2010/12/26

ミカドジガバチ?の交尾




2010年6月下旬

林縁でジガバチが交尾を始めました。
クリの葉に止まって腹部を互いに絡みつかせていました。
マウントした♂は背後から♀の首筋を噛んでいるようです。
交尾器が連結すると、♀の長い腹部はS字状に湾曲しています。
高所に止まっているので葉や枝の死角になってしまい、もどかしい。
腕を精一杯伸ばし、バリアングル液晶画面を見ながら苦しい体勢で撮影を続けました。
初めは低潅木に止まって交尾を始めたのですが、接写しようと無粋に近づいたらマウントしたまま飛んで移動してしまったのです。
山地で撮ったのでヤマジガバチかなと思ったのですが、蜂屋の「ヒゲおやじの投稿掲示板」で問い合わせてみると、必ずしもそうとは言えないそうです。
ミカドジガバチかもしれないと教えて頂きました。



【追記】
北隆館『原色昆虫大図鑑III』より

ミカドジガバチ
Ammophila aemulans 
(注:近年はHoplammophila aemulansに変更?)
♀は体長26mm内外。体は黒色。腹部第1背板両側および後縁、第2腹背板、後脚腿節基部は赤色、中胸側板上に銀白色の顕著な毛斑がある。点刻は不規則で粗布し、中胸背板中央部後方には斜足する皺を、前伸腹節基部の三角状部には斜足皺を多数に有する。頭楯前縁は幅広く載断され、両側は小突起となる。腹部第2節は比較的に短大。♂では腹部第3、4両節も赤色部。顔面下半分および頭楯上には黄銀色毛を密生し、頭楯は下方に向かって三角形状に突出し、その先端は鋭く尖る。本州、九州、対馬から知られ、また朝鮮およびウッスリーにも産する。樹上の空洞などに小石や木片を運んで営巣する点が全く他のジガバチと違う。幼虫用の食物としてウスキシャチホコ、クワゴモドキシャチホコ、を狩ることが知られている。

【追記2】
岩田久二雄『自然観察者の手記(3)』を読むと、第五部に「坑掘りを忘れたミカドジガバチ」と題した章がありました。
従来の砂掘りジガバチはすべて前跗節に長い丈夫な熊手状の剛毛を備えているのだが、ミカドの前跗節では形式ばかりの剛毛しか見られない。小石運びや泥壁づくりには熊手は不必要だからである。(p39より引用)


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