2025/05/16

走って逃げ回るケラを掴まえてみる

 

2024年5月上旬・午後12:30頃・晴れ 

郊外の畑で農道をケラGryllotalpa orientalis)がなぜか走り回っていました。 
昼間の天敵に捕食されないように、枯れ草の茂みの中など、隠れる場所を探しているようです。 
とっさに通常マクロモードのカメラで接写を始めてしまったので、しゃがんだ際に太陽を背負った私の影が被写体に落ちてしまいました。
(逆側から回り込む余裕がありませんでした。) 
ケラの行く手に左手を差し伸べたら、私の手のひらにすんなり乗ってくれたので、手掴みであっさり捕獲できました。 

 順光になるように少し場所を移動してから、軽く握っていた手のひらをそっと開いてみます。
「手乗りケラ」は私の指を少し登ってから、下の舗装路に転げ落ちました。 
住宅地の舗装路を慌てて逃げ回り、側溝のコンクリート蓋を横切り、日向の砂利道を走り回ってから、最後は側溝の蓋の隙間に潜り込みました。 
地面に緊急避難用の穴を急いで掘って隠れるかと期待したのですが、ただ逃げ回るだけでした。 
明るい日向よりも日陰を好む、といった負の走光性もありませんでした。
ケラの逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@1:06〜)
穴を掘る器官であるシャベル状の前脚も使って6本足で歩いていました。

側溝の蓋の細い隙間に身を隠しただけなら良いのですが、用水路に落水してしまったかもしれません。 
ケラは水中を泳げらしいので、溺れる心配はありません。 
しかし、岸に泳ぎ着いたところで、コンクリート三面張りの用水路はケラにとってかなり深く、外に這い出たり飛び去ったりするのは難しいでしょう。 
道端の側溝に閉じ込められたケラがひっそりと鳴いている声を夜の街なかで聞くことがよくあるのですが、その理由をひとつ説明する映像になったかもしれません。 

関連記事(7、8年前の撮影)▶  

ちなみに、ケラは多くの個体が成虫で越冬するのだそうです。
この個体は翅があるので成虫ですが、私には性別を見分けられません。
ケラは♀であっても産卵管は短くて目立たないらしく、性別を見分けるには翅脈を精査する必要があるそうです。
(♂は鳴くので、発音器官の翅脈が複雑。)
せっかくケラを捕獲したのなら、翅を広げてみれば良かったですね。
動画を一時停止した状態で、翅脈から性別判定できますかね?

参考サイト:おケラのギモン by 生きもの写真家安田守の自然観察な日々
翅脈の比較写真が雌雄で掲載されているのですが、どこに注目しているのか、素人目にはよく分かりませんでした。
イラストで図示するか、この翅脈だよ、と写真に書き込んでもらえると助かります。





いつかケラを飼育して、食事や水泳、飛翔、造巣、鳴くシーンなどを一気に撮影してみたいものです。 


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