2020年7月中旬
住宅街の民家の庭に咲いたキクイモモドキでシタキモモブトスカシバ(Melittia inouei)が訪花していました。
いつものように動画で記録しようとしたつもりが、カメラの録画開始ボタンの押し間違えで、写真(静止画)1枚しか撮れていませんでした。
カメラを構えた私が無造作に近づいたら、蛾はすぐに飛んで逃げてしまいました…。
痛恨のミスです。
撮れた写真を見直すと、蛾は花の上で休息して(翅を休めていた)いたようです。
吸蜜ホバリング中なら激しく羽ばたき続けているはずで、高々1/800秒のシャッタースピードでは翅が止まって見えないはずです。
もう一つ驚いたことは、シタキモモブトスカシバは大胆にも緑色のニホンアマガエル(Hyla japonica)の上に居座っていました。
カエルは訪花昆虫を捕食しようと待ち伏せしていたはずなのに、獲物として大き過ぎたのでしょう。
※ この記事は、動画無しの写真ネタです。
【追記】
有田豊、池田真澄『擬態する蛾スカシバガ』という名著によると、
シタキモモブトスカシバでは、後脚の脛節外側に黄色や橙黄色の長毛が密生して膨らんでおり、身体の一部分や色彩模様が擬態しているだけでなく、まるでミツバチ類やマルハナバチ類が後脚脛節の花粉バスケットに黄色の花粉を集めて膨らんでいる状態によく似ている。形態だけでなく、花粉を集めた状態に似せているという非常に特異な擬態である。 (p72より引用)
もしかすると、アマガエルはシタキモモブトスカシバのベイツ型擬態に怖気づいて手出しをしなかったのですかね?
これらの蛾類(スカシバガ科:しぐま註)のハチ擬態の効果のほどは実験的に確かめられているわけではない (p69より引用)
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