2014年6月中旬・室温25〜26℃
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イエユウレイグモ(蜘蛛)の交接から卵嚢ガードの再開まで【10倍速映像】
交接を観察してから11日後の午後。
屋内の天井隅に張られたイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)の不規則網に触肢の発達した成体♂がまた訪れていることに気づきました。
前回交接に成功した♂と同一個体なのか別個体なのか分かりません。
また求愛行動が見られるかと期待して、10倍速のタイムラプス動画で録画開始。
今回♂の行動は草食系というか不活発で、どうも求愛行動とは違うようです。(倦怠期のカップル?)
子持ちの♀が次の交接を許してくれるまで(卵嚢から幼体が孵化するまで?)健気にひたすら待っているのでしょうか。
それとも実は交接を済ませており、♀の網にライバル♂が侵入しないように交接後ガードしているのかもしれません。
卵嚢を口に咥えて持ち歩き保護している♀が網から♂を追い出そうとしている意図をなんとなく感じられるものの、激しい闘争は見られませんでした。
冷たくされて♂は♀に近づけませんが、網から出て行こうとしません。
♀は糸を張りながら動き回り不規則網を補修している可能性もありそうです。
しかし背景が白いため、網や糸が全く見えず真相は不明です。
写真や動画では2匹のクモ同士の奥行きを含めた空間的な位置関係を伝え難いです。
3Dカメラが欲しいと初めて思いました。
微速度撮影の途中で脚立に登り、♀♂ペアを接写してみました。
卵塊が白黒斑になっているのは、発生中の胚が透けて見えているのかな?
幼体の孵化が楽しみです。
定点観察を続けていると日によって♂が行方不明になるので、同一個体の♂が通い婚しているのか確認したくなりました。
そこで♀の不規則網に居座る♂に個体識別のマーキングを施すことにしました。
初めは網にぶら下がっている♂に直接マーキングを試みました。
しかし警戒して逃げられたので、仕方なく捕獲作戦に切り替えました。
透明カップで一時捕獲した♂を炭酸ガスで麻酔し、水色の油性ペンで腹背にマーキングしました。
このとき手元が狂い、うっかり歩脚にもインクが付いてしまいました。
麻酔から完全に醒める前に不規則網にそっと戻してやりました。
♀にも別の色で標識すれば良かったのですが、捕獲・麻酔・標識という一連の操作で身の危険を感じた♀が卵嚢を捨てたり網から逃去したりする可能性をおそれて、思いとどまりました。
(案ずるより産むが易しで、♀はそれほど神経質ではなく実はマーキングしても平気なのかもしれません。)
翌朝に様子を見に行くと、マーキングした♂水色が依然として♀の網に同居していました。
卵嚢を咥えた♀が居候♂を追いだそうとしています。
母は強し。
網に獲物がかかったらどちらが捕食するのか、興味があります。
つづく
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