2009年5月上旬
低山の林道上に出来た水たまりで交尾中のアメンボを撮りました。
写真鑑定でヤスマツアメンボ(Gerris inslaris)と教えて頂きました。
♂は交尾が済んでもマウントを続け、他の♂と交尾するのを防ぐようです(交尾後ガード)。
上陸するとぴょんぴょん跳びはねます。
【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
アメンボは水面という二次元の世界で暮らしている昆虫だ(たまに飛ぶが)。♂はしきりに♀に挑むが、♂を背に乗せた状態では、♀の採餌や外敵から逃れる能力が低下してしまう。そこで、アメンボの♀は交尾を挑む♂に必死で抵抗する。 (p87より引用)
あまりに言い寄る♂が多くなると、いちいち♂と格闘していたら逆に餌を食べる暇もなくなるし、かえって外敵に目立ってしまうだろう。二次元生活では逃げ場がないのだ。交尾そのもの以外の形でコストを被ることを「セクシャル・ハラスメント」と呼んでいる。「セクハラ」という用語は、人間専用ではないのだ! 実際、アメンボの♀は♂の密度が高くなると交尾を受け入れ、♂に交尾後ガードされて過ごす時間が長くなるという。より大きなコストを避けるために、より小さな交尾のコストを受け入れる、「背に腹は代えられぬがゆえの交尾」というわけである。これもコストを抑え、産卵数を増加させる♀の戦略として捉えることができるので、直接的利益に数えられている。 (p88より引用)
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