2024年8月上旬・午後12:45頃・晴れ 
里山の林縁で私がハキリバチ♀の撮影に熱中していると(映像公開予定)、いつの間にかコミスジ(Neptis sappho)が飛来して、私の汗ばんだ迷彩シャツに留まっていました。 
腹側に止まったから蝶に気づいたのですが、それまで私の背中にずっと止まっていたのかもしれません。
翅を開閉しながら私のシャツの上を人懐こく歩き回り、口吻を伸ばすと、シャツに染み込んだ私の汗を吸汁しています。 
性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウムやアンモニアなど)を摂取している蝶の性別は主に♂なのですが、例外もあるので決めつけられません。 
図鑑によるとコミスジの雌雄は翅脈で判別するらしいのですが、この動画では難しそうです。 
コミスジのミネラル摂取行動は初見です。
フィールドガイド『日本のチョウ』という図鑑でコミスジの生態について調べると、ちゃんと書いてありました。
各種の花を訪れるほか、路上で吸水したり、腐果・樹液・獣糞に集まるほか、人の汗もよく吸う。(p212より引用)
やがてコミスジは少しだけ飛ぶと、私の左腰にぶら下げた剪定バサミの柄に留まり直しました。 
翅を開閉しながら、プラスチック製の柄の表面を頻りに舐めています。 
私が剪定バサミを使う度に柄を握るので、手から分泌された皮脂や乾いた汗を摂取しているのでしょう。 
レンズを近づけて接写しても、コミスジは逃げようとしません。 
被写体に影が落ちないように、途中から私は体の向きを変えて撮影を続けました。 
夏の強い日差しを浴びると、コミスジの胸背や腹部の前半部が緑っぽい金属光沢に輝いてきれいですね。 
途中で私がハキリバチ♀の撮影に切り替えても、コミスジは私にまとわりついて逃げませんでした。
シグマ汁の味がかなり気に入ったようで、飛び立っても繰り返し舞い戻ってきました。 
剪定バサミを収納するホルダー(100円ショップで購入)のベルクロ(マジックテープ)部分も舐めています。 
最後にようやく飛び去りました。 
余談ですが、フィールドでは剪定バサミを持参すると便利です。 
植物採集に使うだけではありません。
夏の野山では道なき道で薮漕ぎを余儀なくされることがあります。
そんなときに、鎌やナタを振り回してバッサバッサと雑草を伐採しながら豪快に道を切り開くよりも、剪定バサミで必要最小限に雑草を切除する方が体力の消耗が少なく、静かに作業できます(近くにいる野生動物や野鳥を怖がらせない)。 
ノイバラやキイチゴなど鋭い棘のある草木が密生していても安全に取り除けますし、体に引っかかったクズなど蔓植物の頑丈な蔓もチョキンと切って進むことができます。 
細い灌木や枯れ木の小枝ぐらいなら、ノコギリを使わなくても切り落とすことができます。 
剪定バサミは昔テレビで動物番組を見ていたときに海外で猿を調査するフィールドワーカーが使っていた方法で、私も真似しています。 
鎌やナタを持ち歩いていると、警官に職務質問されたときに銃刀法違反の疑いで緊張が走るのですけど、剪定バサミなら文句を言われません。
100円ショップで売っている安価な剪定バサミは切れ味も悪く耐久性に劣り(安かろう悪かろう)結局買い直す羽目になるので、ホームセンターで購入することをお勧めします。
カッコつけて迷彩柄や緑・茶色などの商品を選んでしまうと、野外で剪定バサミをうっかり落としてしまったときに見つからなくなりますから、目立つ色を選びましょう。
 
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