2010年9月上旬
オオハキリバチ(Megachile sculpturalis)の営巣を定点観察中に蝿のような虫が何度も飛来しました。
怪しい行動から天敵のツリアブだろうと直感しました。
お尻が白いのでコウヤツリアブのような気がしますが、採集してみないことには分かりません。
この丸太には3つの穴が並んでおり、右から順にオオハキリバチ(営巣中)、オオフタオビドロバチ?(閉鎖済み)、オオハキリバチ?(閉鎖済み)が巣穴として利用しています。
「竹筒ハチ図鑑」サイトによると、コウヤツリアブの寄主範囲は広く約20種のカリバチやハナバチが知られているらしい。
そのリストにはオオハキリバチもオオオフタオビドロバチも含まれていました。
帰巣するオオハキリバチ♀の後をツリアブが尾行して来ます。
ツリアブ♀は巣穴の前でしばしホバリングするも中には決して入りません。
飛びながら巣口付近の丸太に産卵したように見えます。
もっと強力な望遠レンズを使いハイスピード動画を撮ることが出来ればスーパースローモーションで産卵の有無をしっかり確認できたかもしれません。
オオハキリバチ♀が巣内で作業中にもツリアブ♀が飛来しました。
3つ並んだ巣穴のうち、明らかに活動中の巣穴に興味を示しました。
オオハキリバチ♀による寄生対策としては次の2つの行動を観察しました。
- 巣内の作業を終えたオオハキリバチ♀がなかなか出巣せず再び中に引っ込んでしまいました。もしかすると外で待ち伏せるツリアブに気づいた蜂が警戒して自らの体で巣穴を塞ぎ寄生を阻止しているのだろうか。
- 外役中にツリアブにしつこく追尾されたオオハキリバチ♀は帰巣してもすぐには入巣せず、巣穴の近くでホバリングしたり時間を稼ぐような行動も見られました。寄生者に巣の位置を悟られないようにと警戒しているのかもしれません。しかしツリアブの尾行をまくのには成功していません。
いずれも有効な天敵対策にはなっていないように思います。
(オオハキリバチ別個体編へつづく)
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