2012年5月中旬
路傍のスミレにひらひらと訪花するツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)を撮ろうと悪戦苦闘していたら、同種の♂♀ペアがたまたま近くに飛来しました。
吸蜜していた♂もすぐに飛び立ち、三つ巴になって乱舞が始まりました。
すぐにペアが成立したらしく、♀を射止めたα♂は木の葉に止まり交尾を始めました。
あぶれたβ♂が未練がましく辺りを飛び回り、♀に繰り返しアタックするも時既に遅し。
まさにお邪魔虫ですね。
背後からβ♂が接近する度に葉上のツマキチョウは翅を広げて追い払います。
現場ではシロチョウ科♀に特有の交尾拒否行動かと思いました。
(交尾拒否の意思表示として腹端を持ち上げているかどうか見ようと、撮りながら必死にアングル移動しています。)
ところが映像を見直すと、葉上で(交尾しながら)翅を広げた個体も黄色い翅先(ツマキチョウ)が透けて見えることから♂と判明。
したがって♀による交尾拒否ではなく、どうやら♂による配偶者ガードの行動のようです。
翅を広げて♀をライバル♂から隠しているのかもしれません。
♀による交尾拒否行動の有無は残念ながらよく見えませんでした。
交尾の結合角度が90°というのは蝶にしては珍しいと思いました。
初めだけかな?
ペアが止まった木の葉の樹種は不明ですが、明らかにツマキチョウ幼虫の食草(タネツケバナなどのアブラナ科)ではありません。
つまり、♀が産卵目的で止まったのではないようです。
※ 実は、3頭目が♀というのは特徴を実際に確認した訳ではなくて、他の♂2頭が示した一連の行動から私が判断した解釈です。
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