で汚染されて事故物件になったから忌避した?)
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