2011/02/15

キアシナガバチの初ワーカー羽化@巣S10




2010年7月上旬

軒下に営巣したキアシナガバチPolistes rothneyi)の定点観察記録。
矢印は羽化直前の育房


二巣並行営巣しているうちの一つ巣S10(育房数15室、繭5)で正にハチが羽化しようとしていることに気づいて接写開始。
白い繭キャップが円形に破られて頭部が覗いています
女王の手助け無しに繭キャップは自力で食い破ったようです。
触角や前脚をピクピク動かしているシーンを編集で抜粋しましたが、実際は退屈な静止状態が延々と続きます。




成虫が羽化中の育房の上段(ぶら下がっている巣なので実際は下)には既に次の幼虫が育っているのが見えます。
キアシナガバチは巣材節約のため育房を二段に使うのが特徴です。
本種の若齢幼虫はピンク色。
通り抜ける姉の体に妹が潰されないよう育房サイズもギリギリです。
産卵のタイミングも絶妙なのだろう。
隣の育房では老熟幼虫が蠕動しています。


この間ずっと、創設女王は長女の誕生に気づいていないのか、娘の羽化に立ち会うこともなく、約30cm離れた隣の巣S9に居ました。




進展がないので油断していたら、不覚にも新成虫が育房から抜け出す肝心の瞬間を撮り損ねてしまいました。
どうやらこちらを警戒していた節があります。
この日は三脚を用意していなかったので無理な体勢のまま手持ちカメラで接写を続ける他ありませんでした。
それでもアシナガバチの羽化を目にするのは初めてだったので、とても嬉しい収穫でした。


このハチは長女で初ワーカーとなります(W1)。
サテライト巣(創設女王にとって保険のため建てた別荘)だと思っていた小振りの巣S10の方から先に成虫が羽化してきたので少し意外でした。
※ 隣の巣S9は育房数49室、繭4。創設女王はこの4日間S9の増築に専念しているようでした(+10室)。 

羽化したばかりのワーカーW1は巣上でしばらく身繕いしていました。
次に育房を点検して回り、妹分の幼虫から口移しで栄養交換を受けていました(初めての食餌)。


(続編の記事はこちら→W1の個体標識

【追記】

初ワーカーの接写映像を改めて見直すと、前伸腹節の黄紋が無くて、セグロアシナガバチっぽく見えます。まさか…?


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