2026/03/03

初冬の深夜にアナグマの営巣地に長居して餌を探し回るホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月中旬 

平地の落葉した二次林にあるニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)で、ホンドテン(Martes melampus melampus)が一晩に何度も登場したシーンをまとめました。 

シーン1:12/11・午後23:35・気温-2℃(@0:07〜) 
冬毛のテンがアナグマの巣口Rの横に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)落葉灌木の根元を調べています。 
野ネズミの巣穴があるのかもしれません。 

次は少し左に移動してから、アナグマの巣穴Lに潜り込みました! 
すぐに後ろ向きのまま外に出てきました。 
巣穴Lの主は不在で、空き巣だったようです。 

忍び足で林床の落ち葉の匂いを嗅ぎ回り、奥の林縁へ向かいました。 


シーン2:12/11・午後23:38(@1:07〜) 
テンが未だセットに居残っていました。 
林縁で朽木倒木の周辺を念入りに調べています。 
ついでに、ミズキ灌木の根元の匂いも嗅ぎ回っています。 


シーン3:12/11・午後23:39(@2:08〜) 
林縁のオニグルミ灌木の根元に左脇腹の毛皮を擦りつけたように見えたのは、マーキング行動でしょうか?(@2:25〜) 
狭い隙間を通り抜けながら餌を探しただけかもしれません。
(素人目には、このとき小便はしてないと思います。) 

再びセットに引き返したテンは、アナグマの巣口Rで座り込み、体の痒い部位(左肩)を左後足で掻きました。 
再度、林床に転がっている細い朽木倒木を調べに向かいました。 


シーン4:12/11・午後23:41(@3:08〜) 
またテンがセットに戻ってきていました。 
アナグマの巣口Rを離れ、奥の林縁で株立ちしたミズキ灌木の根元を次々に調べ回っています。 
そこは夏から秋にかけてアナグマやタヌキの幼獣の遊び場になっていて、毛皮で擦れた幹が黒光りしています。 
秋になると、そこからキノコが生えました。 

次にまたテンは、お気に入りの朽木倒木を再度調べに行きました。
細い倒木を跨いだり覗き込んだり、念入りに調べています。 


シーン5:12/11・午後23:48(@4:09〜) 
ホンドテンがまたセットに戻ってきました。 
と思いきや、お気に入りの細い朽木倒木をしつこく調べに行きました。 
野ネズミの巣穴があるのか、かなり執着しています。 
ようやく諦めて、左上奥へ立ち去りました。 
暗闇の林内を動くテンの眼(タペータム)が、カメラの赤外線を反射して白く光っています。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
せっかくトレイルカメラの2台体勢で監視していたのに、1台分の動画ファイルを失ってしまったのが残念です。 


【考察】 
テンがアナグマの営巣地にこれほど長時間、滞在するのは異例です。 
気温が氷点下に下がり、餌となる昆虫類はもう安全な隠れ家で越冬しているはずなので、野ネズミの気配(匂い)がするのかもしれません。 
しかし、この地点で最近は野ネズミの活動が写らなくなりました。



野菊の花を舐めるナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型

 

2024年11月中旬・午後14:00頃・晴れ 

山麓の水路沿いの草地に咲いた野菊(種名不詳)の群落で、あまり見慣れないハエが訪花していました。 
背側から撮ると口吻の伸縮があまり見えませんが、花蜜や花粉を舐めているようです。 
翅に特徴的な斑紋があります。 

このハエの名前が知りたくて、写真に撮ってGoogleレンズで画像認識してもらったのですが、まるで見当外れの回答しか返ってきません。 
これはAIのハルシネーションというよりも、そもそもAIの学習データとなる写真が不足しているマイナーな(人気がない)分類群の生き物でよくあることです。 

実は過去に自分で撮っているような気がして、自分の写真フォルダを見返してみました。 
すると、一昔前に同じ状況で撮っていました。 


このハエの性別について、Gemini AIの回答がこちら。 

一般的なハエの仲間(多くの有弁類など)に見られる「オスは複眼が接し、メスは離れる」という特徴は、この**ヒラタヤドリバエ属(*Ectophasia* 属)には当てはまりません**。

このグループは雌雄ともに複眼が離れている(離眼型)ため、顔の正面だけで判別するのは困難です。しかし、ナカグロヒラタヤドリバエの場合、**「翅の模様」と「腹部の形状」**に顕著な性的二型があるため、今回の写真からでも**オス**であると判断できます。

### 雌雄を見分けるポイント

* **翅の斑紋(最も分かりやすい違い)**
* **オス:** 翅の基部から中央にかけて、**非常に広範囲で濃い黒褐色の紋**があります。今回送っていただいた写真は、翅の半分近くが黒く染まっており、これは典型的なオスの特徴です。
* **メス:** 翅の模様はオスほど発達せず、透明な部分が多いか、紋があっても限定的です。


* **腹部の形と色**
* **オス:** 腹部がより幅広く、扁平(ひらぺったい)です。色は明るいオレンジ色が強く出ることが多いです。
* **メス:** オスに比べると腹部はやや細身で、黒色部がより目立つ傾向があります。


* **尾端の構造**
* メスには産卵のための構造がありますが、吸蜜中の写真では翅に隠れて見えないことが多いです。



### 結論

お写真の個体は、**翅の黒色斑が極めて大きく発達していること**、および**腹部が横に広くオレンジ色が鮮やかであること**から、**ナカグロヒラタヤドリバエのオス**と見て間違いありません。

この属は、翅の模様そのものがオス同士のディスプレイや種族識別に重要な役割を果たしていると考えられています。

蝶や鳥など人気がある生き物については、AIによる写真鑑定の精度は充分に高いのですが、まだ偏りがあります。
博物学の分野でAIがもっと賢くなるためには、とにかく膨大な学習データが必要です。 
あまり人気がないマイナーな虫でも、ブログやSNSで写真や動画をコツコツと投稿して下さる有志が増えると、AIはもっと便利になり、ささやかながら人類に貢献できます。 
何も新種の発見にこだわる必要はなくて、二番煎じの写真でも良いのです。


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2026/03/02

地中に埋めておいたオニグルミ堅果を掘り出して貯食場所を変える初冬のニホンリス【トレイルカメラ】銀杏に興味なし

 


2024年12月上旬 ニホンリス(Sciurus lis) 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を固定し、拾い集めてきた銀杏(イチョウの種子)で一杯にしました。 
独特の異臭がする銀杏をニホンリス(Sciurus lis)は持ち去って貯食するでしょうか? 
言い換えると、リスはイチョウの種子散布を助けるでしょうか? 

ところが予想外の展開になりました。 実はすぐ近くにオニグルミの大木が聳え立っています。 

シーン1:12/5・午前8:13・くもり(@0:03〜) 
倒木の背後の林床でリスが穴掘りしています。 
予め地中に埋めて隠しておいたオニグルミの堅果を掘り出すと、口に咥えて手前に運んで来ました。 
リスの口元にオニグルミの黒い堅果が見えます。 
黒色はオニグルミのタンニンに由来します。 

しばらくすると、左下から再びリスが戻ってきました。 
倒木の下で立ち止まると、前足で深い穴を掘り始めました。 
貯食しておいたクルミの堅果を掘り出したようですが、手前に生い茂った草木の葉が邪魔です。 
掘り出し物のクルミを運んで、左下手前に向かいました。 



シーン2:12/5・午前8:15・くもり(@1:17〜) 
40秒後、ニホンリスが倒木の上に乗って、銀杏が詰まった給餌箱を覗き込んでいました。 
ところが見慣れない銀杏や異臭に警戒しているのか、それ以上は餌箱に近寄らず、右往左往しています。 
それにしても、リスの尻尾は思った以上にふさふさしていますね。

結局リスは銀杏を気に入らなかったようで、倒木の右端から奥の林床に飛び降りました。 
シダ(種名不詳)の茂みに隠れてから、すぐに出てきて左下手前に立ち去りました。 


シーン3:12/5・午前8:21・くもり(@1:35〜) 
5分後に、倒木の右奥の林床をリスがうろちょろしています。 
常緑?のシダの株の根元に頭を突っ込んで、何かしています。 
貯食行動に関係してそうですが、右手前にあるフジの太い枯れ蔓が邪魔で、リスがよく見えません。 
何かひと仕事を終えたリスが手前に駆け出し、倒木の右端を蹴って右手前へ跳びました。 
その後もリスが戻ってきて、同じ地点(シダの根元)で何か作業しています。 


【考察】 
ニホンリスは結局、給餌箱に入らず、銀杏(イチョウの種子)を食べたり持ち去って貯食したりしませんでした。 
この山中にイチョウの木は自生しないので、リスが銀杏の匂いを嗅ぐのは初めてのはずです。 
酪酸に由来する独特の異臭でリスが銀杏を忌避したとすれば、それはそれで興味深い結果です。 

見慣れない銀杏なんかに構っている暇はなく、雪国のリスは冬に備えてオニグルミの貯食作業に忙しそうです。 
以前地中に貯食しておいたオニグルミの堅果を掘り出して、隠し場所を変更しているようです。 
地中に埋めておいたクルミ堅果を掘り出すのは、かすかな匂いで嗅ぎ当るのか、それとも記憶を頼りにしているのでしょうか? 




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