2016/07/18

ヒオドシチョウの幼虫を群れで襲うクロヤマアリ♀



2016年6月上旬

山麓の舗装路でヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)の幼虫クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が群れで攻撃していました。
死骸ではなく未だ生きている毛虫を襲っています。
ヒオドシチョウ幼虫に特有の棘状の突起ではアリの攻撃に対して自衛できないことが分かりました。※
それでも身を攀じって暴れ、必死で抵抗しています。
その棘の先端を多数のアリが咥え、後ろ向きで一斉に引きずり、巣に運搬しています。
幼虫の頭楯を引っ張っているアリは、どこに噛み付いているのでしょう?

多数の蟻が興奮したように周囲を走り回っています。
おそらく仲間を呼び寄せる集合フェロモンを発しているのでしょう。
ヒオドシチョウ幼虫は大勢のアリを引きずって徘徊を始めるも、振り払えずにまた捕まりました。
天敵に襲われたヒオドシチョウの幼虫は口から嫌な味のする液体を吐くことが知られています。

ヒオドシチョウでも体前半部を持ち上げ、激しく震わせ、口から緑色の液を出す。(『日本動物大百科9昆虫II』p48より)
ところが、この個体は何故か吐き戻していません。
もう既に吐き尽くしてしまったのでしょうか?(蟻には効果なし?)
最後は採寸のために定規を並べて置きました。


※ ちなみに、ヒオドシチョウ幼虫の背中に生えた恐ろしげなトゲトゲは見掛け倒しで、ヒトが手で触れても痛くありません。
一方、マイマイガの幼虫(毛虫)はアリに襲われそうになっても長い毛で身を守れました。

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