寄生蛾の幼虫が少なくとも2頭、巣食っていることを採集直後に確認しています。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチの巣に寄生したマダラトガリホソガの仲間の幼虫が糸を張り巡らせる」)
そのまま室内で放置していたら、2ヶ月後の11月下旬にマダラトガリホソガの成虫が季節外れに一頭羽化しました。
(関連記事はこちら→「キアシナガバチ巣に寄生したマダラトガリホソガ(蛾)の仲間の羽化」)
年が明けて2011年2月下旬
新たに寄生蛾の幼虫が一匹、容器の底を蠕動徘徊していることに気づきました。室温16℃
寄主であるキアシナガバチの廃巣から落ちてしまったようです。
糸を吐いて歩くので容器底にも不規則網を張り巡らしています。
体長7.5mmで頭楯は焦げ茶色、腹端は薄い褐色。
クリーム色の胴体に剛毛が生えています。
2011年2月下旬 |
前回に観察した幼虫はもっとほっそりしていて黒い背面でした(下の写真参照↓)。
今回の個体はそれよりも太く背面の色が違うので、脱皮して齢数が進んだ老熟幼虫なのだろうか。
別種だったらもっと面白いのですけど。
2010年11月下旬 |
方眼紙上に乗せてやると蠕動で前進します。
ときどき頭部を持ち上げ左右に振って辺りの様子を窺います。
徘徊する寄生蛾幼虫の近くに寄主の巣を置いても、引き寄せられるような走性は特に見られませんでした。
進行方向に寄主の巣を置いてやっても、自力では這い上がれないでいます。
巣の下の物陰に辿り着いて眩しい光から逃れただけで安心しているようです。
撮影後はピンセットでキアシナガバチの巣に戻してやりました。
ところが巣が虫食い状態でボロボロのためか、しばらくするとまた力無く下に落ちてしまいます。
何度戻しても同じで元気がありません。
せめて蛹化する様子を観察したいのですが無理そうです。もしかしたら自然界でも終齢幼虫(の一部)はアシナガバチの巣から脱出落下して地中で蛹化するのだろうか(妄想)。
マダラトガリホソガは蛹で越冬するはずなので、野外に放置されたままならこの幼虫は冬の厳しい寒さで死んでいたはずです。
産卵時期や発達が遅れた個体と思われます。
幼虫のステージでも越冬できるのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿