2011/01/20

マイマイガ(蛾)幼虫から脱出した寄生蜂の繭



2009年8月上旬

林道沿いでリョウブの葉にマイマイガLymantria dispar japonica幼虫が止まっていました。
多数の白い繭の塊の上に乗っており、内部寄生蜂の幼虫が寄主から脱出した後のようです。
近くに小さな蜂がうろうろしていたのは偶然でしょうか。
観察しやすいようにリョウブの葉を切り取って路上に置きました。
マイマイガ幼虫は刺激しても決してその場を離れず、歩行能力が奪われているようでした。
毛虫を繭塊から離して置いた時に元の場所に戻ろうとするか、実験してみればよかったですね。
ときどき頭を左右に振って威嚇します。
もし寄生蜂にマインドコントロール(行動操作)されていて死ぬまで蜂の繭をガードするとしたら面白いと思ったので、辺りを徘徊中のアリに対する反応を見てみました。
しかし繭塊や毛虫にアリが乗った時に必ず頭を振って追い払うとは限りませんでした。
他の寄生蜂や寄生蝿が来たらもっと明瞭にガードするのだろうか。
今思うと、真夏の路面が熱くて暴れていた可能性も否定できません。
葉ごと採集して持ち帰り、繭塊から寄生蜂が羽化するのを待ちます。
この時点ではマイマイガ幼虫(ブランコケムシ)に体内寄生するブランコサムライコマユバチなのかと予想していました。
つづく

【追記1】
モンシロチョウの幼虫に寄生するアオムシコマユバチの場合、寄主を行動操作して繭塊をシルク膜で覆わせ高次寄生蜂から身を守るのだそうです。
(『糸の博物誌』第5章:寄生蜂とチョウと糸より)
 

【追記2】
参考動画@動物行動の映像データベース
サムライコマユバチに操作されボディーガードとして振る舞うマイマイガ幼虫



0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む