2010年9月上旬
オオハキリバチ(Megachile sculpturalis)巣の定点観察3日目。
前日は産卵後、次の育房の隔壁を作り貯食作業を始めたのを見届けて帰りました。
あとは同じ作業の繰り返しです。
この日は朝から樹脂の塊を連続して搬入しています。
遂に巣穴の入り口を閉鎖し始めたようです。
3日目ともなると馴れてくれたのか巣の横でカメラを構えていても、もはや警戒せず入巣してくれます。
マクロレンズで充填作業を接写すると、腹部第2節の側面にオオハキリバチ特有の白毛を確認できました。
巣穴はすっかり浅くなり、蜂は体を中に入れられず逆さにぶら下がったまま外から作業します。
頑丈な大顎で樹脂を捏ねています。
足場が不安定なため、作業中にときどき羽ばたいてバランスを取っています。
褐色の樹脂は粘り気があり、まるで水飴やキャラメルのようによく伸びます。
ドロバチの巣材とは異なり、樹脂は水不要の手軽な可塑剤です。
粘着性耐水剤である樹脂には防虫、防腐効果もありそうです。
蜂の体に樹脂が付着しないのは何か秘密があるのだろうか。
複眼や翅に付いたら致命的だと思うのですが、体表から油分を分泌しているのかもしれません。
蜂が飛び去る度に下から巣穴を覗いて進捗状況を点検してみます。
この日も晴天ですが、風があり涼しくて助かりました。
(つづく)
【追記】
『ハチハンドブック』p87によると、
(ハキリバチ科なのにオオハキリバチの)巣材は葉ではなく、松やになどの樹脂を使用するが、塗料のパテを利用していたことがある。
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