2015年10月中旬
キイロスズメバチ巣の定点観察#9
この日は、妙な事件が起こりました。
シーン1:撮影開始時刻13:00
キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)が出入りする巣口に狙いを定めて撮影していると、帰巣したワーカーに門衛が突然飛びかかりました。(@0:27)大顎で噛み合う喧嘩になり、一匹が落下。
残った方は興奮したように羽ばたきながら外被上を徘徊してから入巣。
門衛が勝ったのかどうか、定かではありません。
喧嘩の原因は何だったのでしょうか?
他のコロニー出身の蜂が迷い込んだのでしょうか?
つづいて門衛?が巣内から♀を追い出しました。
巣口で誰何する門衛がピリピリと殺気立っているとしたら、その原因として特にこの時期はオオスズメバチによる襲撃が考えられます。
実はそれを半ば期待して様子を見に来たのですが、この日オオスズメバチの襲撃はありませんでした。
この時期はワーカーの数に対して外役に出ない生殖虫(新女王と雄蜂)の割合が増えてコロニーの食糧事情が悪化し、苛烈な口減らしが行われているのでしょうか?
先日は、幼虫の餓死あるいは子殺しが疑われる事件も観察しています。
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巣の外に捨てられたキイロスズメバチ幼虫の謎【子殺し?】狩りや採餌に出撃したのに空荷で帰巣するワーカー♀を許さず門衛が追い返しているのかな?(ノルマが厳しい)
喧嘩騒ぎの一方で、巣口の左下では別個体のワーカー♀が外被をせっせと増築しています。
シーン2(@1:01〜):撮影開始時刻13:44
巣口で2匹の蜂が激しく喧嘩しています。一方的に噛んでいるようで、やられている蜂はほとんど反撃しません。
映像では性別をしっかり見分けられないのがもどかしい限りです。
(同定用にストロボ写真を撮るべきでしたが、動画撮影を優先しました。)
もし交尾行動なら♂がマウントを試みるはずですが、そのような展開にはなりませんでした。
巣に侵入を試みた雄蜂(または他コロニー出身の♀)が撃退されたのかな?
アシナガバチでよく見られるような優位行動がスズメバチにもあるのでしょうか?
権勢の衰えた創設女王に対してワーカー♀がクーデターを蜂起したのでしょうか?
無抵抗で動かない相手の体を2匹の門衛?が噛み続けています。
喧嘩に毒針は使わず、大顎で噛み付くだけでした。
鎧のように固いクチクラは噛み切れないらしく、致命傷を与えられないでいます。
やがて2匹とも外被からもつれ合うように落下しました。(@3:24)
死闘を繰り広げている間に、その横では平然と造巣作業が続いています。
※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
つづく→#10:巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀
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