(承前)
緑の葉片を咥えて帰巣したヤマトフタスジスズバチ♀(=フタスジスズバチ;Discoelius japonicus)は今回なぜか節穴を見つけられず、定位飛行を繰り返しました。
すぐ近くにもう一つ節穴があって紛らわしい上に、前回ピンクの葉片で充填したのでピンクの板壁の背景では保護色になっています。
これほど力を込めて葉片を詰め込む(圧迫充填)のでは、中の卵や貯食物が潰れてしまわないのだろうか※。
充填作業の後半になると、葉片を噛みほぐしながら興奮したかのようにその場で羽ばたく行動が目立つようになりました。
- 映像を見る限り、滑落防止説(板壁から滑り落ちないようバランスを取っている)は考えにくい。
- アシナガバチの扇風行動を連想させます。気温は25℃と暑くありませんが、重労働で火照った大顎の筋肉を自分で扇いで空冷? (サーモグラフィーの動画を撮れれば解明可能かも)
- 噛みほぐした葉パルプの水分を飛ばしている?
葉片で巣穴の入り口を完全に埋めると、ここでの営巣活動は完了したようです。
蜂はさっさと次に営巣する穴を探索し始めました。
巣穴を葉片で充填する全過程を動画に記録することが出来ました。
次は貯食や産卵、葉切り行動などを観察してみたいものです。
日にちが立つと葉片の詰め物はカビが生えてきました。
(シリーズ完)
※ 本種は巣坑の入り口近くには必ずEVC(空室)を設けるらしい。
巣材の葉片は常にバラ科の葉緑部から切り取られるらしい。
(『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄 眞野書店 p244 より)
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