2023/11/08

捕食されたクロツグミ♂?の羽毛が散乱するスギ林【野鳥のフィールドサイン】

 

2023年4月上旬・午後15:55頃・晴れ 

平地のスギ林を探索していたら、1箇所に鳥の羽毛が大量に散乱していました。 
狩りに成功した猛禽が獲物の羽毛を毟り取った跡だと思われます。 
辺りに血痕や鳥の死骸(肉や骨)は見当たりませんでした。 
捕食者は、テンやキツネなど肉食獣の可能性もありますかね? (※追記3参照)

近くのスギの根本が白い鳥の糞で汚れていました。 
スギ樹上に塒(ねぐら)入りした鳥が襲われて餌食になったのか、それとも羽根を毟る作業中に猛禽が脱糞したのかな? 

さて、捕食された鳥の種類は何でしょうか? 
白くてフワフワした短い保温用の羽毛と、黒くて長い飛翔用の羽毛が混じっています。 
他に色の付いた羽根は無く、地味な色合いの鳥のようです。
カラスの羽根は真っ黒でもっと長いはずなので、除外しました。 
留鳥のドバトやムクドリにしては生息環境がおかしいです。(スギ林に居るのは変) 
しかし、捕食者が近くの農地などで狩った獲物をここまで運んできてから羽毛を毟った、という可能性もあり得ます。 
鳥の専門家は採取した羽毛を詳細に調べて種類を同定できるそうです。 
今回、私はそこまでしていません。 
DNAバーコーディングの外注キットが安価に普及すれば、羽毛や糞の試料から素人でも同定できるようになるはずです。


犠牲者の黒い鳥が不明で長らくミステリーだったのですが、この森には夏鳥のクロツグミ♀♂(Turdus cardis)が生息していることが後に判明しました。 (映像公開予定)



繁殖のために早くも渡来したクロツグミ♂が捕食者に狩られてしまったのではないか、と推理しています。 
山形県でクロツグミが見られるのは4月下旬ぐらいからとされているので(参考:『やまがた野鳥図鑑』)、例年よりもかなり早い渡来になってしまいます。(温暖化の影響?)

羽根を毟られた時期が私には判断できません。
もしも冬の積雪期に狩りが行なわれたのだとすると、被害者クロツグミ♂説はご破算になります。
もしかして留鳥のヒヨドリですかね?(ヒヨドリの羽根はもっと茶色の気がします)

その後も定点観察に通うと、スギ林床に残る大量の羽毛が少しずつ減っていき、最後には全て無くなりました。 
屍肉食性の昆虫が集まるかと期待したものの、古い羽根を食べる昆虫は全く見ていません。 (※追記参照)
春から初夏にかけて野鳥の繁殖期(造巣期)ですから、産座に敷くための巣材として鳥が持ち去ったのでしょう。 
鳥が巣材集めに通う様子を無人センサーカメラで撮影したかったのですが、今後の課題です。 
限られた台数でやりくりしているので、今回は泣く泣く諦めました。 

関連記事(2、5、15年前の撮影)▶ 



※ いつもの私の悪い癖で、カメラを忙しなく振り回しながら撮影してしまい、酔いそうな動画になってしまいました。 
現場の状況を映像で記録するときは、もっとゆっくりゆっくりカメラを動かさないといけません。 
苦肉の策として、1/2倍速のスローモーションに加工してお届けします。 
落葉落枝を踏みしめる音声が間延びしているのはそのためです。


【追記】
中村圭一『たくましくて美しい 糞虫図鑑』という本を読んで知ったのですが、コブスジコガネの仲間は糞虫の仲間なのに獣糞を食べず、動物や鳥の古い死骸やペリットを食べるのだそうです。
鳥の羽を与えて飼育することが可能だとか。
私は未だ出会ったことがありません。


【追記2】
捕食者の猛禽はタカ類を想定していたのですが、フクロウ(Strix uralensis)の可能性も出て来ました。
2024年3月上旬に少し離れたスギ林内で昼間からフクロウの鳴き声を聞きました。


【追記3】
猛禽類が獲物を捕獲した後、むしった羽根が散乱したような場所が見つかることもあります。(中略)哺乳類による捕食跡もよく似ているので、どちらか判断に困ることもありますが、そんなときは羽根の根元、羽軸の基部が残っているかどうか、ビークマーク(クチバシによる捕食跡)と呼ばれる跡がないか、骨まで残っていればかみ砕かれていないかなどに注意して見てみましょう。
(大型の猛禽類は)羽軸を折ってむしり取るような羽根の抜き方はしません。


【追記4】 

小宮輝之(監修)『鳥の落としもの&足あと図鑑』によると、

(肉食性の:しぐま註)ほ乳類のむしった羽軸はかみちぎられるため短く、猛きん類はくちばしで引き抜いてむしるため、根元まで残っているのです。(p126より引用)

2023/11/07

立ち去るホンドギツネの後ろ姿を巣口からこっそり見送るニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2023年4月中旬・午後17:34・日没時刻は午後18:22。 

夕方の黄昏時にホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)がまたアナグマの営巣地(セット)にやって来ました。 
巣穴近くの地面にキツネが座り込み、右後脚で痒い脇腹を掻いています。 
立ち上がったキツネは、奥の二次林に向かいました。 

キツネが立ち去るまさにそのとき、ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が手前の巣穴Rからそっと顔を出しました。 
巣穴Rから出て振り返り、セットから立ち去るキツネの後ろ姿をこっそり見送りました。 
このとき警戒声などは発しませんでしたし、追いかけてキツネを追い払うこともしませんでした。 

もしキツネとアナグマがニアミスしていたら、大喧嘩になったはずです。 
キツネは巣内にいる赤ちゃんアナグマを隙あらば捕食しようと狙っていますし、アナグマ♀は我が子を必死に守ろうとするはずです。 

危険な訪問者が来ていたことをアナグマ♀は気づいていたというよりも、たまたま外出のタイミングと一致しただけではないかと私は思います。 
前の記事に書いたように、この時期キツネがストーカーのようにしつこくアナグマの巣穴に通っても、主のアナグマ♀はたいてい無反応で、巣口に顔を出したのはこのとき一度限りでした。 
おそらくアナグマの居住地はトンネルの奥深くにあり、外の気配に対して意外と鈍感なのかもしれません。 
アナグマは籠城戦術によほど自信があるのでしょうか。
仮に天敵が巣穴に侵入しても、緊急脱出用の別の出口を予め用意してあるはずです。 

ちなみに、私がトレイルカメラの電池を交換するためにときどき現場入りしたときも、アナグマが巣穴からこっそり顔を出したのは1回しか見たことがありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。





送電塔天辺の巣で孵化したハシブトガラスの雛を抱いて暖める親鳥♀と給餌する♂(野鳥)

 



2023年4月中旬・午後13:00頃・晴れ 

送電塔#KN7の天辺にある巣に座り込んで抱卵しているハシブトガラス♀(Corvus macrorhynchos)を撮影していると、下から♂が飛び上がってきて帰巣し、小さな雛たちに給餌しました。 
雛鳥は孵化したばかりのようで、未だ黒い羽毛が生え揃っておらず、裸で赤っぽく見えます。 
ということは、在巣の親鳥♀は抱卵ではなく抱雛していたことになります。 
雛が餌乞いする鳴き声は風切り音で全く聞き取れませんでした。 

少し横にどいていた親鳥♀にもパートナーの♂は口移しで給餌したようです。(愛情表現のキス?) 
雛が孵化しても羽毛が生え揃うまでは、自分で体温調節ができません。 
しばらくの期間は親鳥♀がつきっきりで雛を温めてやらないといけないため、ほとんど外出できません。 
したがって、♂は空腹のパートナー♀にも餌を運んでやる必要があるのです。 

給餌を済ませた♂は巣から左上に飛び上がり、鉄塔から左に伸びる高圧線に止まり直しました。 
営巣地の周囲をしばらく見渡してから、次の餌を採ってくるために高圧線から飛び去りました。 
強い横風に煽られながらも、左手前に飛んで行きます。 

今回、雛の排糞行動は見られませんでした。 
雛が小さいこの時期は、食後の雛が排泄した糞を親鳥がその場で食べてしまうのかもしれません。 

送電塔に少し近づいてから、続きを撮ります。 
鉄塔の中段に設置された巣箱は未使用のままで空っぽでした。 
カラスに営巣して欲しいのであれば、巣箱に予め小枝を数本入れておくのはどうでしょう?(提案)
同じ送電塔で上下2箇所に異なるカラスの♀♂番(つがい)が営巣したら面白いのですが、縄張り意識が強いカラスはそれを許しません。 
同じ♀♂ペアがリスクヘッジのため同時に二巣並行することもないようです。

日当たり良好の巣内で抱雛を続ける♀にズームインすると、頻りに瞬きしています。 
目を白黒させているように見えるのは、白い瞬膜を閉じるからです。 


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