2011/03/31

チャイロスズメバチに乗っ取られたキイロスズメバチの初期巣:前編



2006年7月上旬

巣入口のボルト穴に大きなチャイロスズメバチVespa dybowskii)女王が外向きに陣取っています。
そのため帰巣したキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー3匹が中に入れないでいます。
どうやら巣の乗っ取りが進行中で、寄主(ホスト)の創設女王は既に殺されている模様。
チャイロの卵はキイロのワーカーに子育てさせるらしい(社会寄生性スズメバチ)。


つづく→中編


【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
(社会寄生する)条件的一時寄生種としては、日本のチャイロスズメバチが有名である(中略)チャイロスズメバチの場合、私がこれまでに観察した例では、他種に寄生したコロニーの営巣規模は一般に小さいことが知られており、一方、初めから自力営巣したとみなされるコロニーは、最大規模の営巣をしていることが多い。このことは、越冬後の女王のなかで、自力による巣づくりに遅れをとったり、質的に劣った個体が、自力営巣をあきらめて、寄生者としての道を選択するという可能性も考えられる。(p108-111より引用)
チャイロスズメバチでは、相手の働きバチが羽化してまもないもので、数が多くない巣を乗っ取る。(p115より引用) 


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