2011/02/07

クロフシヒラタヒメバチ♀が獲物を探索徘徊



2010年11月下旬

川に近い堤防で黒い蜂が一匹、コンクリート石段を徘徊しています。
石段の隙間に頭を突っ込んでは何かを調べているようです。
奥にある出嚢済みの破れたクモ卵嚢に強い興味を示しました。
あるいはクモの住居網かもしれませんが、いずれにせよ中は空っぽでした。
蜂は産卵管を突き刺していないと思います。
メモリーカード残量が無くなり接写は断念。
気温21℃。







採集してみると、初めて見る奇妙奇天烈な蜂でした。
体長12mm。
死骸の太い産卵管は天を突くように背負っていて、シリアゲコバチみたいです。
腹端に産卵管を収める溝があります。
後脚が太い(大根足)点もシリアゲコバチと似ています。
産卵するための獲物としてクモを探索していたにしてはクモバチ(旧名ベッコウバチ)らしからぬ姿なので、クモヒメバチの仲間だろうか。←当てずっぽう
シリアゲコバチとの体型の類似から想像するに、何か堅い基質に産卵する寄生蜂のような気がします。


いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSにて問い合せたところ、早速回答を頂きました。
「画像のハチはヒメバチ科です。産卵管の向きが上向きになってしまってそのような形になっているようです。きちんと検索したわけではないですが、ヒラタヒメバチ亜科Pimplini族のようです。クロフシヒラタヒメバチ(Pimpla pluto)が最も近いのではないでしょうか。もしかするとマイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa)?」
確かにご指摘の通り、採集した蜂を冷凍処理で体があちこち捻れた状態で硬直したまま死んでしまったようです。
産卵管もシリアゲ状態は不自然であると分かりました。
生前の映像でも産卵管を背側に立てた状態で歩いていません。

日本産ヒメバチ目録にて調べてみると、寄主は鱗翅目の蛹だそうです。(チョウ目蛹の内部・殺傷・単寄生蜂)
やはり堅い基質に産卵するための形質を備えていたようです。

クモヒメバチの仲間ではないと判明したので、映像内でクモの巣?(糸を綴った構造物。住居網?卵嚢?)に興味を示したように見えたのも私の勘違いだったようです。
単に「穴があったら入りたい」探索モードだったのでしょう。
私の勝手な思い込みで危うく見当違いの解釈をするところでした。

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