2018年8月下旬・午後20:14〜22:09・室温26℃
オビガ(蛾)の飼育記録2018年#5
オビガ(Apha aequalis)の終齢幼虫aが飼育下で繭を紡いでから36日後(蛹化日は不明)の夜、遂に成虫の羽化が始まりました。
外は久しぶりの雨が降り続き、涼しい日でした。
気温の低下で夏から秋になったのを感じて羽化するのですかね?
オビガ成虫が繭からどうやって脱出するのか、興味がありました。
カイコのように繭の絹糸を消化酵素(コクナーゼ)で溶かしながら脱出するのか、それとも出口を押し破るだけなのかな?
しかし私が気づいたときには、既に新成虫が繭から抜け出た後でした。
プラスチック容器の壁面を登ろうとして滑り、ひっくり返ってもがいていました。
止まり木として割り箸を急いで差し出してやると、素直に登り始めました。
翅が未だ縮んだ状態で胴体よりも短く、全身がやや湿っているように見えました。
割箸の天辺に落ち着くと早速、しわくちゃの翅を伸ばし始めました。
ハンディカムで慌てて撮った前半パートは6倍速の早回し映像でご覧下さい。
後半は三脚を立てて撮った翅伸展の様子を60倍速の早回し映像でご覧下さい。(@0:39〜)
翅が伸び切ると翅を小刻みに震わせ、軽く羽ばたくようになりました。
やがてしっかり閉じた状態で乾かします。
自然界でオビガの翅裏を見ることはまず無いので、珍しい光景でした。
最後に翅を広げ、見慣れた姿勢で静止しました。
チョウの羽化では翅伸展しながらゼンマイ状の口吻をくるくると曲げ伸ばして1本の管状に繋げるのですが、オビガは口吻の動きがありませんでした。
顔を接写すると、成虫の口吻は退化しているようです。
この個体はなぜか羽化液(蛹便)を排泄しませんでした。
触角が羽毛状で翅表の色が濃いので、どうやら♂のようです。
オビガも他の多くの昆虫類と同じく雄性先熟なのでしょうか?
触角の櫛歯は♂の方が少し長い. (中略)色彩の濃淡には変異があるが, ♀は一般に淡色で大きいことが多い. (Digital Moths of Japanデータベースのオビガの項目より引用)
つづく→#6:暗くすると元気に飛ぶ夜行性のオビガ♂(蛾)
オビガ(蛾)成虫♂a:背面@割箸+羽化直後 |
オビガ(蛾)成虫♂a:側面@割箸+羽化直後 |
オビガ(蛾)成虫♂a:腹面@割箸+羽化直後 |
オビガ(蛾)成虫♂a:顔@割箸+羽化直後 |
オビガ(蛾)成虫♂a:左触角@割箸+羽化直後 |
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