2026/03/31

カキノキ巨木の下の雪原を夜にうろつくホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年1月中旬 

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
郊外でスギ防風林に囲まれた畑の端に聳え立つカキノキの巨木を自動センサーカメラで見張っています。 
落葉した枝には熟果がたわわに実っています。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 
まずは雪国の厳冬期の気象状況を映像でお伝えします。 


シーン1:1/7・午後12:33・くもり(@0:03〜) 

シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
晩に監視カメラが起動したときには、雪が激しく降っていました。

シーン3:1/10・午前4:20・降雪(@0:10〜) 
翌日の未明には激しい吹雪になっていました。 

シーン4:1/10・午前9:22・くもり(@0:21〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、動物の歩いた足跡は残っていません。 
雪面があちこち窪んでいるのは、樹上から落雪したせいです。 
カキノキの横枝もしっかり冠雪していました。 
強風が一晩中吹き荒れた後でも、カキノキ樹上には熟果がまだ少し残っています。 
落果は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 

シーン5:1/10・午後14:10・くもり(@0:25〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣の冠雪したスギ樹上からどんどん落雪します。 

シーン6:1/10・午後17:18・降雪(@0:31〜)日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 

シーン7:1/11・午前8:43・くもり(@0:35〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 

シーン8:1/12・午前2:42(@0:38〜) 
ここからが本題です。 
深夜未明に2頭のホンドギツネがペアで来ていました。 
1頭が右から来て、カキノキの根元で匂いを嗅ぎ、もしかすると排尿マーキングしたかもしれません。 

カキノキの背後には別個体が来ていました。 
暗闇で白く爛々と光る目だけが見えます。 
(木陰の獣がキツネ以外だとしたら、先に登場したキツネが攻撃するなり逃げるなり、分かりやすい反応をしたはずです。)
タヌキと違って、キツネがペアで行動を共にするのは珍しいです。 


シーン9:1/12・午前2:43(@1:04〜) 
奥の雪面を単独で右に立ち去るキツネが写っていました。 
監視カメラの赤外線が遠くまで届かず、暗くてほとんど見えません。 

シーン10:1/12・午後21:36(@1:19〜) 
監視カメラの起動が遅れましたが、手前の雪原をキツネが右へ横切りました。 

シーン11:1/13・午前0:51・夜霧(@1:26〜) 
日付が変わった深夜には、濃霧が風に舞っていました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
トレイルカメラでモノクロ動画にシルエットしか写りませんでしたが、当地に野犬は居ないという前提で、キツネだと判断しました。 

キツネは木登りできませんから、カキノキに用事があるとしたら、落果が目当てでしょう。 
ホンドギツネが夜な夜な落柿を拾い食いに来るのではないかと期待したのですが、大雪が積もって埋もれてしまったようです。 
あるいは、雪原で野ネズミを狩りに来たのかもしれません。 


つづく→?

日光浴しながら沢で小石を舐めるキタテハ秋型(ミネラル摂取)

 

2024年10月下旬・午前11:10頃・晴れ 

山麓で緩斜面をチョロチョロ流れる沢に秋型のキタテハPolygonia c-aureum)が止まっていました。 
翅を全開にして秋の陽射しを浴びながら、小石の隙間に口吻を伸ばして舐めています。 
沢の水を吸って、含まれている微量のミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
広げた翅が太陽に対して正対するように、その場で少し方向転換したので、やはり吸水しながらも効率よく体温を上げるために日光浴しているようです。 



動画を撮りながら私がキタテハに近づいたら、すぐに羽ばたいて飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:40〜)

2026/03/30

雪面からカキノキの枝先に跳びつき、よじ登って熟柿を食べるニホンザル【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬・午後15:40頃・晴れ 

雪国で厳冬期にカキノキの巨木を自動撮影カメラで見張っています。 
落葉した枝には、甘い熟果がまだ少し残っています。 
雪原(大雪が積もった畑)をニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れがばらばらに遊動しています。 

しばらくすると、画面の右端で面白いことが起こりました。 
雪面を歩いてきた若い猿が、カキノキの枝先に跳びつこうと何度もジャンプする影だけが見えました。 
ようやく成功すると、大きくしなる枝先からそのまま器用によじ登り、横枝に腰掛けました。 
樹上で日光浴を楽しんでいるのでしょうか。 

手を伸ばして枝先に残った熟柿を手繰り寄せようとしても、届きませんでした。 
そこで別の枝に移動し、画角の外に消えました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
地上からジャンプして枝先を掴んで登るという、今回の木登り法は特殊で、この1回だけしか録画されていませんでした。 
若い猿の遊び心というかチャレンジ精神が発揮されたのかもしれません。 
他の猿たちは、カキノキ大木の太い幹の根元からよじ登ります。(映像公開予定) 

想像ですが、もしかするとこのニホンザル個体は、初めから枝先を掴もうと(木登り目的で)雪面で飛び跳ねていたのではなくて、カキノキの垂れ下がった枝先に残っていた果実をジャンプして取ろうと頑張っていたのかもしれません。
欲を言えば、トレイルカメラの画角をもう少し右に向けて設置しておけば、ニホンザルが雪面から枝先に跳びつく決定的瞬間を撮れたはずです。 
それでも影絵で記録できたので、想像力を掻き立てる面白い映像作品になりました。 



つづく→

晩秋に刈田からヨシ原へ走って逃げ込むキジ♂(野鳥)

 

2024年11月下旬・午後15:15頃・くもり 

私が田園地帯の農道を歩いていたら、急に前方からキジ♂(Phasianus versicolor)が鳴かずに飛び去りました。 
どうやら稲刈り後の田んぼ(刈田)で採食していたキジ♂が、近づく私に気づいて警戒したようです。 
低空で用水路を飛び越えて隣の刈田へ着陸しました。 
(映像はここから。) 
キジ♂はそのまま走って刈田を横切ると、枯れたヨシ原に逃げ込みました。 
田んぼで暮らすキジは、隣接するヨシ原を隠れ家としていつも利用しています。

2026/03/29

大雪が積もった二次林の営巣地を1〜3頭でうろつくホンドタヌキ:12月下旬〜1月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月下旬〜2025年1月中旬

シーン0:12/25(@0:00〜) 
平地の落葉した二次林で、元々はニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)だった巣穴を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
今季はアナグマではなく、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がここで越冬しているようです。 

ホンドタヌキの登場シーンを以下にまとめました。 
特筆すべき事件は個別の記事にしたので、残り物になります。 


シーン1:12/31(@0:07〜) 
大雪が積もって巣穴L、Rが完全に埋もれてしまいました。 
単独でやって来たタヌキが深雪のセットをラッセルしつつ、巣穴を探し回っています。 


シーン2:1/8(@1:39〜) 
セットを往来する動物の足跡が雪面に残っていますが、雪面が凍っているときにタヌキが歩いても、足跡が残りません。
巣口Rは開口していて、通りすがりのタヌキが顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
 てっきり巣口Lは深い雪の下に埋もれたのかと思いきや、かろうじて開口して、タヌキが匂いを嗅ぎました。(@4:33〜) 


シーン3:1/11(@4:51〜) 
更に容赦なく豪雪が積もり、巣口LもRも深い雪の下に完全に埋もれました。 


シーン4:1/12(@4:55〜) 


シーン5:1/13(@5:17〜) 
単独タヌキが、大雪で埋もれたセットをひたすら往来しています。


シーン6:1/14(@5:41〜) 
ペアで来たタヌキが、かろうじて開口した巣口Rを調べています。 
雪面に座り込んで毛繕いしました。 
この巣穴Rで越冬しているペアだと思うのですが、なぜか巣内に入ろうとはしません。 
巣口Lの辺りをうろついても、雪かきをして掘り出すことはしませんでした。 
いつの間にか、タヌキが3頭に増えていました。(@9:18〜) 
順番に巣口Rを点検してから立ち去りました。 

晩遅くには雨が降っていました。 
単独でうろついていたタヌキが、雪の下に浅く埋まっていた餌を掘り出して食べました。(@10:22〜) 
残念ながら立木の陰になっていて、メニューは不明です。 
食後は毛繕いしました。 
右へ立ち去る途中で身震いし、雨で濡れた毛皮の水気を振り落としました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

晩秋の陽射しを浴びつつ身繕いするモンスズメバチ♂(腹部斑紋の変異個体)

 

2024年11月中旬・午後12:55頃・晴れ 

里山の尾根道で苔の上に裏返った落ち葉(コナラまたはミズナラ)があり、その上にモンスズメバチVespa crabro flavofasciata)の雄蜂♂が乗っていました。 
触角の長い雄蜂♂で、腹部の黒い斑紋が波打たない個体変異のようです。 


落ち葉の上でぐるぐると方向転換してから、身繕いを始めました。 
前足で顔を拭ってから舐め、触角を前足で拭いました。 
後脚を擦り合わせ、後脚で腹部を擦りました。 

いつものように、モンスズメバチ♂が飛び立つ瞬間をハイスピード動画に撮ろうとしたら、カメラが電池切れになり、逃げられてしまいました。 
左側の翅だけやや半開きだったので、飛べない個体なのかと案じていたら、重低音の羽音を立てて無事に飛び去りました。 
交尾相手の新女王を探しに行ったのでしょう。

この尾根道では毎年のようにモンスズメバチを見かけるので、どこか近くに営巣木や樹洞がありそうです。 

2026/03/28

雪国の厳冬期にカキノキ大木に登って熟果を食べるニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2025年1月中旬〜下旬 

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
郊外でスギ防風林に囲まれた畑の端に聳え立つカキノキの大木を自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の登場シーンをまとめました。 
初めに断っておきますが、旧機種のカメラをだましだまし使っているので、昼間に撮れた映像は色が変ですし、画面が謎に点滅して見苦しいです。 


シーン1:1/7・午後12:33・くもり(@0:03〜) 

シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
晩に監視カメラが起動したときには、雪が激しく降っていました。 

シーン3:1/10・午前4:20・降雪(@0:10〜) 
翌日の未明には激しい吹雪になっていました。 

シーン4:1/10・午前9:22・くもり(@0:21〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、動物の歩いた足跡は残っていません。 
雪面があちこち窪んでいるのは、樹上から落雪したせいです。 
カキノキの横枝にもしっかり冠雪していました。 
強風が一晩中吹き荒れた後でも、カキノキ樹上には熟果がまだ少し残っています。 
落果は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 

シーン5:1/10・午後14:10・くもり(@0:25〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣の冠雪したスギ樹上からどんどん落雪します。 

シーン6:1/10・午後17:18・降雪(@0:31〜)日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 

シーン7:1/11・午前8:43・くもり(@0:35〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 

シーン8:1/12・午後12:01・晴れ(@0:38〜) 
晴れた正午過ぎに、ニホンザルの群れがカキノキ大木に来ていました。 
子猿を抱っこした母親♀が、カキノキの下の雪面に座って、頭上を見上げています。 
目線の先には、若い猿が単独でカキノキ樹上に登っていました。 
右隣の木へ身軽に飛び移って姿を消しました。 

地上の母親♀は子猿を腹にしがみつかせたまま、カキノキ幹の根元に立て掛けてあった2本の竹竿のうちの1本を伝って、果敢に木登りしました。 
太い横枝を右に移動して座ると、子猿を下ろしました。 
子猿だけが細い枝先に移動して、熟柿を食べ始めました。 
遅れて枝先に移動した母親♀は体重が重いので、太い枝を選んで歩き、枝先に残った熟柿を手前に引き寄せてから採食。 
枝に座って熟果を食べながら、果皮を捨てています。 

食べ終わった母親♀は、立ち上がって手を伸ばしましたが、熟柿になかなか手が届きません。 
2度目の挑戦でようやく柿の実を掴み、手前に手繰り寄せて食べます。 

その間に、地上では左から別の母子が登場し、子猿をおんぶして運右下手前へ遊動して行きます。 
 子猿は雪面に一度降りたものの、すぐにまた母親♀の腰に飛び乗りました。 

シーン9:1/12・午後12:10・晴れ(@2:08〜) 
子猿を背負った母親♀が、カキノキの細い枝先で熟柿を採取しています。 
少し太い横枝に登り返してから、食べ始めました。 

一方、別個体の子猿が左の枝で熟柿を採食中です。 
カキノキ樹上で猿が移動すると枝が激しく揺れますが、それでも熟柿は落ちませんでした。 

シーン10:1/13・午前0:51・夜霧(@3:38〜) 
日付が変わった深夜には、濃霧が風に舞っていました。 

シーン11:1/13・午前11:28・晴れ(@3:43〜) 
昼前に子猿をおんぶした母親♀が、カキノキの太い幹を裏側からよじ登っていました。 
枝先で子猿が熟柿を採食しています。 

シーン11:1/19・午前11:59・晴れ(@4:22〜) 
6日後も猿が採食に来ていました。 
雪面にはニホンザルの群れが歩き回った足跡が残っています。 

カキノキの上の枝から下の枝にニホンザルが下りてきました。 
子猿を抱きかかえているのに母は強しで、頭を下にして真っ逆さまの体勢で果敢に下りてきました。
腰掛けた横枝が揺れています。 
樹上に熟柿はもう残っていないのか、採食行動をしないで、樹上で日向ぼっこしています。 
母親♀の横に座っていた子猿が独りで細い枝先に移動し、残っていた熟柿を食べてから母親のもとに戻りました。 

その間、奥の雪原を別個体の猿が右から左に走って横断し、スギ防風林に駆け込みました。

シーン12:1/20・午前4:23・夜霧(@5:27〜) 
翌日の未明には、夜霧が風に流されていました。 

シーン13:1/22・午前9:17・くもり(@5:31〜)
2日後、子猿をおんぶした母親♀がカキノキの横枝に登っていました。 
母猿は右手に熟柿を持って食べています。 
残り少ない熟果を採取してきたようですが、背中の子猿には分け与えませんでした。 
しかも、少し食べただけで、食べ残しを惜しげもなく捨てました。 
再びカキノキの幹を登って死角に消えました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


初冬にユキツバキ群落の手前で佇み警戒するニホンカモシカ♀

 

2024年12月上旬・午後14:50頃・くもり 

里山で採食中のニホンカモシカ♀(Capricornis crispus)と遭遇しました。 
ユキツバキの群落の手前で立ち止まり、振り返ってこちらを凝視しています。 
静かに佇んでいるだけでも、なかなか絵になりますね。 
角や耳介に個体識別できる特徴は見当たりません。
後ろ姿の股間に陰嚢(睾丸)が見えないので、たぶん♀だと思います。 
当歳仔の幼獣は近くに見当たらず、子別れした後のようです。 

初冬で雪が積もる前ですが、カモシカの餌となる植物がどんどん落葉したり枯れたりしている時期です。
常緑ユキツバキの葉を食べるかと期待したのですが、まったく口をつけませんでした。 
ユキツバキの葉はいかにも消化が悪そうなので、厳冬期でよほど飢えない限りは食べないのでしょう。 


つづく→警戒を解いて採食を再開

2026/03/27

夜明け前に帰巣したホンドタヌキ♀♂が雪で埋もれて凍った巣口の雪かきをしてから中に入る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月上旬 

雪が積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:1/7・午前6:27・気温-1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前6:52 

夜明け前、朝霧が少し立ち込めているようです。 
手前から単独で来たタヌキが、凍った雪面の匂いを嗅ぎながら、奥の営巣地に向かっています。 
途中で頻繁に立ち止まって、雪原の左上奥を気にしています。 

雪に埋もれた巣口L、Mを順に点検してから巣口Rに向かいます。
前足で巣口Rの雪かきを始めました。 
アナグマと比べてタヌキは穴掘りが苦手ですから、中途半端ですぐに止めてしまいました。 

やがて左上から別個体のタヌキが登場しました。 
巣口Rで先行個体に追いついたところで、1分間の録画終了。 
最低気温が氷点下だと雪面が硬く凍り、その上を歩いてもタヌキの足跡が残りません。 


シーン2:1/7・午前6:29(@1:00〜) 
辺りが少し明るくなりました。 
タヌキのペアがまだ雪原をうろついています。 
私には外見でタヌキの性別を見分けるのは無理ですが、寄り添って歩いていたのに、急に相手にじゃれついたように見えました。 
しかし動画を見直すと、しつこくまとわりつく♂に♀が苛立っているようにも見えました。 
(そろそろ♀が発情する時期なので、♂はパートナー♀につきまとって発情状態を頻繁にチェックしています。) 

雪面だけが凍っている状態を俗に最中もなか雪と呼び、ときどき足がズボッと潜るので、歩くときには注意が必要です。 
巣口Lに近づこうと方向転換した際に、タヌキの後足が雪面でスリップしたか潜ったようです。 

凍った雪で埋もれていた左の巣口Lで、1頭が雪かき穴掘りを始めました。 
今度は頑張って、ついに巣穴Lに入ることができました! 
穴掘りが苦手と言われているタヌキも本気を出せば、雪かきぐらいは出来るようです。 

その間に、雪原を右へ立ち去りかけていたパートナーの別個体が、右から戻って来ました。 


シーン3:1/7・午前6:47(@2:00〜)
だいぶ明るくなっても、まだ朝霧がうっすらとかかっています。 
巣穴Lから外に出てきたばかりと思われるタヌキのペアが、依然として営巣地(越冬地)の雪原をうろついています。 
巣口Lで左を向いて佇んでいた個体が、その場で身震いしました。
顔を巣口Lに突っ込んで匂いを嗅いでから、パートナーの後を追って右に立ち去りました。 


つづく→

シバザクラの花で吸蜜し飛び回るキアゲハ♀春型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午後15:55頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたシバザクラ(芝桜)の群落で春型のキアゲハ♀(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。 
花色が薄いピンクの品種で、キアゲハは口吻を伸ばして吸蜜しています。 
翅表の斑紋と腹部の形状から♀と分かります。 

キアゲハ♀は、訪花中も半開きの翅を忙しなく羽ばたき続けていました。 
いつでも飛び立てるように、飛翔筋の準備運動を続けて体温が下がらないようにしているのでしょう。 
不安定な花の上で身体のバランスを保つために羽ばたいている、という役割もありそうです。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 芝桜の花蜜を吸うキアゲハ 


キアゲハ♀がシバザクラの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:33〜) 
大きな翅を力強く羽ばたいて飛び立つ様子は見応えがあります。
翅は硬い平面ではなく、打ち下ろす際にしなやかに曲がりながら揚力を得ています。

2026/03/26

厳冬期にカキノキ大木に登って熟果を食べる雪国のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年1月上旬〜中旬

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
郊外で広大な畑がスギ防風林に囲まれています。
その林縁(畑の端)に巨大なカキノキの古木が聳え立っています。 
落葉後も熟した果実が枝先にまだたくさん残っています。 
木の下の雪面には落果が散乱しています。 
こうした熟柿を食べにやってくる野生動物を見張るために、自動撮影カメラ(旧機種)を設置しました。 

ホンドテンMartes melampus melampus)の登場シーンをまとめます。 


シーン1:1/7・午後12:33・くもり(@0:03〜) 


シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
雪が激しく降っています。 


シーン3:1/10・午前1:00・降雪(@0:10〜) 
猛吹雪の深夜に、冬毛のテンが左下隅からカキノキに駆け寄ると、新雪にテンの足跡が残りました。 
そのままテンは、幹の裏側を一気によじ登りました。 
こんな悪天候でも、トレイルカメラのセンサーがしっかり反応したことに感心しました。 

テンはカキノキの冠雪した横枝を右の先端部へ移動しました。 
しばらくして奥の枝だけが突然不自然に揺れたのは、テンが細い枝から枝へ飛び移ったのでしょう。 
暗闇でそんなアクロバティックな芸当ができるとは驚異的です。
監視カメラが照射する赤外線が奥まで届かず、肝心のテンが熟柿を食べる行動は撮れていませんでした。 
テンがカメラの方を振り返ると、眼のタペータムが赤外線を強く反射して、白く光って動いています。 


シーン4:1/10・午前4:20・降雪(@1:17〜) 
未明には吹雪が更に激しくなっていました。 


シーン5:1/10・午前9:22・くもり(@1:28〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、ホンドテンの足跡はもう残っていません。
雪面があちこち窪んでいるのは、樹上から落雪したせいです。 
カキノキの横枝にもしっかり冠雪していました。
一晩中、強風が吹き荒れた後でも、樹上にはまだ熟柿が少し残っています。 
落柿は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 


シーン6:1/10・午後14:10・くもり(@1:32〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣のスギ樹上からどんどん落雪します。 


シーン7:1/10・午後17:18・降雪(@1:32〜)日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 


シーン8:1/10・午後21:30・降雪(@1:42〜) 
雪が降る晩に、テンがいつの間にか柿の木に登っていました。 
太い横枝に積もった深い新雪をかき分けながら右に進みます。 
樹上のラッセル行動なんて、初めて見ました! 
足元が雪で滑って木から落ちる恐怖など微塵も感じられません。
枝先に達して熟柿を採食したようですが、残念ながら画角の外で様子が分かりません。 
テンが動くと、その体重で細い枝が上下にしなります。
枝先でテンが振り返ってカメラ目線になると、目が白く光ります。 
どうやら画面の右上隅まで木登りしたようです。 


シーン9:1/11・午前8:43・くもり(@2:02〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 


シーン10:1/12・午前1:21(@2:05〜) 
日付が変わった深夜、ホンドテンが再びカキノキ樹上に登っていました。 
いつもの太い横枝を右に行きかけた途中で立ち止まり、痒い体を掻いているようです。 
横枝を右に走って行きましたが、枝先で熟果を採食したかどうか不明です。 
もう枝先に柿の実が残っていなかったのでしょうか。 
せっかく左に戻ってきたのに、わずか40秒間で録画が終わってしまいました。 
どうやら低温でアルカリ電池が消耗していたようです。 (厳冬期は高価でもリチウム一次電池を使うべきだと翌年に知りました。)
トレイルカメラが旧機種のため、残念ながら動画撮影時の気温データは取得されていません。 


シーン11:1/13・午前0:51(@2:48〜) 
翌日の深夜には、どうやら夜霧が発生したようです。 
監視カメラがなぜ起動したのか不明です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
いかにも雪国でたくましく暮らす野生のホンドテンらしい映像が撮れて感動しました。
できれば新機種のトレイルカメラで録画したかったのですが、まさかこんな凄い映像が撮れるとは予想してませんでした。
翌年の宿題です。

木登りが得意なホンドテンは、カキノキ樹上での採食に専念し、雪原に散らばっている落果を拾い食いすることは一度もありませんでした。
ここにニッチの棲み分けがありそうです。
テンは夜行性ですし、雪に埋もれた落柿を暗闇で見つけにくい、という理由もありそうです。


つづく→ 


【アフィリエイト】 

クリの木から飛び降りるニホンザル幼獣を地上で受け止める母親|クリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ

 

2024年12月上旬・午後12:15頃・晴れ 

郊外の収穫が終わった畑の端にクリ(栗)の大木があります。 
ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の小さな群れが、木陰に座ってのんびり採食していました。
 「大きな栗の木の下で♬」散乱している落果を拾い食いしているようです。 


採食シーンをしっかり撮影したくて、私が物陰から近づこうとした途端に、気づいた猿たちは警戒して逃げ始めました。 

クリの太い幹を子猿が頭を下にして真っ逆さまに下っています。 
黒い首輪を装着した母親♀が迎えに行き、後脚で立ち上がって両手を広げると、樹上から飛び降りるやんちゃな子猿を無事に受け止めました。 
体重の軽い子猿の時期は大丈夫かもしれませんが、高所から無鉄砲に飛び降りると、着地の衝撃で『坊っちゃん』のように腰を抜かしたり足を捻挫したり骨折したりするかもしれません。
地上にはクリのイガが大量に散乱していますから、母親が受け止め損ねたら、子猿にトゲトゲのイガが刺さって痛い目に遭うかもしれません。 
子猿は母親の胸にしがみついたまま(腹側しがみつき)、母親が四足歩行で運んで右へ逃げて行きます。 
クリの木から飛び降りる我が子を母親が受け止めた瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:07〜0:22) 
ヒトの母親とは違って、ニホンザルは「危ないでしょ、高いところから飛び降りないの!」と幼獣を叱りつけることはしませんでした。
成獣になると、無闇に飛び降りることはしないで、慎重に木から地上に降りるようになります。
わんぱくな幼少期に痛い目に遭って(足を負傷して)、自分で学習するのでしょうか。

クリ樹上には逃げ遅れた別の幼獣がまだ残っていました。 
その母親が口にクリの実(堅果)を咥えたまま右から走ってきて素早く木に登ると、逃げ遅れた子猿を腰に乗せて地上に降り(背乗り)、仲間を追って右のスギ防風林へ引き返します。 

つづく→

2026/03/25

雪の下に埋もれた巣口を除雪しかけて諦めるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月上旬

シーン1:1/8・午前2:03・気温0℃(@0:00〜) 
雪が降る深夜に、落葉した二次林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の越冬用営巣地に単独タヌキが右からやって来ました。 
一歩ずつ足が深い新雪にズボズボ潜っています。 

巣口Rに鼻面を突っ込んで中の匂いを嗅いでから、左へ向かいました。 


シーン2:1/8・午前2:03・気温-1℃(@0:54〜) 
別アングルの監視カメラに続きが写っていました。 
巣口Lも雪ですっかり埋もれていて、雪面が窪んでいるだけです。 
タヌキは、その凹んだ雪面に鼻面を突っ込んで、匂いを嗅いでいます。 
右前足を使って、巣口Lの新雪を掻き出し始めました。 
雪かき作業の後は、掘った雪穴の中に顔を埋めて、匂いを嗅ぎました。


シーン3:1/8・午前2:05(@1:54〜) 
結局、タヌキは巣口Lの雪かきを少しやっただけで巣穴Lには入らず、右へ立ち去りました。 
と思いきや、また戻ってきて、雪かきを再開。 
ドカ雪が積もって周囲の地形・風景が変わったため、巣口Lの位置がこの場所で良いのか自信がないのかもしれません。 
その雪かきも中途半端に終わり、タヌキは諦めて右へ立ち去りました。 


【考察】 
ここに来るタヌキたちの個体識別ができていませんが、今回登場した個体はなんとなく、ここで越冬するペアではなく余所者ではないかという気がします。 
擬人化すると、ここで越冬しているタヌキの安否確認をしに来たように、どうしても見えてしまいます。 


つづく→

巣材としてヌスビトハギの葉を切り抜くハキリバチ♀のNG集【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2024年8月上旬・午後12:30頃・晴れ 

里山で湧水湿地帯の周囲にあるスギ植林地の林床でハキリバチ科の一種の♀がヌスビトハギの葉をくり抜いてせっせと巣材を集める様子を撮影していると、必ずしも毎回スムーズに葉片を切り取ってはいないことが分かりました。 


シーン1:(@0:00〜) 
ヌスビトハギの葉の縁にしがみついて大顎で丸く切り抜き始めたのに、私がカメラのレンズを近づけたらピントが合う前に飛び去ってしまいました。 
警戒したのか、それとも葉に触れてみて初めて状態が巣材として気に入らなかったのかもしれません。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


ハキリバチ♀のNGシーンと言っていいのか分かりませんが、240-fpsのハイスピード動画でも面白いシーンがいくつか写っていました。 

シーン2:(@0:22〜) 
せっかく長楕円形に切り抜いたヌスビトハギの葉片を抱えて飛び立とうとしたら、葉から転がり落ちてしまいました。 
それでも大事な荷物を落とすことなく、なんとか空中で体勢を立て直すと、ホバリング(停空飛翔)しながら定位し、巣の方向へ飛び去りました。 


シーン3:(@1:59〜) 
慌てて撮り始めたので、蜂にピントがしっかり合っていません。(奥ピン) 
ハキリバチ♀は、ヌスビトハギの葉の中でも、すでに切り抜き穴がある葉を選んでいるようです。 
巣材植物をなるべく無駄なく利用するというよりも、巣材に適した葉をいちいち吟味する手間が省けるからでしょう。 

今回はなぜか作業の終盤で中断すると、切りかけの葉片を手放し、次の葉を探しに飛び去りました。 
素人目には、切り取りに失敗したようには見えないのですけど、「弘法も筆の誤り」ならぬ、「ハキリバチも大顎の誤り」ということがあるのですね。 
私が邪魔したせいではないと思います。
撮影を続けたまま私が立ち上がると、奥ピンが解消され、ハキリバチ♀の探索飛翔がしばらく写っていました。 


シーン4:(@3:48〜)
スビトハギの葉から今回は大雑把な形状で切り取っています。 
切り取り作業中に姿勢を崩してしまったせいかもしれません。 
葉片を抱えたまま完全に切り落としても、下にある別な葉が蜂ごと受け止めました。 
これはイレギュラー(想定外)な事態です。
ハキリバチ♀は、上下逆さまの状態からどうやって立ち直るのでしょうか? 
抱えた葉片をくしゃくしゃに丸め、足を使って根返りを打つように下の葉から転がり落ちながら、羽ばたいて飛び去りました。 


【考察】 
昔ながらの『ファーブル昆虫記』などを読んでいると、昆虫の本能行動は生まれつき完璧な印象を受けるのですが、実際ハキリバチ♀は葉片を切り抜く際に色んな失敗もしていて微笑ましいです。 
臨機応変な対応に感心しました。 

クズハキリバチ♀との比較 

2026/03/24

雪が積もったアナグマの旧営巣地をうろつき、排尿マーキングするホンドギツネ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月上旬〜中旬 

シーン0:12/25・午後14:11・くもり・気温17℃(@0:00〜) 
シーン0:12/25・午後14:48・晴れ・気温15℃(@0:03〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 
根雪がどっさり積もりました。 
どうやら空き巣のようで、今季アナグマはここで越冬してくれませんでした。 
その代わりにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬しているようです。 

新年になって登場したホンドギツネVulpes vulpes japonica)のシーンをまとめました。 


シーン1:1/1・午前3:32・降雪・気温-2℃(@0:07〜) 
雪が降る深夜未明に、冬毛のホンドギツネがキツネが登場しました。 
キツネが歩くと、新雪に足が潜っています。 
大雪に埋もれた巣口Lに近づき、窪みに鼻面を何度も突っ込んで匂いを嗅いでいました。 
1分間の録画が終わり、その後の展開は不明です。


シーン2:1/3・午前10:48・晴れ・気温4℃(@0:21〜) 
2日後の日中に右からキツネがやって来ました。 
明るい自然光下で、冬毛の健常個体をしっかり録画することができました。 
雪面は固く凍結していて、足跡がまったく残りません。 

キツネは雪面に開口した巣口Rに近づき、匂いを嗅ぎました。 
2つの巣口R、Lの中間地点で立ち止まり、腰を屈めてマルバゴマキの落葉灌木に排尿マーキングしたようです。 
後脚を上げずに小便したので、この個体は♀と判明。 
巣口Lにも寄り道したものの、窪みを一瞥しただけで通り過ぎました。 
ホンドギツネ♀による排尿マーキング(匂い付け)を1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:56〜)。 
さすがに小便の雫は動画に写っていませんでした。 


シーン3:1/3・午前10:48・晴れ・気温11℃(@1:13〜) 
別アングルの監視カメラでも続きが撮れていました。 
巣口Lを通り過ぎたキツネ♀は、画面の右端まで来て、雪面に大き目の足跡を見つけると、怯えたように左へ方向転換しました。 
奥の落葉二次林内へ、凍った雪面をジグザグに進んでいます。 


シーン4:1/6・午後20:30・雨天・気温0℃(@1:59〜) 
起動理由が不明ですが、晩に冷たい雨が降っています。 
※ ここだけ雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


シーン5:1/11・午後12:44・晴れ・気温8℃(@2:03〜) 
ドカ雪が積もった後で、巣口Lは完全に深い雪の下に埋もれました。 


シーン6:1/12・午後17:18・気温-2℃(@2:07〜) 
大雪が積もり、巣口Rは深い雪の下にすっかり埋もれてしまいました。 
その結果、巣口Rがあった地点もほぼ平坦になっています。 


シーン7:1/12・午後21:29・気温-5℃(@2:10〜) 
ドカ雪に埋もれた獣道を左から右へキツネがやって来ました。 
歩くたびに足が雪にズボズボ潜っていますが、ラッセルするほどではありません。 

通りすがりに、オニグルミ立木の根元に排尿マーキング。 
このとき右後足を上げたので、♂と判明。 
キツネが小便で匂い付けしたシーンを、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:23〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ホンドギツネの外見による個体識別はあまりできていませんが、排尿時の姿勢から少なくとも♀と♂がそれぞれ来ていることが分かりました。 


つづく→

ノボロギクの綿毛付き種子の風散布を実演してみる

 

2024年11月下旬・午後15:35頃・くもり 

刈田の農道に自生するノボロギクの群落で黄色い花(筒状花)が咲き終わり、白い綿毛(冠毛)が秋風にそよいでいました。 
キク科の帰化植物ノボロギクの種子は、タンポポと同様に風散布されるのです。 
結構強い風が吹いているのに、互いに絡みついた冠毛が千切れそうで千切れません。 
仕方がないので、私が手で茎を揺すったり綿毛をほぐしたりすると、白い冠毛付きの種子がパラシュートのように風に乗って遠くまで飛び去りました。 
ノボロギクの種子が風で散布される瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ヒトが関与したので、動物散布になってしまいました。(屁理屈) 

あいにくカメラの電池が切れて、録画が打ち切られてしまいました。 
電池のスペアも使い切っていました。 
後日ちゃんと撮り直したかったのですけど、雨が降り続いたり朝露に濡れたりしてノボロギクの綿毛がいつも濡れていて、飛散シーンを観察できませんでした。 
山形県の晩秋はからっと晴れた日がなかなか続きません。 
ヘアドライヤーで熱風を吹きかければ、冠毛が乾いて飛べるようになったかもしれません。
来年に持ち越しです。 


【アフィリエイト】 

2026/03/23

厳冬期の雨夜に落葉二次林で越冬用の巣穴をうろつく雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月上旬 

平地の落葉した二次林で、元々はニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)だった巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
今季はホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がここで越冬しているようです。 


シーン1:1/6・午後20:17・雨天・気温-1℃(@0:00〜) 
冷たい雨が降る晩に、タヌキが単独で右から戻って来ました。 
丸一日以上、外出していたことになります。 
雪面に開口していた巣口Rの匂いを嗅いでから、右に向き直りました。 
周囲を見回しているのは、パートナーの帰りを待っているのかな? 
監視カメラの存在に気づいていて、入巣Rの瞬間を撮られたくないのかもしれません。 


シーン2:1/6・午後20:32・雨天(@0:19〜) 
15分後、右からまたタヌキが登場しました。 
同一個体が戻ってきたのか、それとも別の後続個体が帰巣したのかもしれません。 
巣口Rの匂いを嗅いでからクゥーン♪と小声で甲高く鳴きました♪。 

周囲の雪面を嗅ぎ回り、右手前下に歩き出しました。 
雪面はグズグズのいわゆる腐れ雪で、一歩ずつ足が潜って歩きにくそうです。 
セットの右端で佇んで、右を見つめているのは、パートナーの帰りを待っているのかな? 
再び巣口Rに戻りかけたところで、1分間の録画終了。 


シーン3:1/6・午後20:34・雨天(@1:07〜) 
1分後に、右からタヌキaが戻って来ました。 
巣口Rの匂いを嗅いだだけで、左に立ち去りました。 
すると、別個体bが巣内から巣穴Rの中から外に顔を出して、周囲を見回しました。 
さっきの個体aは、巣穴Rに入れてもらえず追い払われたのでしょうか。
雨天でも一緒に外出しようとパートナーを誘ったのに、断られた可能性もありそうです。 


シーン4:1/7・午後22:34・雨天・気温0℃(@1:48〜) 
翌日の晩遅くも雨が降っていました。 
巣口Rから外に上半身だけ出したタヌキが、右を気にして見ています。 
身震いしてから外に出てきたタヌキが左へ向かいます。 
雨で溶けた雪面は腐れ雪で、一歩ずつ足がズボズボ潜ります。 
みぞれなのかもしれませんが、雨音が聞こえるので、雨だと記録しました。 


シーン5:1/7・午後22:34・雨天・気温-1℃(@2:19〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
雪に埋もれた巣口Lの窪みを通りすがりに一瞥しただけで、タヌキは右へ立ち去りました。 


シーン6:1/7・午後22:50・雨天・気温-1℃(@2:33〜) 
15分後にタヌキが右から戻ってきました。 
巣口Rの匂いを嗅いで周囲を右往左往してから、右へ引き返しました。 
4日前にキツネが排尿マーキングしたマルバゴマキ灌木(映像公開予定)の匂いを嗅いでも、特に反応はありませんでした。 
雨も降っているし、さすがにもうキツネの残り香はないはずです。 

入巣Rしたくても、監視カメラの存在に気づいていて、入巣Rの瞬間を見られたくないのでしょうか? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声や雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
相変わらず登場するタヌキの個体識別ができていないので、解釈があやふやです。 
シーン3は、巣穴に篭城する主に入巣Rを拒まれて退散したようにも見えますし、一緒に外出しようとパートナーを誘ったのに断られた可能性もありそうです。 


ハルザキヤマガラシの花で吸蜜するウスバアゲハ

 

2024年5月上旬・午前10:50頃・くもり 

道端に咲いたハルザキヤマガラシの小群落でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。 
翅を広げたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
腹端に交尾嚢が見えず、性別不明です。 

横の車道をバイクが通り過ぎると、ウスバアゲハは驚いて飛び去ってしまいました。 


2026/03/22

雪山のスギ林で厳冬期の夜に活動するニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年1月上旬〜2月下旬 

シーン0:12/19・午後13:55・降雪・気温9℃(@0:00〜) 
里山でニホンカモシカがねぐらとして使っているのではないか?と思い込んだ場所があり、どうしても確かめないと気が済まなかったので、自動センサーカメラで見張っています。 
雪が積もったスギ植林地の端で、画面の右上奥にはカラマツの植林地が広がっています。 
画面の手前から奥に向かって斜面が登っています。 


ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:1/8・午後21:26・降雪・気温-3℃(@0:03〜) 
年が明けて雪の降る晩に、冬毛のノウサギが左の斜面を奥に登って行く姿が写っていました。 


シーン2:1/15・午前2:41・降雪・気温-1℃(@0:30〜) 
ちょうど1週間後の深夜未明に、ノウサギが雪山のスギ林を左から右へトラバースするようにゆっくり通り抜けました。 


シーン3:1/16・午後17:45・気温-4℃(@0:38〜)日の入り時刻は午後16:48。 
日がとっぷり暮れた晩に、スギ木立の間を右から左へノウサギが走り去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

手前の雪面が凸凹に荒れているのは、おそらく樹上から落雪した直後なのでしょう。 
雪面に足跡は残っていません。 


シーン4:1/27・午前2:27・気温-3℃(@0:47〜) 
手前の斜面を右から左へトラバースするように、冬毛の真っ白なノウサギが駆け抜けました。 
雪面は凍結していて、ノウサギの足がまったく潜りません。 

ノウサギは左奥の斜面で立ち止まると、落葉灌木の枝先の匂いを嗅ぎました。 
この後に枝先を食べたかどうか、映像ではよく分かりませんでした。 
その後は座り込んだまま休んでいます。 
長い耳だけ動かして左右を警戒しています。 
やがて俯いて、毛繕いを始めたようです。 


シーン5:1/27・午前2:32(@1:33〜)
 3分後に、ノウサギはようやく立ち上がると、雪山の斜面を奥へ登り始めました。 
すぐに立ち止まると、落葉灌木(または蔓?)の樹皮をかじっているようです。(匂いを嗅いだだけ?) 
最後は左に立ち去りました。 


シーン6:2/27・午後17:55・気温0℃(@2:17〜)日の入り時刻は午後17:33。 
ちょうど1ヶ月ぶりに、監視カメラが起動しました。 
今季は記録的な大雪が積もり、1ヶ月で雪面がかなり上昇していました。 
その結果、奥のスギ並木がまったく写らなくなりました。 

日没後の晩に、ガリガリに凍った雪面を手前から奥に2羽のノウサギが続けて駆け抜けました。 
縄張り争いなのか、繁殖期の求愛行動や♂同士の♀をめぐる争いなのかな? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
私には性別が見分けられないので、行動の解釈ができません。

この後は、スギの幹に固定してたトレイルカメラが雪にほとんど埋もれそうになり、野生動物は何も写らなくなりました。 


シーン7:3/13・午前0:27・気温3℃(@2:39〜) 
3月も中旬になると里山の雪がだいぶ溶けて雪面が下がり、奥のスギ林が見えるようになりました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
スギの植林地なんてノウサギにはほとんど価値がない場所で、来る理由がないと思っていたのですが、結構トレイルカメラに写っていました。
厳冬期の食事シーンがしっかり撮れなかったのが残念です。

この地点でキツネがうろついていたのは、獲物のノウサギを探し歩いていたのかもしれません。

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 雪山のスギ林をうろついて獲物を探すホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】 


つづく→

カキノキ樹上で熟果を食べながらライバルのヒヨドリを追い払うカラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】干渉型の種間競争

 



2024年12月下旬・午後14:25頃・晴れ・気温8℃・冬至の日。 

トレイルカメラを90°傾けて固定し、細長い樹形のカキノキの全体を監視できるようにしました。 
いわゆる縦型動画です。 
タブレットやスマホなどのモバイル機器で試聴している方は、ご自分で画面を回転してご覧ください。 
 PCのブラウザで視聴していてメンタルローテーションに苦労する人は、お手数ですが、画面を90°回転した状態で動画を再生できる拡張機能を導入してみて下さい。 
(記事の最後に掲載した【おまけの動画】を参照) 


すると早速、野鳥が写っていました。 
2羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がカキノキの樹上と下の雪面に1羽ずつ来て採食しています。 
3羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)も続々と飛来して、左隣の落葉アンズ樹上に留まりました。 
果実食性のヒヨドリはカキノキ樹上の熟果を食べたいのにカラスが怖いらしく、アンズとカキノキとアンズの枝を行ったり来たりしています。 
しばらくすると、カキノキ樹上で採食していたカラスが、上の枝(カキノキ樹冠部)に来ていたヒヨドリを追い払いました。(@0:50〜) 
餌資源を巡る占有行動です。(干渉型の種間競争) 
攻撃的に激しく追い払うのではなく、軽く威嚇・牽制する程度でした。
逃げたヒヨドリ?は、左隣りのアンズ樹上に避難して、順番待ちをしています。 
(カキノキの梢に留まってちゃっかり採食を続ける個体は、見えにくいのですが、ヒヨドリではなくカラスだと思います。) 

その間、地上の雪原で落柿を拾い食いしているカラス個体がいます。 
ヒヨドリは地上に降りたがらないため、落果はカラスが争わずして独り占めできます。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンザルの群れがカキノキで採食中はライバルのカラスを追い払いますが、猿がいなければカラスがヒヨドリを追い払います。
つまり、カキノキを巡る力関係は、ニホンザル>カラス>ヒヨドリという序列になります。

不思議なことに、これまでヒヨドリが単独(または群れ)でカキノキに来て大好物の熟柿を食べるシーンをトレイルカメラで撮れたことがありません。 
もしかすると、カラスよりも小さいヒヨドリには、トレイルカメラのセンサーが反応しにくいのかもしれません。 
それとも、怖いカラスが常に見張っているせいで、ヒヨドリはなかなかカキノキに近づけないのでしょうか。


 

↑【おまけの動画】 
同じ素材の縦型動画を動画編集で90°回転したバージョン(横型動画)です。 
回転修正した結果、見やすくても動画の画質が落ちてしまったので(画面を縮小したので情報量が減った)、ブログ限定で公開しておきます。 


つづく→

2026/03/21

アナグマの空き巣で越冬する雪国のホンドタヌキのペアが巣穴に出入り【トレイルカメラ:暗視映像】深雪ラッセル

 



2025年1月上旬

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
どうやら空き巣のようで、今季アナグマはここで越冬してくれないような気がしています。 

新年になってホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場したシーンをまとめました。 


シーン1:1/2・午後17:58・気温0℃(@0:00〜)日の入り時刻は午後16:34 
日がとっぷり暮れて真っ暗な晩に、大雪に埋もれた巣口Rからタヌキが顔を出していました。 
入巣Rシーンが撮れていませんが、タヌキがいつの間にかここで越冬していたようです。 

辺りを見回し、ようやく外に這い出て来ました。 
昼間に少し溶けた雪にタヌキの足がズボズボと潜り、歩きにくそうです。 
タヌキはそのまま独りで右へ立ち去りました。 
空腹になって採食に出かけたのでしょう。


シーン2:1/4・午前2:53・気温-4℃(@0:31〜) 
2日後の深夜未明に、右からタヌキが単独で登場。 
低温でサラサラな深雪をラッセルしつつセットを横切り、そのまま躊躇なく右の巣穴Rに潜り込みました。 

タヌキはそのまま巣内に留まり、外に再び出て来ることはありませんでした。 
(したがって、巣穴Rの内見ではありません。) 
今季はタヌキがここで越冬している確証が得られました。 
次に気になるのは、計何頭のタヌキが巣穴Rを利用しているのか?という問題です。 


シーン3:1/5・午前0:33・降雪・気温-4℃(@0:47〜) 
翌日の深夜、小雪がちらついています。 
新雪が積もった後で、セットの雪面に足跡はありません。 

巣口Rから顔を出したタヌキの頭が雪にまみれています。 
巣口に積もった雪をかき分けて外に出てきた証です。 
出巣R直後で間違いありません。
辺りを見回して警戒しています。 
深雪をラッセルしながら、ゆっくり右へ向かいました。 


シーン3:1/5・午前0:35・降雪(@0:47〜) 
1分後に、もう1頭のタヌキが続けて巣穴Rの外に出て来ました。 
どうやら♀♂ペアで仲良く越冬していたようです。 
先行個体の足跡(ラッセル跡)を忠実に辿って、右へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ヒメオドリコソウの花で吸蜜し飛び回るモンシロチョウ春型♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:55頃・晴れ 

田んぼ(刈田)の農道沿いに咲いたヒメオドリコソウの群落で春型のモンシロチョウ♂(Pieris rapae)が訪花していました。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 


モンシロチョウは、翅をしっかり閉じて吸蜜しています。 
ヒメオドリコソウの小さな唇形花に深く差し込んだ口吻は外から見えず、がっついているように見えます。 

隣に咲いているオオイヌノフグリキュウリグサの青い花には見向きもせず、ヒメオドリコソウの赤紫の花の方が好きなようです。 

モンシロチョウが花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:03〜) 
素早く羽ばたいた際に広げた翅表の斑紋から、♂と判明。

2026/03/20

雪国で年末にカキノキ樹上の果実を食べ尽くしたニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2024年12月下旬 

シーン0:12/21・午後13:18・くもり・気温20℃(@0:00〜) 
細長い樹形に育ったカキノキ全体を画角に収めるために、トレイルカメラを90°傾けて設置してみました。 
いわゆる縦型動画です。 
タブレットやスマホで試聴している方は、ご自分で画面を回転してご覧ください。 
PCで視聴していてメンタルローテーションに苦労する人は、ブラウザの拡張機能を導入すれば、画面を回転した状態で再生可能です。 

カキノキの樹冠部には熟した果実(熟果)がまだ実っていて、木の下の雪面には落果が大量に散乱しています。 
ニホンザルMacaca fuscata fuscata) の登場シーンをまとめました。


シーン1:12/24・午後16:46・吹雪・気温-1℃(@0:03〜) 
激しい吹雪が降っていて、カキノキや左隣りのアンズの木にも冠雪しています。 


シーン2:12/26・午前9:02・晴れ・気温1℃(@0:12〜) 
せっかく縦向きで設置したのに、いつの間にかカメラの画角が少し斜めになってしまいました。
ニホンザルが悪戯したのか、ワイヤーロックのせいかもしれません。 

吹雪が止んで穏やかに晴れた朝、4頭のニホンザルがカキノキ樹上で熟柿を採食していました。 
新雪の雪面に手前からカキノキに向かって新しい足跡が真っ直ぐ残っています。 
樹上の猿は、食べかけや果皮をどんどん下に捨てました。 

カキノキの右下奥の雪原に子猿が座っていました。 
落柿を拾い食いしているのかと思いきや、手に持っていた白い雪玉?を下に置きました。 
写真集『スノーモンキー』の表紙を飾った写真を連想しました。 
その子猿は、左奥に向かって雪原を歩き始めました。 
道中で何やら採食しているようですが、遠くてメニューの詳細は不明です。 


シーン3:12/26・午前9:10・晴れ・気温4℃(@2:12〜) 
猿たちは全員、カキノキから下に降りていました。 
カキノキの奥のスギ林縁には少なくとも4頭以上の母子の群れがいました。 
子猿2頭が母親♀の近くで落葉灌木に登って独り遊びしています。 
カメラに背を向けて雪原に座っていた母親♀が立ち上がると、子猿が登っていた細い落葉灌木に自分も強引に登りました。(@3:55〜) 
その細い落葉低木は成獣の体重が加わってしなりながらも、折れませんでした。 
雪面に尻を直接付けて座るのが冷たくなったのかもしれません。
ニホンザルは自前の座布団(尻ダコ)があるので、冷たい雪面に座り続けても平気なのかと思っていました。 
しかし座る場所を変えたということは、雪国のニホンザルでも雪面に付けた尻が冷たくなり、樹上に座るようにしたのでしょう。 

その間に、別個体の成獣♀が手前から奥へ、雪に覆われた獣道をゆっくり歩いて来ました。
顔が真っ赤なので、発情した成獣です。
カキノキの真下で雪面に落ちていた柿の実を次々と拾って採食しました。 
しばらくすると、その成獣がカキノキで木登りを開始。 
熟柿が残っている樹冠部を目指して一気に幹をよじ登りました。 
横枝を手繰り寄せて、枝先に残った熟柿を採食しています。 
果皮は食べながら下に捨てます。 


シーン3:12/26・午前9:16・晴れ・気温7℃(@4:13〜)
カキノキ樹上で採食していた個体aは、更に上の梢まで移動していました。(赤丸○) 
別個体bの成獣が、雪面に残る足跡を辿って、左下手前へ歩き去りました。 
やがて、猿aがカキノキの木から下り始めました。 
逆さまになって幹をするすると身軽に下り、最後は細い横枝を経由してから雪面に降りました。 
無鉄砲な子猿と違って体重の重い成獣は、地上へ一気に跳び下りて足を怪我しないように注意している印象です。 
奥に向かって少し歩き、カキノキの根元で落柿を拾い食い。 
しかし落柿も選り好みしています。 
拾ってすぐ背後に捨てたのは、果皮だけだったのでしょう。 
(渋くて不味い柿は、見ただけで分かるのかな?) 
落柿を片手に持ったまま、なぜか後足で立ち上がってカメラ目線になると、立ったまま中腰の姿勢で落柿を食べました。 

やがて四足歩行で雪原を奥へ歩き去ります。 
林縁の落葉灌木を経由して、右のスギ防風林へ向かいました。 
そこで遊んでいた子猿たちはもう居なくなっていました。 
 「そして誰も居なくなった」かと思いきや、右奥のスギ林縁から1頭の猿が雪原を手前に戻って来ます。 


シーン4:12/26・午前10:18・くもり・気温6℃(@4:13〜)
1時間後、いつのまにかカキノキに登っていた成獣(発情して顔が真っ赤)が、下部の横枝にぶら下がってから雪面に跳び下りました。 
枝が激しく揺れたはずみで、樹上に残っていた熟柿が雪面に落ちました。 
猿は獣道を通って手前へ歩いて来ます。 


シーン5:12/31・午前9:24・晴れ・気温12℃(@9:24〜)
5日後の大晦日にたまたま撮れた現場の様子です。 
落柿は積もった雪の下にすっかり埋もれました。 
カキノキ樹上に熟果はもう1個も残っていません。 
熟柿を食べ尽くすと、この餌場にニホンザルもカラスも来なくなりました。 


つづく→ 


【考察】 
珍しく、カラスの群れは来ていません。 

「猿が柿の実を食べ尽くした」とタイトルに書きましたが、この地域の柿の実を全て食べ尽くしたという意味ではありません。
この特定のカキノキをトレイルカメラで監視するプロジェクトが終了した、という意味です。
様々な生きものが入れ代わり立ち代わりやって来て、餌資源を巡る種間競争が面白かったです。
これに味をしめて(二匹目のどじょうを狙って)、まだ樹上に果実が残っている別のカキノキ大木にトレイルカメラを設置し直すことにしました。


 

↑【おまけの動画】 
見やすいように、画面の向きを修正してみたのですが、オリジナルの動画よりも画質が落ちてしまった(情報量が減った)ので、ブログ限定で公開しておきます。 
このようなおしゃれ?な画角の映像を、ダッチアングル(斜め) と呼ぶのだそうです。

電線に取り付けられたリング連結型防鳥器【糞害・鳥害対策】

 

2024年10月中旬・午後・晴れ 

郊外の住宅地で、白っぽい(半透明?)ワイヤーが電線に沿ってぐるぐると張り巡らされていました。 
電線や光ファイバーなど複数本の黒いケーブルに沿って、半透明の細いループをいくつも連ねています。 
遠目からは螺旋状のスパイラルに見えたのですが、ズームイン(拡大)して見ると、リング状でした。 
上下1組の輪っかを横に並べた構造です。 
しかも全て完全なリングではなく、リングの途中で切れた物も多く含まれていました。
これは明らかに、電線に野鳥が止まらないようにするための対策グッズのようですが、私は初めて見ました。

地域内の全ての電線に取り付けてあるのではなく、車道に面したとある民家1軒分の範囲だけ電線に追加されていました。 
電線の真下にはガレージがあるので、車庫の屋根や出入りする車が鳥の糞で度々汚されるのに堪りかねた家主が糞害対策したのでしょう。 
その電線の下に鳥の糞は落ちていませんでしたし、電線用防鳥リングの上に鳥が留まっている姿も見たことがありません。 
したがって、防鳥効果がありそうです。 

全てのプラスチック製リングが完全なループを保っている訳ではなく、輪の途中で切れた物も多く含まれていました。
不完全なリング構造でも防鳥に有効なのは、鳥が留まるのを物理的に実力行使で防ぐのではなく、心理的に躊躇させるだけなのでしょう。
むしろ、鳥の足が絡まっても怪我を負わせないように、予めリングが切れやすく作られているのかもしれません。




【考察】
この防鳥グッズの正式名称を知りたくて、写真を添付してChatGPTに問い合わせてみました。 
(回答の一部を訂正、削除してあります。)

Q1: 住宅地の電線に鳥が留まって糞害をもたらすらしく、その対策として電線に鳥が止まりにくいような輪っか状の細いファイバーが追加されていた。これを何と呼べばよいだろうか? 正式名称を知りたい。雪国なので、冬に雪が付着しにくいように配慮されているようだ。

A1: 写真ありがとうございます。

この形状なら、かなりはっきり言えます。


写真の器具の正式な呼び方(実務・業界寄り)

電線用リング型防鳥器
(あるいは リング防鳥具/防鳥リング

が最も適切です。


写真から分かる決定的な特徴

  • 電線に沿って連続する透明~半透明の輪

  • 各輪が独立したリングではなく、
    細い樹脂・ファイバーがらせん状(スパイラル状)に成形されている

  • 金属ではなく、軽量・柔軟な素材(FRPまたは樹脂)

  • 電線上に「止まり面」を作らず、
    鳥が体を安定させられない構造

  • 着雪しても雪が溜まりにくく、重量が集中しにくい

これらは、電力会社や通信会社が使う
リング型防鳥器の典型例そのものです。


リング型防鳥器

  • 電線の上に輪(ループ)を連続的に設けるタイプ

  • 「鳥が止まりにくい」ことを主目的とする

  • 金属ではなくFRP(ガラス繊維強化プラスチック)や樹脂が多い

 


参考:なぜこの形が雪国向きか

  • 輪が細く、接触面積が小さい

  • 連続した“棚”を作らない

  • 着雪しても自然落下しやすい

  • 鳥害対策と送電線の着雪事故対策を両立

つまり
**「鳥にも雪にも嫌われる形」**です。


Q2: 電線のある区画だけ対策したら、鳥はその隣の電線に留まるようになるだけで根本的な対策になってないように思いました。(隣家に糞害を押し付けたことになるのでは?と懸念しました。)ところが、防鳥リングの有無に関わらず、この近所で電線に留まる鳥を見かけなくなり、電線の下の路上に鳥の糞も見当たりませんでした。

A2: その観察は不思議に見えますが、実は行動学的にはそれほど珍しい結果ではありません。

電線上の止まり場は、必ずしも「どこでも代替できる場所」ではないからです。

考えられる理由をいくつか整理します。


1. 鳥は「電線」ではなく「特定の止まり場所」を使う

多くの鳥(特にカラス類やムクドリ類など)は、
単に電線に止まっているのではなく、

  • 特定の位置

  • 特定の高さ

  • 特定の視界

  • 特定の飛行ルート

にある電線を繰り返し利用します。

例えば、

  • ねぐらへ向かう途中の集合地点

  • 周囲を見渡せる監視位置

  • 採餌場所の近くの休憩場所

などです。

もしその「お気に入りの位置」だけが使えなくなると、

隣の電線に移動する
より
そのエリア自体を使わなくなる

ということが普通に起きます。


2. 鳥は群れで行動するので「場所ごと移動」する

とくにカラスやムクドリなどでは、

  • 数羽が止まる

  • 他の個体がそれを見て集まる

という社会的な利用が起きます。

その「最初の数羽」が止まれなくなると、

群れ全体がその場所を使わなくなることがあります。

結果として、

  • 近所の電線全体から鳥が消えた
    ように見えることがあります。


3. 止まりにくい電線は「接近時点で避けられる」

防鳥リングは遠くから見えにくいこともありますが、

鳥は着地直前に

  • 電線の形状

  • 太さ

  • 安定性

を視覚と翼の空気感覚で判断します。

そこで

ここは止まれない

と分かると、
そもそもこの空域に近づかなくなることがあります。

つまり
「隣の電線に移動する」というより
この通りを止まり場所として使うのをやめる


4. 電線の配置上、代替が効かない可能性

住宅地ではよくあるのですが、

  • 電柱間の距離

  • 電線の高さ

  • 建物との位置関係

によって

止まりやすい区間は意外と限られています。

特定区間だけが

  • 視界が開けている

  • 安定している

  • 安全に離陸できる

ということがあります。

そこを失うと
近くに同等の場所がないことがあります。


5. 季節変化の可能性

もう一つ単純な可能性として、

  • 群れの移動

  • ねぐらの移動

  • 繁殖期

などの季節要因もあります。

ただしあなたの観察の流れを見ると、

リング設置 → 鳥が来なくなった

という因果関係はかなりありそうです。


まとめ

あなたが心配した

隣家に糞害が移っただけでは?

という結果にはならず、

むしろ

その区画が「止まり場所」として放棄された

可能性が高いです。

鳥の行動は

  • 位置依存

  • 社会的

  • 慣習的

なので、
一箇所の止まり場所を潰すとエリア全体の利用が消えることは実際に起きます。




電力会社が問題区間だけに防鳥器を設置する理由の一つは、まさにコスト最適化です。

ただし、単純な節約というより、**設備管理の考え方として「必要な場所だけ処置する」**という側面が強いです。


1. 全区間に付けるとコストが大きい

リング型防鳥器は軽量な樹脂製ですが、それでも

  • 材料費

  • 高所作業の人件費

  • 作業車(高所作業車)の運用

  • 交通規制

  • 保守点検

などがかかります。

住宅地の配電線は非常に長いので、
全ての電線に設置するとコストは膨大になります。


2. 鳥害は「局所的」に発生する

実際の鳥害は

  • 特定の電柱間

  • 特定の高さ

  • 特定の見晴らし

など、非常に局所的に集中することが多いです。

そのため電力会社の対応は

  1. 苦情・報告

  2. 現地確認

  3. 問題区間のみ処置

という形になります。


3. 配電設備の管理思想

電力インフラではよくある考え方で、

  • 全体を一律に強化する
    より

  • 問題点をピンポイントで潰す

方が合理的です。

例えば

  • 雷害対策

  • 着雪対策

  • 樹木接触対策

なども同様で、
**「リスクの高い地点だけ設備を追加する」**という方法が一般的です。


4. 鳥の行動が「場所依存」なのも都合が良い

前に触れた通り、鳥は

  • 特定の止まり位置

  • 特定の電線区間

を繰り返し使う傾向があります。

そのため

数十メートルだけ対策すれば効果が出る

ことが多く、結果として

  • 施工量が少ない

  • コストも抑えられる

という形になります。


まとめ

防鳥リングが部分的に設置されるのは

  • 鳥害が局所的

  • 作業コストが高い

  • 鳥が同じ場所を使う

という理由から、

「必要な場所だけ対策する方が合理的」

だからです。


Q3: 「anti-perching bird deterrent」としては、針金で作られたトゲトゲの構造物(防犯装置も兼ねてる?)は見たことあるが、リング状の物は初めて見ました。見た目的に敵意がむき出しの装置よりも周辺住民に受け入れやすそうですね。

A3: その感覚、かなり多くの人が共有していると思います。

そして実はそれ、偶然ではなく設計思想の違いなんです。


2つの anti-perching bird deterrent は「思想」が違う

① トゲトゲ型(針金・スパイク)

あなたが思い浮かべているのは、典型的な

  • bird spikes

  • anti-roosting spikes

と呼ばれるタイプですね。

思想はとても単純で、

「ここに止まると痛い/危険そうだからやめろ」

という視覚的威嚇+物理的排除

  • 都市部の建物縁

  • 看板

  • 防犯目的を兼ねる場所

では合理的ですが、
敵意が可視化されるため、どうしても拒否反応を招きやすい。


② リング型(あなたが見た装置)

一方、今回の写真のようなものは、

  • anti-perching ring bird deterrent

  • ring-type bird deterrent for overhead lines

で、思想はまったく別です。

「危険ではないが、落ち着かない場所にする」

  • 刺さらない

  • 傷つけない

  • 威嚇しない

  • 学習を要求しない

止まれないだけ

人間で言えば、

斜めに傾いた細い手すり
に立ち続けられない、あの感じです。


なぜ電線ではリング型が選ばれるのか

電線は、

  • 人の生活空間のど真ん中

  • 景観に常時さらされる

  • 長期間メンテナンスされない

という場所です。

そこに

  • トゲトゲ

  • 金属光沢

  • 明確な排除の意思

を置くのは、社会的コストが高すぎる

リング型は、

  • 見た目が中立的

  • 攻撃性が感じられない

  • 動物福祉的にも説明しやすい

という点で、**「公共インフラ向け」**なんです。


防犯装置を兼ねているように見える理由

鋭い指摘で、

  • トゲトゲ型は
    鳥害対策+人の侵入抑止
    を兼ねていることが多いです。

  • 逆に言えば、
    人が触れる可能性が低い場所だから許される。

電線では、

  • 人が触れる

  • 落下物の危険がある

ので、スパイク系はほぼ不適です。


「受け入れやすい」という感覚は、かなり本質的

リング型は、

  • 人間の倫理観

  • 景観感覚

  • 動物への距離感

にうまく寄り添っています。

排除はするが、敵対はしない

という、
いかにもインフラ工学らしい折衷案です。


余談ですが

欧州ではこのタイプを、

  • humane bird deterrent

  • non-injurious bird deterrent

と説明する例もあります。

「効くけど、傷つけない」
それが売り文句になる時代です。



Q4: その防鳥器が設置されていても強引に電線に留まろうとした鳥が細い輪っかに足が絡まって身動きが取れなくなったり、足が千切れたりすることはないのか?

A4: 結論から言うと、理論上のリスクはゼロではないが、実用上は「足が絡まって動けなくなる/千切れる」事態は極めて起こりにくい、という評価になります。

少し丁寧に分解します。


1. まず設計思想として

写真のリング型防鳥器は、

  • 鳥を「捕らえる」「引っ掛ける」ための器具ではなく

  • 止まろうとすると不安定で、結果的に止まれないようにする

ことが目的です。

そのため、

  • 輪は細く・軽く・弾性がある

  • 直径は鳥の趾(あし)が完全に輪の中に固定されにくい寸法

  • 力が加わるとたわむ/逃げる

ように設計されています。


2. 足が絡まる可能性は?

「理屈の上では」

  • 着地の瞬間に趾が輪に触れることはあり得ます

  • しかしその時点で、

    • 支点が不安定

    • 体重がうまく乗らない

    • 翼を使ってすぐバランスを崩す

ため、**“腰を落ち着ける前に離脱する”**のが通常です。

「絡まって抜けなくなる」条件は?

かなり厳しい条件が重なります。

  • 輪が硬く変形しない

  • 鳥が無理に体重を預け続ける

  • 趾が深く入り込み、かつ引き抜けない

→ しかし、写真のような柔軟な樹脂・ファイバー製リングでは、この条件がほぼ成立しません。


3. 「足が千切れる」可能性について

ここは重要ですが、ほぼ否定できます

理由:

  • 鳥の脚は確かに細いが、
    自切(トカゲの尾のような)構造はない

  • 千切れるには、

    • 強い固定力

    • 持続的な引張

    • 逃げ場のない拘束
      が必要

しかしリング防鳥器は

  • 金属ではない

  • 角がない

  • 輪が固定構造ではない

ため、切断に至る力学条件が成立しません


4. 実際の事故報告はあるのか?

国内外の文献・電力会社の事故報告では、

  • 問題になるのは
    釣り糸・ビニール紐・網・接着性のある異物

  • リング型防鳥器による

    • 絡まり死

    • 脚の欠損
      の報告は、少なくとも公的・技術文書レベルではほぼ見当たりません

電力会社が住宅地に長年設置し続けていること自体が、
リスク評価をクリアしている証拠でもあります。


5. それでも「絶対安全」とは言えない理由

公平に言うと、

  • 極端に小型の鳥

  • 風雪で変形・破損した器具

  • 何か別の糸状異物が絡み付いた場合

など、複合要因が重なれば事故が起こる可能性は理論的に否定できません。

ただしそれは、

防鳥器そのものが危険
というより
人工物が増えた環境一般のリスク
に近い話です。





Q5: 改めて写真を拡大して見直すと、スパイラルではなくリング型の連なりでした。全てのプラスチック製リングが完全なループを保っている訳ではなく、輪の途中で切れた物も多く含まれていました。それでも防鳥に有効なのは、鳥が留まるのを物理的に実力行使で防ぐのではなく、心理的に躊躇させるだけなのでしょう。むしろ、鳥の足が万一絡まっても怪我を負わせないように、予めリングが切れやすく作られているのかもしれません。

A5: 写真を拡大して観察された点はかなり本質を突いています。

そのタイプは**スパイラルではなく「リング連結型(ループ型)の防鳥器」**と呼ばれるものに近い構造だと思われます。

そして、ご推測の

鳥が心理的に躊躇するだけなのではないか
リングが切れやすいのではないか

という考えは、実際の設計思想とかなり整合しています。

以下に整理します。


1. 防鳥の主作用は「心理的回避」+「不安定な足場」

このタイプは

  • 鳥を物理的に排除する装置ではなく

  • 止まる動作を成立させにくくする装置

です。

鳥が電線に止まるときは

  1. 電線に脚を掛ける

  2. 体重を乗せる

  3. バランスを取る

という動作をします。

しかしリングがあると

  • 足が安定した位置に置けない

  • 足場の太さが一定でない

  • 電線をしっかり握れない

ため、

着地動作の途中で離脱することが多くなります。

つまり

「止まれない」より
「止まりたくない」状態を作る

装置です。


2. リングが完全な輪になっていない理由

観察された

輪の途中で切れている

点には、いくつか可能性があります。

(A) もともとC字形に近い設計

多くの製品は

  • 完全な閉ループではなく

  • 切れ目のあるリング

になっています。

理由は

  • 電線に後付けできる

  • 施工が簡単

  • 温度変化で応力が溜まらない

ためです。


(B) 弱く作られている(安全設計)

さらに重要なのは、

ある程度の力で変形・破断するように作られていることです。

これは

  • 鳥の脚が挟まる

  • 枝や異物が引っ掛かる

  • 着雪荷重

などが起きた場合、

装置が先に壊れて事故を防ぐためです。

電力設備ではこの思想を

フェイルセーフ
または
弱点設計(sacrificial design)

と呼ぶことがあります。


3. 「完全に防ぐ」必要はない

実務では

  • 100%止まれない構造
    を作る必要はありません。

なぜなら

鳥は一度でも止まりにくいと感じると、その場所を使わなくなるからです。

したがって装置は

  • 軽い

  • 柔らかい

  • 完全ではない

ものでも十分効果があります。


4. あなたの観察の鋭い点

今回の観察で特に鋭いのは

  • リングが閉じていない

  • 切れたものが混じる

  • それでも機能している

という点に気づいたことです。

これはまさに

「強制排除ではなく行動抑制」

というタイプの防鳥対策の特徴です。


まとめ

あなたの推測はかなり合理的で、

  • 装置の主目的は 心理的回避+足場不安定化

  • リングは 完全な輪でない設計が普通

  • 強い力がかかれば 壊れるように作られている可能性が高い

つまりこの装置は

鳥を傷つけない程度の弱い構造で、行動だけを変えさせる

という考え方の装置です。


電線の防鳥器にはもう一つ面白い特徴があります。

「鳥にとっては止まりにくいのに、人間にはほとんど存在が見えない」
ように設計されることが多いのです。

これは都市インフラ特有の設計思想で、なかなか興味深い分野です。


Q6: その輪っかは半透明の合成樹脂で、鳥の目に見えにくい気がする。あえて色を付けなかった理由は何だろうか? 景観の保護? コストカット?

A6:結論から言うと、「景観」も「コスト」も理由に含まれるが、主因はそれだけではなく、材料工学・耐候性・保守の都合が大きい、というのが実態です。

順に整理します。


1. 「鳥に見えにくい」のは問題にならないのか?

まず重要な点として、
この防鳥器は“視覚的に警告する”装置ではありません。

  • 鳥が色を見て「ここは危ない」と避ける設計ではない

  • 実際に足を置こうとした瞬間に不安定になることで効果を発揮する

つまり、

見えているかどうか
より
触れた瞬間に止まれない
ことが本質です。

したがって、
半透明=効果が落ちる
という評価にはなりません。


2. なぜ「半透明・無着色」なのか(最重要ポイント)

(1) 耐候性・長期安定性(最も大きい理由)

屋外で20~30年使う前提の電力設備では、

  • 紫外線

  • 風雪

  • 寒暖差

  • 酸性雨・排ガス

に対する劣化の予測可能性が非常に重視されます。

無着色(ナチュラル色)の樹脂は、

  • 顔料を入れない分、材料特性が安定

  • 紫外線劣化の進行が均一で予測しやすい

  • 顔料の分解・退色・脆化が起きない

という利点があります。

電力会社的には
「30年後にどう壊れるか分からない色付き樹脂」より
「劣化挙動が読み切れる無着色樹脂」

の方が圧倒的に安心です。


(2) 冬季・積雪時の振る舞い

半透明・淡色は、

  • 日射吸収が小さい

  • 温度ムラが出にくい

  • 着雪・着氷後の局所応力集中が起きにくい

濃色にすると、

  • 晴天時に部分的に温度が上がる

  • その差で樹脂に微小クラックが入りやすくなる

雪国仕様としては、
「目立たない色」=「温度的に穏やか」
でもあります。


(3) 景観への配慮(副次的だが無視できない)

これはご指摘どおりで、

  • 住宅地

  • 歴史的景観

  • 自然景観

では、

  • 原色

  • 高彩度

  • 金属光沢

は嫌われます。

電線自体がすでに景観上のノイズなので、
**「これ以上主張しない」**ことが求められます。

ただしこれは
主目的というより“満たすべき制約条件”
に近いです。


(4) コストの話は「おまけ」

確かに、

  • 顔料を入れない
    → 原材料コストは下がる

しかし、

  • 電力設備全体のコスト

  • 施工費

  • 点検・交換費

に比べると、
顔料の有無による差は誤差レベルです。

なので
「コストカットのために透明にした」
という説明は少し雑
だと思ってよいです。


3. あえて「目立つ色」にしない理由(逆の発想)

もし黄色や赤にすると、

  • 鳥が「危険」と学習して避ける可能性はある

  • しかし同時に

    • 人間の視覚ノイズになる

    • 経年退色が目立つ

    • クレーム対象になる

電力会社は
「行動学的に賭ける」設計をあまりしません。

  • 学習しなくても効く

  • 見えなくても効く

  • 個体差があっても効く

── そういう鈍くて確実な設計を好みます。


まとめ

この半透明リングが無着色なのは、

  1. 長期耐候性と劣化挙動の予測性

  2. 雪国での温度・着雪ストレスへの配慮

  3. 景観への影響を最小化するため

  4. コスト低減は副次的要因

であって、

鳥に見えにくいから危険
という発想は、
この器具の設計思想とはズレています。

むしろ
「見えなくても機能するから、見えなくしている」
と考えるのが実態に近いです。



当地は雪国ですから、防鳥リングのせいで冬に着雪の重みや風の抵抗が増して電線が切れないように強度や構造に工夫する必要があります。 
当然その点も折り込み済みでした。
2024年度の冬は記録的な豪雪が降ったのに、定点観察してみても断線トラブルは一度も起きていませんでした。 


【アフィリエイト】 


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