2026/01/25

刈田で落ち穂を拾い食いするキジバトのペア(野鳥)

 

2024年9月下旬・午後15:05頃・晴れ 

秋に稲刈りしたばかりの田んぼ(刈田)で、♀♂ペアと思われる2羽のキジバトStreptopelia orientalis)が一緒に採食していました。 
付かず離れず歩き回りながら、あちこち啄んでいます。 
刈株から早くも青々としたひこばえ(再生葉)が伸びていました。 
私が横の農道を歩いて近づくと、飛んで逃げました。(映像は割愛)


関連記事(5年前の撮影)▶ 刈田で落穂拾いするキジバトのペア(野鳥) 


【考察】
奥に見える田んぼの区画はまだ稲刈り前で、黄金色の稲穂が実っています。 
おそらくヒトの食用ではなく、ウシの飼料として栽培されたイネらしく、草丈が高い品種でした。 
稲刈り前の田んぼでキジバトが採食するシーンを私はまだ見たことがなく、不思議でなりません。 
稲穂に隠れた保護色のキジバトを私が見つけることができないだけか、それともキジバトはスズメと違って開けた空間でないと安心して採食できないのかもしれません。


イネを収穫する機械(稲刈り機、コンバイン)の改良が進むとますます大型になり、そして無駄なく刈り取るようになります。
また、栽培されるイネは実が熟しても零れ落ちないように品種改良されています。
稲作の経済性を追求した結果、刈田全体で落ち穂の量が減り、養える野鳥の数が少なくなる一方です。
実入りの悪い稲穂を自動的に選別して刈り残す(あるいは刈った後でその場に捨てる)ようなコンバインが開発されたら、野鳥は喜ぶはずですが、メーカーに何かインセンティブを与えないと難しいですね。
もしかして、(私が知らないだけで)既にそうなっているのかな?

この問題についてGemini AIと問答を繰り返し、レポートにまとめてもらいました。

現代の稲作における「機械化・効率化」と「野鳥の生存環境」の相関関係について、これまでの対話の内容を整理したレポートを作成しました。


報告書:稲作の技術革新と野鳥の生存環境における相関

〜効率の追求がもたらした生態系への影響と課題〜

1. 収穫技術の進化と「落ち穂」の減少

現代の稲刈り機(コンバイン)は、農家の所得向上と作業効率化を目的に、極限まで「収穫ロス」を減らす方向で進化してきました。

  • 選別技術の高度化: 最新のコンバインは、センサーと風力制御により、良質な籾(もみ)と未熟な籾(クズ米・シイナ)を瞬時に選別します。かつては精度不足ゆえに田んぼへ「こぼれていた」食べられる米も、現在はその多くが機体内に回収されています。

  • 脱粒性の改良: 栽培されるイネ自体も、収穫前に実が落ちにくいよう品種改良が進んでおり、自然な「落ち穂」の発生そのものが抑制されています。

  • 藁(わら)処理の変化: 収穫と同時に藁を細断する機能が普及したことで、わずかに残った籾も細かな藁の下に埋もれ、野鳥が餌として発見することが困難な状況が生まれています。

2. 経済合理性と品質管理の影響

農家が「一粒残らず回収する」背景には、単なる収穫量の確保だけでなく、現代の流通・加工技術の変化が大きく関わっています。

  • 「クズ米」の市場価値: かつては廃棄の対象だった未熟米や割れ米も、現在は米粉、飼料、加工食品(菓子や酒類)、さらにはバイオプラスチックの原料として流通しています。この経済的なインセンティブが、徹底した回収を後押ししています。

  • 高度な事後選別: 収穫後に「色彩選別機」で精密に品質を分けることが可能になったため、農家は現場で選別して捨てるよりも、「一旦すべて回収して後で分ける」方が、品質管理と収益の両面で合理的であるという判断に至っています。

3. 野鳥保護活動と農業管理のジレンマ

冬越しのために飛来するハクチョウなどの野鳥に対し、保護団体が行う「給餌」は、人道的な支援である一方で、農業現場の「衛生管理」との間でいくつかの矛盾を抱えています。

  • 品種の純度管理(野良生え): 給餌された米の中に異なる品種が混じっていた場合、翌春にそれが芽吹くことで、その田んぼで栽培するブランド米の純度を損なうリスクがあります。

  • 防疫上の課題: 特定の場所に鳥を集める大規模な給餌は、鳥インフルエンザなどの感染症リスクを高める懸念があり、家畜伝染病予防の観点から行政による制限も増えています。

  • 共生の模索: 一方で、野鳥に落ち穂や雑草の種、害虫を食べてもらい、その糞を肥料とする「冬みず田んぼ」のような試みもあり、農業管理と保護を両立させる新しい形も模索されています。

4. まとめ

農業技術の進歩は、食料供給の安定と農家の経営基盤を支える大きな成果を上げました。しかし、その「徹底した無駄の排除」は、副次的効果として野鳥たちの伝統的な採餌環境を縮小させています。

この状況は、誰か特定の主体が意図した結果ではなく、「もったいない」という資源の有効活用と、「より高品質なものを効率的に」という経済的要請が組み合わさった結果、生じているものです。技術がさらに進む中で、野生動物との接点をどのように設計し直すかが、これからの持続可能な農業における静かな課題となっています。


このまとめを作成する中で、改めて「人間の善意や努力(ロスをなくすこと)」が、別の場所(生態系)では予期せぬ摩擦を生んでいるという構造が浮き彫りになりました。


特に「クズ米も売れる」「米農家が野良生えを嫌う理由」の二点が 私にとって新しい学びになりました。

来年のための「衛生管理」: 田んぼに籾(種)が残っていると、翌年、植えた覚えのない場所から勝手に芽が出て(野良生え)、品種の純度が落ちたり病害虫の温床になったりします。そのため、**「できるだけ一粒残らず持ち帰りたい」**というのが管理上の理想です。


農家が最も嫌うのは、翌春に**「植えた覚えのない米(異品種)」**が勝手に芽を出すことです。


品種の汚染: 給餌活動で撒かれる米(クズ米など)が、その田んぼで栽培している品種と違う場合、翌年混ざって芽吹いてしまいます。これが混ざると、収穫した米の検査等級が下がり、最悪の場合は「品種名」を名乗れなくなります。


給餌団体の配慮: 意識の高い保護団体や地域では、**「その地域で獲れた同じ品種のクズ米」**を餌に使うことで、異品種混入のリスクを最小限に抑えようとしています。しかし、外部から持ち込まれた米を使う場合は、確実な矛盾が生じます。

 

2026/01/24

ヒマワリ種子を入れた給餌箱に警戒して迂回するニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年10月下旬・午前8:40頃 

里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
ミズナラの幹にプラスチックの給餌箱をぶら下げ、中にはヒマワリ(向日葵)の種子を詰めました。 
これはカモシカ用の餌ではなく、足繁く通ってくるニホンリスの貯食行動が観察できないかと期待して給餌したのです。 

明るい朝に左手前から登場したカモシカが、給餌箱に気づいて匂いを嗅いでいました。 
しかし、すぐに回れ左して、左手前に立ち去ってしまいました。 
今回は林床に残っている溜め糞の匂いを嗅いでチェックすることもなく、自ら排便することもありませんでした。 
不審な匂いのする給餌箱の存在に警戒したようです。 
慣れてくれたら、給餌箱に顔を擦りつけて眼下腺マーキングするかな? 


【考察】
今思えば、トレイルカメラで長期監視しているカモシカの溜め糞場sr2で、色々なテーマを狙い過ぎました。 
岩塩もリス用の給餌箱も、それぞれ別の地点に設置すべきでしたね。 
運用できるトレイルカメラの数に限りがあるので、ついついあれもこれもと欲張ってしまいました。 
カモシカにとってみれば、神聖な共同トイレに次々と見慣れないものが勝手に置かれて落ち着かなくなったようで、やがて足が遠のいてしまいました(ここに通わなくなった)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

タイアザミ(トネアザミ)の花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2024年10月上旬・午後14:25頃・くもり 

山麓の道端に咲いたトネアザミ(別名タイアザミ)トラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。 
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠に白い花粉団子を満載しています。 
この頭花は雄しべの花粉が豊富なようで、蜂はなかなか飛び立ってくれません。 
次の花に移動するまで見届けたかったのですが、たまたま近くを遊動していた野生ニホンザルの群れに気を取られてしまい、撮影を早々に打ち切りました。 (映像公開予定)

実は、同じトネアザミの群落で、ヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)という昼行性の蛾が吸蜜ホバリングしているのをトラマルハナバチよりも先に見つけたのですが、残念ながら動画に撮り損ねてしまいました。


今回の植物名について。 
オヤマボクチ?…にしては葉の棘が痛そうで変だな?と思ったぐらいアザミ類に疎い私は、この植物の名前が分かりませんでした。 

関連記事(12年前の撮影)▶ オヤマボクチの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀ 

撮影日や現場周辺の情報を教えつつGoogleレンズで画像認識してもらうと、トネアザミ(別名タイアザミ)だろうと教えてもらいました。 
ナンブアザミの変種なのだそうです。 
タイアザミのタイとは大薊の大らしい。(それならダイアザミと呼ぶべきだろ!と突っ込みたくなります)

いつもなら、気になるアザミがあったら総苞片に粘り気があるかどうか、葉の棘が痛いかどうか、必ず触れてみるようにしています。 
しかし今回は猿のせいで、じっくり調べるのを忘れました。 
「アザミは沼」と言われるほど、一度ハマると奥が深い世界なのだとか。 
山渓ハンディ図鑑のシリーズで、『日本のアザミ』というマニアックな植物図鑑を出してくれないかしらん? 
以前、私のフィールドでは結構普通に生えているのに一般的な植物図鑑に載ってない変なアザミを見つけました。
その名前を調べるのにとても苦労した挙句、山形県特産のマミガサキアザミと判明したことがあります。

2026/01/23

秋の営巣地に相次いで訪れスクワットマーキングする2頭のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月下旬・午後19:20頃・気温14℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を自動センサーカメラで見張っていると、ある晩久しぶりにアナグマが登場しました。 
巣穴Lから外に出てきた直後のようにも見えますが、手前から歩いてきたのかもしれません。 
そのまま獣道を右へ立ち去りました。 

すぐ後に左から後続個体がやって来ました。
しっかり個体識別ができていませんが、この短時間(40秒間)で同一個体がぐるっとひと回りして戻ってきた可能性は低いと思います。
巣口Lの横の地面に尻を擦りつけてスクワットマーキングしたようです(@0:55〜)。 
後続個体も獣道を右へ向かいました。 
先行個体とはどういう関係なのか、気になります。 


つづく→

クリの樹上で枝を折り堅果を食べていたツキノワグマが慌てて逃げるまで

 

2025年10月上旬・午後12:40頃・晴れ 

里山の舗装された峠道を私が静かに歩いていると、前方の路上にクリの落果やイガが大量に散乱しています。 
立ち止まって見上げると、山側の雑木林にそびえ立つクリ(栗)高木の樹冠がガサガサと不自然に揺れています。 
隣の木々が揺れていないことから、無風であることが分かります。
何者かが栗の木に登って、枝を激しく揺すっているのです。 
ポキッ、バキバキと枝が折れる音♪が聞こえます。 
姿は見えませんが、ツキノワグマUrsus thibetanus)が食事中だと状況をすぐに悟りました。 
腰に携帯している熊よけスプレーを静かに取り出し、安全装置を外していつでも噴射できるように引き金に指を掛けながら、撮影を続けます。 

クリの木の手前はミズナラですが、枝にどんぐり(堅果)が全く実ってないということは、報道されている通りミズナラが凶作の年なのでしょう。 

クマが揺すった枝から大量のクリの実やイガ(棘のある総苞)が真下の路上にボトボトと降ってきます。 
直撃したら痛そうです。 
せっかくクリの木に登っても、堅果がほとんど落ちてしまうとしたら、なんとも無駄の多い採食法ですね。 
むしろ樹上で枝を激しく揺すってクリの実(堅果)を意図的に落としまくり、木から降りてきたクマが、路上に散乱した落果を後でまとめて食べるつもりなのでしょうか? 

なんとかクマの食事シーンを撮りたくて、路上の私が恐る恐る近づいたら、ようやく真っ黒なクマの姿を樹上に認めました。 
しかし警戒心の強いクマに気づかれてしまい、食餌を中断してこっそり木を下りているところでした。 
頭を上に向けたまま、スルスルとクリの幹を下りています。 
小枝がパキパキと折れる音がします。 
地上(林床)に降りたクマは、山の斜面を登って奥へと向かいました。 
雑木林の枝葉が鬱蒼と生い茂っていて、クマの姿を見失ってしまいました。 

クマが法面を駆け下りて私に襲いかかってくるようなことはありませんでした。 
もしも直後に私が路上のクリ落果をしめしめとばかりに拾い集め、その姿をクマが見ていたら、怒って攻撃した可能性がありそうです。 
山菜採りのヒトがクマに襲われるのと同じ理由です。(餌場からライバルを排除) 
「ドローンがあれば、逃げるクマを上空から追跡・監視できたかなー」と私は夢想しながら、静かに(ウキウキして)その場を離れました。 

ツキノワグマが栗の木から慌てて降りる様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:09〜) 
胸に白い三日月紋がちらっと見えました。 


※ 樹上でクマの立てる物音やクリが降り注ぐ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
ツキノワグマが樹上で採食するシーンを初めて垣間見れて興奮しました。 
冷静に撮影して無事に生還できたのはよかったのですが、どうしても欲が出てきます。 
我慢してその場から一歩も動かずに動画を撮り続けるべきだったのかもしれません。 
プロの動物カメラマンなら、クマに気づかれないようにその場から離れてから遠回りして、谷を挟んで反対側の山に登り直して望遠レンズで狙ったりするそうです。
しかし今回の現場の地形ではその作戦も無理でした。

クマは樹上で食餌をしながら次々に折った枝を尻の下に敷きつめ、熊棚(クマ棚)を作るのだそうです。 
その様子を撮影したかったのですが、今回は無理でした。 
クリの実を守る棘だらけのイガをクマがどうやって取り外すのか、手や口に棘が刺さっても平気なのか、実際に観察してみたいものです。 
神経質(臆病)なクマは、ヒトを見ると凶暴に襲ってくるどころか、すぐに逃げてしまいます。 
クマが次に食べに来るクリの木やドングリの木を予想できればトレイルカメラを設置して待つのですが、それも難しそうです(運任せ?)。 


2025年はツキノワグマが大量出没して不幸な人身事故も増え、大騒動になりました。 
2025年の世相を代表する漢字が「熊」になったと年末に発表されたぐらいです。
私のフィールドでもクマの個体数が増えているのか、痕跡(フィールドサイン)をあちこちで見かけるだけでなく、トレイルカメラにもクマの姿がちょくちょく写りました。 
最近も山中でクマの母子とニアミスし、貴重な撮影機会を得ました。 


山にクマの餌がなくなったことが大量出没の原因です。
深刻なクマ問題を憂えた心優しい動物好きの人の中には「山にドングリの木をもっと植えるべきだ」と提案する方がいらっしゃいます。 
しかし(クリ以外の)ブナ科植物にはドングリ(堅果)の極端な豊凶を山全体で周期的に繰り返す性質がありますから、ドングリの木をいくら植樹しても、凶作の年に飢えたクマが里に降りて来るのは変わらないでしょう。 
それよりむしろ、樹種の多様性を増やし、具体的にはもっとクリを山に植樹する方が、クマにとっては餌が安定供給されて嬉しいはずです。 
そうなると今度は、里山の環境収容力いっぱいまでクマの個体数が増えてしまいます。 
縄張り争いで負けた個体が里に降りてきて、ヒトとのニアミスが増えるでしょう。 
生態学を学べば学ぶほど(理屈は分かっても)、それを応用してクマ問題を解決するのは難しいなー、と痛感します。 
それでも絶望しないで野生ツキノワグマの研究を地道に続け、科学と技術でヒトとの共存を模索するしかありません。 


 

 ↑【おまけの動画】 
【解明】クマの話は、日本の構造問題だった(小池伸介/ツキノワグマ/ヒグマ/出没/捕獲/駆除) by NewsPicks /ニューズピックス 


野生のクマを専門に研究している小池伸介先生の落ち着いた解説がすばらしいです。 
著作に書いてあることと同じですが、クマにはクマの事情があり、ドングリにはドングリの思惑があるのです。


この件について、Perplexity AIに相談相手になってもらいました。

クリ(Castanea crenata、日本グリ)の実も年によって多少の豊凶変動はありますが、ドングリやブナの実(堅果)に比べると、隔年結果(かくねんけっか)などを含めても豊凶の変動幅は小さく、比較的安定して毎年収穫が期待できます。[pref.fukushima.lg]​

クリの豊凶年変動

  • クリは、コナラやミズナラなど一部のドングリに比べて、年による不作・豊作の幅が小さく、毎年安定して実がなりやすい性質があります。[pref.gunma]​

  • 豊凶調査結果によると、調査木に占める「ほぼ安定して結実する」区分1の比率が、クリでは85%と非常に高いです。これは並作や安定した実りが続く傾向を示します。[pref.gunma]​

隔年結果・例外的現象

  • 一方で、クリにも「隔年結果」と呼ばれる現象があり、特に豊作だった翌年は結実が減る傾向も見られます。[farm-navi]​

  • これは果樹全般にみられる生理的現象ですが、クリの場合極端な不作年はまれで、適度な管理(剪定や間引き)で安定した収穫が得られるとされています。[shop.takii.co]​

比較:ブナ・ドングリとの違い

  • ブナの場合、5~8年に一度の「成り年(マスティング:masting)」で大豊作年が広域的に訪れ、その間は凶作が続く大きな年変動があります。[enyatotto]​

  • ミズナラやコナラなどのドングリも同様に数年置きに豊作と不作の差が大きく、一部では同調的な周期的現象がみられます。[pref.fukushima.lg]​

  • クリやコナラは、こうした大きな周期変動よりも安定して実がなる傾向が強いと評価されています。[pref.fukushima.lg]​

 

クリの実に豊凶変動が少ないのは、必ずしも長年の品種改良だけによるものではなく、野生のクリでも比較的年ごとの実りの変動が小さい傾向があります。実際、野生クリの実は小さく、栽培種とは異なるものの、野生のクリでも豊凶変動はあまり大きくないとされていますクリは、ドングリなどに比べ年次変動が少ないという報告があります。[pref.fukushima.lg]​

一方で、栽培クリは江戸時代以降の品種改良や選抜によって実の大きさや収量が向上しています。縄文時代からクリの栽培が行われていた痕跡もあり、遺跡からは野生より大粒の実が出土する例もあり、これが栽培や保護の歴史を示します。現代のクリ品種は、自生する野生クリから選抜されたものや中国産との交雑種が含まれており、クリタマバチという害虫被害を受けて品種更新も進んでいます。[jstage.jst.go]​

したがって、豊凶変動の小ささに関しては、野生状態でも比較的安定した結実傾向があり、品種改良は実の大きさや品質向上のために大きく寄与していますが、豊凶変動そのものの安定化とは区別して考えるべきです。[m-sugi]​


ツキノワグマは秋に主にブナやミズナラなどのドングリ類の堅果を食べますが、それらが不作の年にはクリの実を好んで食べることが知られています。クリはデンプン質が多く消化されやすいため、ツキノワグマにとって重要な冬眠前のエネルギー源の一つとなっていますクリは秋の主要な餌資源の一つとして、ドングリやブナが不作の年の代替食として機能しているのです。[islandbearproject]​

そのため、山にクリの木を多く植樹することは、ドングリやブナが不作の年でもツキノワグマの食料資源を補完し、人里への出没リスクを減らす潜在的な効果が期待できます。ただし、クリの実の収量や豊凶も年によって多少変動するため、単一樹種だけでは安定供給が難しいことや、クリの木による生態系全体への影響も考慮が必要です。[eco-museum]​

さらに、ツキノワグマは雑食性であり、季節ごとに様々な植物や昆虫、時には死肉を食べるため、多様な食物資源がある環境の方が人里への接近も減る可能性が高いです。クリの植樹はあくまで総合的なエサ資源対策の一つとして有効と考えられますが、単独での解決策とは言い切れません。[tsukuba-sci]​

まとめると、クリの植樹はツキノワグマの秋の食料基盤を強化し、人里への出没減少に寄与する可能性があるが、他の樹種との組み合わせや生態系全体のバランスも考慮しつつ、総合的に対応することが望ましいです.[pref.fukushima.lg]


【アフィリエイト】 

2026/01/22

トチノキの種子を入れた餌箱を警戒して近寄らないニホンリス【トレイルカメラ】

 

2024年10月下旬・午前10:50頃 

里山で倒木の端に給餌箱をくくりつけ、中にトチノキの種子を一杯に入れてみました。 
リスが栃の実を持ち去って貯食する行動が自動センサーカメラで撮れるでしょうか?

すると期待通り、ニホンリスSciurus lis)が現れました。 
画面右下隅の林床で立ち止まっています。 
この地点でリスは初見です。 
しかし、リスは倒木の下をくぐって奥へ走り去ってしまいました。 
給餌箱が見えているはずなのに、警戒しているのでしょうか? 
実はすぐ近くにオニグルミの古い大木がそびえ立ち、いかにもリスが暮らしていそうな場所を選んで木の実を給餌したのです。 
場所を変えたり餌を変えたり色々と試行錯誤しても、今のところリスへの給餌実験は失敗続きです。 


つづく→

ハナトラノオの花で吸蜜ホバリングするヒメクロホウジャク(蛾)

 

2024年10月中旬・午後13:10頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたハナトラノオ(別名カクトラノオ)の群落でヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)が忙しなく訪花していました。 
猛烈な勢いで休みなく羽ばたき続けるので、まず1/2倍速のスローモーションをお見せしてから等倍速の映像でリプレイ(@0:30〜)。 
停飛しながら細長い口吻を花筒の開口部に器用に差し込んで花蜜を吸って回ります。 

ハイスピード動画や同定用のストロボ写真も撮りたかったのですけど、私がカメラのモードを切り替える間もなくヒメクロホウジャクはどこかに飛び去ってしまいました。 
うーん、残念。

この花壇では前年にホトトギスの花が大群落で咲き乱れていました。
今年も期待して来てみたら、ホトトギスの群落はかなり縮小していました。



【考察】
ホウジャク類は薄暮性が多い印象だったのですが、この個体は明るい真っ昼間なのに、活動していました。 
ヒメクロホウジャクは薄暮性ではなく昼行性なのかな? 

2026/01/21

雨夜に湿地を横切りトレイルカメラに興味を示すニホンカモシカの幼獣【暗視映像】

 


2024年10月下旬・午後20:55頃・気温14℃ 

山中の湿地帯にある水溜りSを自動センサーカメラで見張っていると、小雨の降る晩にニホンカモシカCapricornis crispus)の幼獣が対岸に来ていました。 
辺りにはホオノキの大きな落ち葉が散乱しています。 
干上がりかけた水溜りSの泥濘を横切って此岸へ来ました。 
足が泥だらけになったら冷たいはずですが、角がまだ生えていないカモシカ幼獣は気にしません。 

ホオノキ幹の匂いを嗅いでから、監視カメラに興味を示しました。 
カメラの近くでしばらく匂いを嗅いでいたようですが、何かに驚いたのか(この匂いはヒトだ!と気づいたのか)、方向転換して対岸へ一目散に走り去りました。 
今回も母親♀は同伴しておらず、子別れが進行しているようです。


※ トレイルカメラで録画すると、いつも音声にザザザザ…という定間隔の内部ノイズが混入します。 
今回は試しに、音声編集アプリaudacityを使ってノイズを除去してみました。


つづく→

カモシカの溜め糞場でスギの樹皮をつついて虫を探すトラツグミ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年10月下旬・午前7:10頃・日の出時刻は午前5:54 

里山の混交林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っていると、朝から地味な迷彩模様の鳥が写っていました。 
林床を動き始めるまで、静止状態では全く気づけません。
トラツグミZoothera aurea)は留鳥なのに、この地点では初見です。 

トラツグミは林床を奥に少し歩くと、スギの根本で剥がれかけた樹皮の隙間を嘴でついばみました。 
何か白い幼虫のような物を咥えると奥の細い横枝(落枝?)に移動しました。 
1.5倍に拡大しても、獲物かどうかはっきりしません。 
捕食するまで見届けられませんでした。 
白っぽい樹皮を剥ぎ取っただけかもしれません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
ミズナラの幹にはヒマワリの種子を入れた給餌箱を吊り下げてあるのに、トラツグミは近寄りませんでした。 
気づいていないだけなのか、警戒しているのかな?
トラツグミの食性からして、種子にはあまり興味がないのかもしれません。 
Perplexity AIに聞いてみましょう。
Q: 森に給餌場を設置して、例えばヒマワリなどの種子を給餌しても、トラツグミは食べに来ないと予想されるか?

A: トラツグミはヒマワリなどの種子給餌にはほとんど反応しないと予想され、来ても種子そのものを積極的には食べない可能性が高い。[][]

トラツグミの採食スタイル

  • トラツグミは落ち葉の積もった林床でミミズ・昆虫を探す「地上採食型」で、地中・落ち葉内の動物質が主なターゲット。[]

  • 給餌台に来るツグミ類でも、ヒマワリの種より地面に落ちた餌や虫をついばむ様子が報告されており、台上の種子を器用に割って食べるタイプとは行動が異なる。[]

ヒマワリ種子との相性

  • ヒマワリの種は、一般にヤマガラ・シジュウカラ・カケスなど「穀粒・堅い種子を嘴で割るのが得意な種」がよく利用し、いわゆるソフトビル(soft bill:柔らかい餌主体)の鳥は利用しにくい餌とされる。[][]

  • トラツグミは動物質・果実主体の雑食で、ヒマワリ種子を好む種として挙げられることはなく、ヒマワリ中心の給餌場を設置しても、カラ類やカケス・リスなどが主役になり、トラツグミが種子を割って食べる場面は期待しにくい。[][]

森でトラツグミを引き寄せるなら

  • トラツグミを「給餌」で狙うなら、種子よりもリンゴなどの果実片やミミズ・昆虫類に近い高タンパク餌(ミールワーム等)を地面に直接置く方が行動特性には合致すると考えられる。[][]

  • とはいえ、トラツグミは人為的な給餌よりも自然な林床環境に依存する傾向が強いため、観察目的なら落ち葉層や湿った場所を保全しつつ、周辺に一般的なバードフィーダーを併設して「他種の動きにつられて姿を見せる」程度を期待するのが現実的と思われる。[][]



つづく→?

2026/01/20

ホンドタヌキがアナグマの巣穴を覗き込んだ直後に中から続々と脱出するカマドウマ幼虫の群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月下旬・午前4:55頃・気温9℃・日の出時刻は午前5:59 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に設置した自動撮影カメラに野生動物が写ったのは1週間ぶりです。 
雨が降る未明に単独のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。
アナグマの巣口Lの匂いを嗅いだだけで、中には侵入せずにあっさり帰りました。 

タヌキが立ち去った直後から、巣口Lから無数の虫が外に続々と脱出してきました。 
おそらく中に潜んでいた穴居性のマダラカマドウマDiestrammena japanica)の幼虫と思われます。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ ニホンアナグマの巣穴に潜むカマドウマの群れを直接撮影してみる【暗視映像】 


カマドウマは夜行性のはずですが、雨が降る日は自発的に外出することはないのでしょう。 
しかし外からの振動を危険と感じて、雨天でも脱出行動しました。 

一方タヌキは雨夜の暗闇で虫の存在に気づいておらず、獲物として捕食しませんでした。 

1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し映像でリプレイ。(@0:20〜) カマドウマの脱出行動は、早送りにしないと分かりにくいのです。 


余談ですが、画面の右端手前でぶらぶら揺れているのは、クモの粘球(またはクモの本体?)でしょう。 
トレイルカメラの照射する赤外線を至近距離から反射して、眩しく光っています。 


つづく→

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