一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。
コオロギの基本的な食性
多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。
枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質
他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物
この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。
小型脊椎動物の死骸とコオロギ
とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。
死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用
すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ
ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。
ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由
質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、
強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい
昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない
そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。
実務的なまとめ
コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。
しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。
特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。
したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。
アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、
ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez
ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか
ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ezなぜスカベンジャーが付きにくく見えるか
ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vlizカラスなど鳥が食べない理由の可能性
カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez「化学防御動物」との比較から言えること
両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1まとめとしての解釈
ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1
ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1
小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz
したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1
Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。
A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1
モグラ類の体臭と人間の感覚差
モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1スカベンジャーへの影響
死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnhユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh
(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)と書いてあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿