2011/02/16

ヒメベッコウ卵・幼虫・蛹の観察



2008年9月下旬〜10月下旬

ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ)の一種(種名不詳)泥巣Scを発掘して貯食物を調べてみました。
全体が泥で塗り潰されていて独房の様子はよく分からなかったものの、一週間前に狩られたハエトリグモ(関連記事はこちら)や蜂の幼虫、繭を回収できました。
薄皮状の繭の中には前蛹が入っています。
獲物はマミジロハエトリEvarcha albaria)♀成体と判明。
左脇腹に産み付けられた白い卵は残念ながらその後干乾びてしまいました。
ヒメベッコウの幼虫はカビが生えてしまいました。
保湿と防カビという相反する条件を満たしつつ飼育するのは難しい。
軽く霧吹きした清潔なサランラップに包み、暗い所に放置してみます。
繭から取り出した前蛹は元気で時々動きます。
いつ本格的に蛹化するのだろう。
羽化は越冬後かな?


毒針で中枢神経を麻痺されたマミジロハエトリ♀はピンセットなどで触ると歩脚を動かします。
蜂の子が食べる大切な餌なので、死んで腐敗しないよう生かしておくというヒメベッコウsp. の知恵です。
狩られて4週間後も飲まず食わずで生きているのは驚きです。
もしかしたら孵化した幼虫がクモの体内で育っているのではないかと期待して飼育を続けます。 
獲物のクモの歩脚が無傷である点が興味深いです。
以前近くで観察したヒメベッコウsp.は狩りの直後に全ての歩脚を根元から切り落としてから巣に搬入していたので、似た外見でも習性の異なる別種のヒメベッコウなのかもしれません。

つづく→シリーズ#16

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