2008年9月中旬
美声に感嘆。
♪ルルルルルルル。
カンタン(Oecanthus longicauda)はその美しい声から「鳴く虫の女王」と呼ばれることがあるそうです(鳴くのは♂ですけど)。
再び鳴き出すのを期待したものの、待てど暮らせどその気配がありません。
歩き回りススキの葉を食べているように見えますが、映像でははっきりしません。
一時的に捕獲して腹板が黒色であることを確認しました。
【追記】
矢島稔『観察の記録六〇年: 秘蔵写真が語る自然のふしぎ』(2014年)によれば、
カンタンという虫は、つい先日まではコオロギ科だったが、今はカンタン科に変更された。生物の分類というものは、固定しているわけではなく、そのときのその分野を担当する研究者のセンスで決められることが多い。コオロギ科と言っていたときには、体の各部位の形を比較して、カンタンの頭は他のコオロギと同じで、特に変わったところはないというのが同類とした理由だった。しかし、現在の研究者は、次のように言う。カンタンは頭全体が前を向き、口が先に出ている。口が下についていないのはコオロギとの大きな違いだから、科を変えたほうが良い。 (p146-147より引用)
しかしwikipediaでは日本語版も英語版もコオロギ科のままでした。
生物の分類で所属する科が定まらないのは困りますが、下線部にも書いてある通り、素人があまり深く思い悩んでも仕方が無いのです。
カンタン♂には、発音のためのヤスリが左前翅の翅脈の裏にある。拡大すると、丸みのあるコッペパン様の形をしている。この形のために、まろやかで耳にやさしい音を奏で、人に好まれる癒やしの効果があるのではないだろうか。しかも、高低のない定間隔の音だ。オシログラムは、1秒間に10回、3つの音が1つの束になっていることを、ソナグラムに、パワースペクトルは、最も高い音が3kHzであることを示す。これは鳴く虫の中では最も低い。 (同書p150-151より引用)次の機会があれば、自分でもカンタン♂の鳴き声を声紋解析してみるつもりです。
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