オニグモ♀が垂直円網でノシメトンボ♀を捕食・ラッピング
オニグモ♀b銀の定点観察
2011年9月中旬
神社の境内の木柱の裏(いつも同じ場所)に昼間隠れているオニグモ♀成体(体長24mm)が居ます。
網を張る様子を観察したくて、個体識別のため腹背に銀色の油性ペンでマーキングを施しました。
(近くに何匹もオニグモが店開きしているのです。)
オニグモの造網開始時間は図鑑などの記述ほど規則性がないようで、定点観察で通ってもすれ違いの日々が長く続きました。
2011年10月上旬・気温12℃
夕方に様子を見に行くと、運良く網の張り替えで横糸を張っているところに出くわしました。
垂直円網が完成すると中央で下向きに占座しました。
甑の処理は特に行いません。
(休憩後に続きを行うのかな?)
枠糸は木造建築の柱などに固定してあり、甑の高さは地上約60cm、垂直円網は直径約XXcm(測り忘れた)。
オニグモ♀の造網:横糸張りは別個体♀aで以前じっくり動画を紹介したので、今回は割愛。
用意しておいた生き餌のトンボ(胸部側面の黒紋からノシメトンボ♀)を網に給餌して捕食活動を観察することにしました。
すっかり暗くなってきたので、両手にカメラとライトを持って撮影開始。
飛んで逃げないよう予め翅を半分毟っておいたせいか、円網の下側に投げ付けてもトンボはあまり暴れませんでした。
オニグモ♀b銀はすぐに獲物のもとに向かいました。
暴れる獲物を噛んで毒液を注入しているようです。
獲物に毒液が回って大人しくなると、クモは歩脚で網の下側の糸を切り、獲物を網からゆっくり外し始めました。
獲物を置いたままいったん甑に戻り、獲物から伸びた糸を固定しました。
トンボの元に戻ると再び周囲の糸を切り、遂にラッピングを開始(bite & wrap)。
左右の第4脚を交互に使い帯状の糸(捕帯)を大量に引き出し、獲物に掛けて行きます。
残りの歩脚で獲物を軽く保持し、糸でグルグル巻に梱包しました。
再び獲物を残したまま甑に戻ると下向きに占座し、歩脚の先を舐めて身繕い。
しばらくするとクモがようやく手元に梱包した獲物を引き寄せました。
ようやく甑で落ち着いて食べ始めました。
てっきり柱の陰にある隠れ家に持ち帰るのかと思ったら、夜間は堂々と網で食べるようです。
関連記事→「隠れ家に獲物を運ぶオニグモ」
定点観察期間中、この個体標識されたクモは全く網の位置を変えませんでした。
縄張りとして餌の収量に満足していたようです。
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