2025/12/27

ニホンアナグマの営巣地でミズキの根元に生えたキノコ:ナラタケモドキ?

2024年9月下旬・午後

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で定点観察に来ると、 株立したミズキの根元に黄土色のキノコ子実体が群落を形成していました。
気になるキノコの写真をGoogleレンズで画像認識してもらうと、環境情報を加味した上でナラタケ(つばあり)またはナラタケモドキ(つば無し)だろうと教えてもらいました。 
この時はスナップ写真を撮っただけで、つばの有無などの詳しい検討はしていません。 
雨が少ない時期でキノコが干からびかけていて、典型的(健康的)な形状をしていなかったからです。
しかし、翌2025年8月下旬に同じ地点に発生していたキノコの柄には、ツバはありませんでした。 






したがって、どうやらナラタケモドキのようです。 
北日本に多い種類のキノコらしい。
念のために2025年8月下旬の写真もGeminiに写真鑑定を依頼すると、ナラタケモドキの子実体の成長段階が異なる群落が写っていると教えてもらいました。

幹が根元から分岐して育った株立ミズキは、枯れて腐朽が進んでいる幹もあれば、まだ葉が青々と茂った幹もあります。 

アナグマの幼獣たちが、この株立ミズキをとても気に入り、遊び場所にしていました。 
株立した根元の幹に爪を掛けてよじ登ろうとしたり、追いかけっこ遊びの障害物としてグルグル回っていました。 
アナグマの家族が体を頻繁に擦り付けるせいで、このミズキ幹の下部が一時期は黒光りしていたぐらいです。 
しばらくしてから、この茶色いキノコが生えてきたのです。 
アナグマは穴を掘って木の根を傷つけるだけでなく、木登りや遊びで木の幹を傷つけてナラタケ病を媒介しているのかもしれません。 

同じアナグマ営巣地(セット)の端には古い切株が残っています。
樹種は不明ですが、むかし人為的に切り倒したようです。
その切株の横から2025年8月下旬に同種と思われるキノコが大発生していました。
これもナラタケモドキの老齢段階だとGeminiに写真鑑定してもらいました。

切株を上から見下ろす。

切株を横から撮影。

老齢期のナラタケモドキは傘が反り返り、裏側のひだが見える。

2025年の9月下旬に現場入りすると、切株に生えたキノコ(ナラタケモドキ)の子実体はすべて無くなっていました。
トレイルカメラによる監視映像を確認すると、通りすがりにナラタケモドキを食べた野生動物はいませんでした。



アナグマ営巣地の周辺で進行する樹木の枯死現象について

私はアナグマの営巣地(セット)をまだ1箇所しか見つけられていない(n=1)のですが、周囲の木がどんどん枯れたり朽ちたりして折れやすくなっている異変が気になっています。 
アナグマが地中に巣穴を掘り巡らせると、周囲の木の根を痛めつけることになり、その木が徐々に弱って枯死するのではないか、と私は疑っています。 
ここだけの異変なのか、それともアナグマの営巣地に一般的な現象なのでしょうか。 
林床にアナグマが巣穴を掘るときに地中で木の根っこが邪魔になるので、積極的に木を枯らせば、長期的に穴が掘りやすくなるかもしれません。 

営巣地に倒木や落枝が多数散乱していて、歩きにくかったり撮影の邪魔になったりしているのですが、良かれと思ってヒトが勝手にきれいさっぱり撤去するのは良くないかもしれません。
タヌキが外出前に巣口の戸締まり(バリケード、隠蔽工作)として落枝を利用することもあったからです。

撮影はトレイルカメラに任せて私は滅多にセットには立ち入らないのですけど、現場入りした際に細い朽木(樹種不明)が根元からポッキリ折れて自然に倒れる瞬間に遭遇しました。
風も吹いてなかったのに、突然バキバキ…と私の方に倒れてきたのです。
(倒木の瞬間を動画に撮れなかったのが残念)
トレイルカメラの電池を交換していた私の頭に倒木が直撃しそうになったのですが、慌てて横に避けて難を逃れました。
先端が巣口Lの近くまで達した。

根元にキノコ群落が生えていた。
朽木の樹種不明

2024年9月下旬
2つの巣穴LRの奥に細長い倒木が新たに増えた。
手前から奥に向かって細い朽木が根元から倒れた。
倒木は巣口Lの横に倒れて先端が折れた。
折れた先端部@巣口L
地面と激突した衝撃で倒木の先端部が折れた
倒木は全体に朽ちていて樹皮が剥がれかけ白色腐朽菌?が蔓延っている
倒木の根元付近
倒木の破断面
朽木が折れて倒れた後の切株にはキノコ(同じくナラタケモドキ?)が生えていた



【アフィリエイト】

0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む