2009年6月下旬
この日は強風が吹き荒れ、軒下の巣が揺れていました(残念ながら映像無し)。
巣に乗っていたキアシナガバチ(Polistes rothneyi)創設女王も異変に気づき、耐震構造に不安を感じたようです。
直ちに巣柄の補強を始めました。
根元の付着点を中心に頻りに舐めて唾液を塗り付けています。
続いて腹部下面を巣柄に繰り返し擦り付け、アリ避け物質を念入りに塗布しています。
一週間ぶりに観察したのだが、創設女王に施した個体識別のマーキング(銀色)がまたもや無くなっていてショック。
考えられる可能性は二つ。
- 単純に塗料が剥げ落ちた。プロのアシナガバチ研究者がフィールドで使っているのと同じ銘柄の油性ペンに切り替えたばかりなので考え難いのだが・・・。
- 創設女王(銀色)とは別の個体(無印)による巣の乗っ取り。この日、軒下に飛来した別のアシナガバチ(標識不明)を在巣の女王(無印)が迎撃し追い払うシーンを目撃しています(次のエピソード10参照)。最も発達の進んだ中央部の育房で繭の上に産みつけられていた卵が見当たらない点も気がかり。乗っ取り後に食卵されたのだろうか。乗っ取りが起こると、卵や若齢幼虫は全て食べられてしまうが、蛹や老熟幼虫は残され血縁関係の無い新女王の奴隷として仕えることになります(労働寄生)。
定点観察の空白期間が悔やまれます。
早急に女王を再標識しなければなりません。
予想外の事態でこの日はマーキングの準備をしていませんでした。
つづく→シリーズ#10
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