2020年7月下旬・午後17:00頃・くもり
農地の周囲の防風林(スギ林)の奥に大量の腐ったカボチャが捨てられていました。
何らかの理由で(傷物?)売り物にならない収穫物が農業廃棄物として捨てられたのでしょう。
特に悪臭もしませんし、人家からも離れているので、迷惑にはなっていません。(※追記参照)
この特殊な生ゴミ(残渣)を巡って食物連鎖の小さな生態系が作られつつあるので、ときどき通って興味深く観察しています。
おそらくキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)と思われるコバエがおびただしい数で腐ったカボチャに群がっていました。
腐果を舐めながらショウジョウバエの♀は産卵し、蛆虫も多数育っているようです。
ちなみに下の写真には、ショウジョウバエの蛹も写っています。
他には黒い大きなアブ?(種名不詳;ミズアブ??)が高速で何匹も飛び交っていました。
これはあまりにも動きが素早いので、残念ながら写真にも撮れず、正体不明です。(※追記2参照)
こうしたハエ類を狙ってキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が腐ったカボチャに居座り、待ち伏せしていました。
飛び立つと低空でホバリングしながら探餌飛翔を繰り返します。
ショウジョウバエの数があまりにも多いので、捕食者のキイロスズメバチは目移りして獲物に狙いを定めにくいようです。(植食性動物など弱者が群れを作るメリット)
小さなショウジョウバエに飛びかかっても素早く逃げてしまい、私が見る限り一度も狩りに成功しませんでした。
狩りの失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
腐ったカボチャに着陸したキイロスズメバチ♀は、触角を前脚で拭って身繕い。
薄暗い林床で夕方に撮った動画なので、画質がかなり粗いです。
※【追記】
カボチャの大量廃棄に問題があるとすれば、もしニホンザルやイノシシなど野生動物がこのゴミ捨て場の存在を知った場合に、意図せずして猿に餌付けすることになってしまいます。
そうなると、味をしめた野生動物によって隣接する農地で作物への深刻な猿害・食害を招くことになってしまいます。
しかし今回の現場は山から離れているので、おそらくニホンザルやツキノワグマなどは来ない(と考えられている)のでしょう。
カメラトラップを仕掛けてみたら面白そうです。
高速で飛び回る謎の黒いアブは、コウカアブ(Ptecticus tenebrifer)と後に判明。
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