2007年6月上旬
左の個体:
暴れる獲物を地中に引きずり込みました。
大顎で獲物を咥え直すときによく逃げられるようですが、砂の中に生き埋めにすれば簡単には逃げられません。
蟻も昆虫界では穴掘り工事のスペシャリストですが、無力化されてしまいます。
化学兵器(強い蟻酸)を放出して対抗している筈ですけど、アリジゴクは平気なのかな※1。
※【追記1】:「アリは大顎で敵を噛んでからでないと蟻酸を放出しないが、アリジゴクはその隙を与えないらしい。実験的に蟻酸をアリジゴクの頭部に垂らすと獲物を離す」とのこと。アリジゴクは吸汁前に毒液を注入して獲物を麻痺させているそうです。
右の個体:
吸汁し終えた蟻の死骸を巣穴の外へ勢い良く放り投げました。
アリジゴクは幼虫期に糞をしない(肛門が開通していない)ので巣穴はいつも清潔でサラサラです。
皆さんも粋なペットとして蟻地獄を飼育してみては如何でしょう。
お洒落にワイングラスで飼ってる人も居るようです。
水も不要で※2、飢餓にも強いです。
※【追記2】:この後残念ながら成虫に育つ前に飼育に失敗してしまったので種名は分からず仕舞い。普通のウスバカゲロウ(Hagenomyia micans)の幼虫の場合は飼育が若干難しく、土(シルト)に適度な湿り気を与えないと干からびて死んでしまうらしい。二匹を同居させたのも良くなかったかも。共食いした可能性があります。
【参考図書】
『砂の魔術師アリジゴク:進化する捕食行動』中公新書←おすすめです!)
【追記3】
小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p14によると、
アリジゴクに食いつかれた獲物の虫は、比較的短時間のうちに死にますが、これはアリジゴクがキバを使って強力な毒素を注射しているからだということが明かされています。この毒素は、アリジゴク体内の胃袋(そ嚢)に共生する細菌由来のものだそうです。
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