2008年7月中旬
働き蜂(ワーカー)の娘が生まれてキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)創設女王の負担も軽減されるかと思いきや、羽化後働いてくれるまで数日かかるようです。
ワーカーが巣の上部で休んでいる間、女王は巣房を点検し、身繕い、蟻除け塗布、幼虫との栄養交換、扇風行動(気温29℃)と精力的に働いていました。
ワーカー羽化後はアリ忌避物質の塗布を余り行わないと本※に書いてあったのですが、そうでもない気がします。
初々しい母娘関係も何やら興味深い。
ワーカーは女王の仕事の邪魔にならないよう女王を避ける素振りを見せます。
※《参考図書》
『図説・社会性カリバチの生態と進化』 松浦誠
つづく→シリーズ#30(#29は欠番)
【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』を読むと、女王とワーカーの分業に関してとても意外なことが書いていました。
両カーストの分業の程度は、種によってかなり異なるのだそうです。
アシナガバチ属のなかでも、営巣規模の小さいヤマトアシナガバチやキボシアシナガバチでは、女王は働きバチの羽化後も、営巣の末期まで巣外の仕事をおこなう。女王は、働きバチと同じように、巣材、肉団子、冷房用の水などの採集をつづけ、同時に、各種の巣内の仕事もおこなう。(p188-189より引用)
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