2009年5月上旬
前年のフィールドワーク(定点観察)でアシナガバチを個体標識する必要に迫られました。
単独営巣期の女王蜂は穏健でなんとかマーキング出来たものの、ワーカーは怖くて手を出せませんでした。
捕獲した虫を一時的に麻酔できれば安全かつ容易にマーキングできるでしょう※。
※ 参考図書:『アシナガバチ一億年のドラマ:カリバチの社会はいかに進化したか』 北海道大学図書刊行会 p97
色々と調べ回って、便利そうな物を通販で見つけました。
本来は熱帯魚飼育で水草の成長を促進するため水中に炭酸ガスを添加するための装置らしいです。
セットをほぼそのまま流用します。
長過ぎたビニールチューブを半分に切り、不要な吸盤を外し、拡散筒底を厚紙で塞いだだけ。
他の方法として冷蔵庫などで冷やすだけでも虫は簡単に麻酔可能です。
しかし重いクーラーボックスや保冷剤をフィールドに持ち歩くよりも、このスプレー缶は断然軽いという利点があります。
消耗品のCO2ボンベは3本セットで購入可能。
今回は蝿2匹を使って麻酔の練習です。
操作は簡単で即効性があり、外気に戻すとすぐに麻酔から醒めて元気になります。
欠点を挙げるならば、CO2は温室効果を生じる点です。
もっと簡単あるいは安上がりな(コストパフォーマンスに優れた)方法をご存知の方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい※。
用途
- 危険なハチの個体標識作業
- 同定用に特殊なアングルや部位の写真を撮るのに生きた虫の動きを止めたいとき。 殺生が嫌いな人向け。
- クモなど肉食の虫の飼育で生餌を与える際の作業にも便利。 など
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