2008年6月下旬〜7月中旬
里山を散策中、タニウツギ幼木の葉裏に謎の泥巣を発見。
葉ごと採集して持ち帰りました。
一部半乾きで作りかけのように見えます。
「ヒゲおやじの投稿掲示板」にて問い合わせたところ、ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonariu)の一種だろうと教えて頂きました。
この仲間は似た種類が多くて詳しい同定は専門家でもなかなか難しいのだそうです※。
ありあわせのプラスチック容器(フロッピーディスク容器の隙間をセロテープで塞ぐ)に入れて室内飼育開始。
15日後、初成虫が羽化してきました。
連日続々と羽化してきます。
泥巣には羽化孔が残されています。
♂♀の区別などは分かりませんでした※。
※ ベッコウバチ科の特徴として、死後触角の先がカールするのが♀、しないのが♂らしい。死骸を撮った写真を見直すと、最初に羽化した個体は♂で頭楯が白く、最後に羽化した4匹は♀で頭楯は黒だった。ヒメベッコウ属全てを検討した訳ではないものの、現時点ではヒメベッコウ(Auplopus carbonarius)の特徴と合っている気がします。翅に黒班が無くハナナガヒメベッコウ(A. constructor)は除外できます。あくまでも素人判断です。
ヒメベッコウ♂羽 |
ヒメベッコウ♀標本@ |
交尾なども見られませんでした。
成虫の餌や飼い方を知らないので、撮影後は片端から外に逃がしてやりました。
手に取っても刺されることはありませんでした。
クモを狩って貯食・産卵するらしい(一括給餌)。
最終的に羽化孔は計13個。
前年は同じ仲間の♀が巣材の泥団子を集める様子を観察できたので、ストーリーが少しずつ繋がりつつあります。
次はクモを狩るシーンや巣作り行動などを見てみたいものです。
《追記》
ヒメベッコウが作る泥壺は防水加工されていないため(巣材の泥団子に唾液を混ぜない)、水に濡れると簡単に溶けてしまうらしい。
そのために、崖下や葉裏など雨の当たらない場所を選んで営巣する。
(『カリバチ観察事典』 偕成社 p28より)
ヒメベッコウの成虫が壺から出てくる際、口から水を吐き出して、泥を柔らかくし、壁を破るらしい。
(『ファーブル写真昆虫記2:つぼをつくるかりうど』p40より)
果たして本当かな? 本当なら吃驚!
幼虫時代に摂取した水分だけで足りるだろうか?
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