2024年5月上旬〜中旬
平地の二次林で、死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を見張る監視カメラに、珍しくヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)が写っていました。
この林内に生息するヒヨドリを現場で実際に何度も目撃していたのですが、実はこの地点でヒヨドリがトレイルカメラに写ったのは初めてです。
シーン1:5/5・午前8:50・気温21℃(@0:00〜)
巣口Rの手前に自生するマルバゴマギマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)灌木の根元に1羽のヒヨドリが来ていました。
目の前でハラリと落ちた1枚の落ち葉に興味を示したのがきっかけで、その枯れ葉を何度も拾い上げたり落としたりしています。
隠れている虫を探すための落ち葉めくり行動とは全く違い、玩具として遊んでいるように見えました。
拾う際には、枯れ葉の中央部を嘴で咥えています。
まさか巣材として落ち葉を持ち去るかと思いきや、その予想も外れました。
実はもう1羽の鳥が右上奥の林縁の灌木に止まって様子を見守っていました。
おそらくヒヨドリのパートナーだと思うのですけど、暗くてシルエットしか見えず、自信がありません。
その2羽が続けざまに飛び去りましたが、鳴き声を発しませんでした。
その間、茶色い毛虫がマルバゴマギの灌木から地面に降りて地面を徘徊し始めました。
クマケムシの徘徊シーンを1.5倍に拡大した上で5倍速の早回しでリプレイ(@1:07〜)。
この毛虫をヒヨドリが捕食しなかったのは、獲物の存在に気づかなかったのか、それとも敢えて忌避したのか、どちらでしょう?
クマケムシの剛毛には毒がないことが分かっていますが、やや毒々しい体色からベーツ擬態が機能したのかな?
ヒトリガの幼虫は広食性なので、
シーン2:5/12・午前9:08・気温19℃(@1:46〜)
食草に含まれたアルカロイドを体内に含有していることがあるので、小鳥のように摂食する分には有毒ではある。(wikipediaより引用)
おまけの動画です。
1週間後にもヒヨドリのペアがセットに来ていました。
マルバゴマギ灌木の細い幹に止まって、巣口Lをじっと見下ろしていました。
この巣穴Lの奥には餓死した「いざりタヌキ」の死骸が転がっているのではないかと私は疑っているのですが、野生動物だけでなく様々な野鳥(カラス、キジ)が入れ代わり立ち代わり来て、巣口Lに興味を示しています。
ヒヨドリは腐肉食性(スカベンジャー)ではないのに、動物の死骸に興味を示すのは不思議です。
日本の鳥は一般に嗅覚が鈍いとされているので、死臭を嗅ぎつけたとは思えません。
(死骸の体毛を集めて産座の巣材とする行動なら理解できます。)
ヒヨドリは虫を捕食しに来たのでしょうか?
しかし、巣口Lにハエやキイロコウカアブは飛び回っていません。
腐肉を分解する虫たちのかすかな物音を聞きつけたのかもしれません。
(私が現場検証しても、巣口Lで死臭を感じたり虫の音を聞いたことはありません。)
結局、ヒヨドリは巣穴Lの中に入って調べることはなく、止まり木から飛び立ちました。
右手前の死角に潜んでいた別個体のヒヨドリも、後を追うように飛び去りました。
つづく→
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