2024年9月下旬・午前10:05頃・晴れ
山麓の農村部で道端に開放型のコンポスト(堆肥)があり、そこにハエ類が群がっていました。
民家の裏庭の片隅に枯れ草を積み上げ、その上に家庭の台所から出た生ゴミがまとめて捨てられていたのです。
コンポスト容器を使わず、剥き出しのままです。
隣にある家庭菜園は、野生動物が侵入しないように電気柵で囲われていました。(害獣対策)
それよりも、低空でブンブン飛び回っている多数の黒い昆虫が気になりました。
おそらくコウカアブ♂(Ptecticus tenebrifer)だと思います。
他に候補となる種類もいるのですが、動画撮影を優先した私は、同定用の写真を撮るのを忘れてしまいました。
コウカアブ?の群れは低空で激しく飛び回るものの、いつまで経っても生ゴミには決して着陸しませんでした。
この行動はおそらく♂の群飛で、生ゴミに吸汁・産卵しに来る♀と交尾しようと待ち伏せしているのだろうと想像しました。
だとしても、ユスリカの蚊柱とは違い、この状態を「レックを形成している」とは言えません。
レックの定義をwikipediaで確認してみましょう。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。このような行動をする雄たちをレック (lek) という。
生ゴミはコウカアブにとって食料および産卵場所として価値の高い資源だからです。
黄色くて表面がブツブツしている謎の野菜が気になりました。
トウモロコシにしては変だな?と首をひねりながら撮ったのですが、熟して開裂したゴーヤ(別名ツルレイシ)の果実だと後になって知りました。
ゴーヤと言えば、果皮が緑色の状態しか当時は知りませんでした。
生ゴミ(野菜くず)の中でゴーヤの熟果だけがハエ類に人気がなく、滅多に留まらなかったのが不思議です。
しかし黄色くなって捨てられたゴーヤを裏返せば、熟した果肉の内側にウジ虫が湧いているのかもしれません。
コウカアブ♂?の高速群飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)
秋晴れで陽射しが強いので、絶好のハイスピード動画撮影日和です。
コウカアブ♂?は低空で素早く飛び回るだけでなく、空中でホバリング(停飛、停空飛翔)しながら方向転換したり、小回りがききます。
高速で飛びながらときどき空中で互いに衝突していました。
おそらく♂が交尾相手の♀を待ち伏せしている探雌飛翔なのでしょう。
生ゴミの上空に縄張りを張ってライバル♂を追い払っているのかもしれませんが(縄張り占有飛翔)、ライバルの数が多過ぎます。
キンバエやニクバエなど他種のハエを生ゴミから追い払うことは滅多にありませんでした。(@4:34〜4:40)
※ コウカアブ♂が積極的に追い払ったのではなく、ハエが近寄ってきたコウカアブ♂を警戒して逃げただけのように見えます。
高速で飛び回っているので、対向する相手を避けきれずに正面衝突してしまうだけかもしれません。
後半は、やや引きの絵(広角)でハイスピード動画を撮りました。(@4:51〜)
ときどき赤トンボ(種名不詳)が飛来したものの、生ゴミ付近には着陸しないで飛び去りました。(@6:30〜6:50)
トンボが空中でハエやコウカアブを狩って捕食するかと期待したのですが、ハエ類の方が飛翔能力が高く、逃げられてしまうのでしょう。
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