2011/02/09

キアシナガバチの母子間伝達♪



2009年6月上旬

キアシナガバチPolistes rothneyi)の巣の定点観察記録。
育房数35室。
蜜滴、ピンク色の幼虫を認めました。
狩りから帰った創設女王は幼虫に肉団子を少しずつ給餌して回ります。
餌が無くなると今度は女王が幼虫から栄養豊富な唾液の吐き戻しを受けます(栄養交換)。
このとき女王が触角で育房の壁をリズミカルに叩く音がかすかに聞こえました(ヘッドフォン推奨)。
前年同じ場所で営巣したキアシナガバチ女王で初めて観察したドラミング行動が再現されました。


米国産アシナガバチ(Polistes fuscatus)での研究によると、これは三齢以降の幼虫に対してのみ女王が示す行動で、栄養交換に関わる解発信号(幼虫の唾液分泌を抑制)である可能性が報告されています。
Suryanarayanan, Sainath, and Robert L. Jeanne. "Antennal drumming, trophallaxis, and colony development in the social wasp Polistes fuscatus (Hymenoptera: Vespidae)." Ethology 114.12 (2008): 1201-1209.   [PDF file]

Pratte, Michel, and Robert L. Jeanne. "Antennal drumming behavior in Polistes wasps (Hymenoptera: Vespidae)." Zeitschrift für Tierpsychologie 66.3 (1984): 177-188.  [PDF file]
つづく→シリーズ#4

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