2010年9月上旬
翌朝いそいそと様子を見に行くと、オオハキリバチ♀(Megachile sculpturalis)は既に働いており前日作った育房にせっせと貯食していました。
観察開始時の気温は25℃。
きな粉のような黄色い花粉を腹面のスコパにびっしり付けて帰巣すると、まず頭から巣穴に入ります。
中の様子は見えませんが、おそらく胃から花蜜を吐き戻しているのでしょう。
後退して出てくると巣口で方向転換します。
尻から穴に入り直します。
集めてきた花粉を掻き落とし、花蜜と混ぜて団子状に練っているのでしょう。
次に外出するとき、スコパはきれいになっています。
この貯食の手順は一貫して変わりません。
オオハキリバチの主な花資源植物としてクズ(葛)が知られており、これから花粉と花蜜を集めて花粉団子を作り、その表面に産卵するそうです※。
確かに蜂が飛んで行く先の斜面はクズが繁茂し花をたくさん咲かせています。
巣口でぶら下がりながらの方向転換に毎回かなり苦労しています。
何度も滑落したり尻で巣穴をなかなか探り当てられなかったり、散々失敗した挙句、横の丸太で小休止することもありました。
ベタベタした樹脂を巣材としている筈なのに、滑り止めの効果は無いのだろうか。
(つづく)
※≪参考≫ 『ハチとアリの自然史:本能の進化学』 北海道大学図書刊行会 第4章「オオハキリバチとその労働寄生蜂の生活」 p71より
≪追記≫
実際の訪花シーンは観察できませんでした。
蜂の体や巣内から花粉を採集して専門家が顕微鏡で調べればクズの花粉だと同定できるのかもしれません。
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