2025/01/13

モエギザトウムシ?の群れがスギ林床で徘徊探索、身繕い、追跡逃走

 

前回の記事:▶  


2023年9月上旬・午後12:40頃・晴れ 

平地のスギ防風林で倒木の横に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを見に来たら、モエギザトウムシLeiobunum japonicum)の群れが集まっていました。
どうやら繁殖期のようです。 
どの個体に注目すべきか、あちこち目移りしてしまいます。 
複数個体を撮った寄せ集めの映像です。 

ヤブコウジ稚樹の葉の上に乗って、日光浴しながら身繕いしている個体がいました。 
歩脚に欠損はありません。 
特に長い第1歩脚(L1)の先端を口で舐めて掃除しています。 

タヌキの溜め糞場phで2匹のモエギザトウムシ?がニアミスしたのですが、1匹が薄暗いスギ林床を慌てて逃げ出しました。 

次はスギ風倒木の上を歩いてくる個体に注目しました。
歩脚が極細で異常に長いザトウムシが素早く静かに歩くと、まるでSF映画の惑星探査機ロボットのようだと、いつも見るたびに思います。 
この個体は、左足を1本欠損していました。 
スギ倒木の側面に沿って歩いていたら、倒木の表面に静止していたワラジムシPorcellio scaber)2匹と遭遇しました。 
モエギザトウムシが歩脚の先でワラジムシに触れたので、捕食シーン(狩り)が見れるかと期待しました。 
ところ次の瞬間、ワラジムシもザトウムシも慌てて逃げ出しました。 


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2025/01/12

外出中に新雪で埋もれた巣口を雪かきしてから中に入るホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月上旬

根雪の積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の越冬用営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:2/2・午後22:00・気温-2℃(@0:00〜) 
雪が降る晩に、タヌキが単独で雪原を手前から奥へ向かって歩いて行きます。 
営巣地は新雪で覆われ、他の動物が残した足跡はありませんでした。 
タヌキの足は雪面にあまり深く残らないことから、凍結した雪面にうっすらと新雪が積もっている状態だと分かります。 
タヌキは 一直線に巣口Mに向かったものの、留守中に家の玄関(巣口M)が新雪にすっかり埋もれていたので、当惑したように雪面の匂いを嗅いでいます。 
身震いしてから雪原をあちこち彷徨き、雪面に鼻面を突っ込んでは匂いを嗅ぎ回ります。 (迷子になった)

この映像は赤外線による暗視動画であることを思い出してください。 
つまり、現場は真っ暗な夜の雪原です。 
タヌキの目にはタペータムがあるので、暗くても雪明りでなんとかぼんやり見えるのかもしれません。 

タヌキは巣口Mに戻ってきて前足で雪を軽く掘り、雪かきしています。 
入巣Mしたかどうか見届ける前に、残念ながら1分間の録画時間が終了してしまいました。 
この時点では、てっきり余所者タヌキが営巣地を訪ねて来た(家主の安否が心配?)のかと私は思いました。 



シーン2:2/3・午前2:06・気温-2℃(@1:00〜) 
約4時間後、日付が変わった深夜にも雪が降り続けています。 
2頭目のタヌキが雪原を手前から奥へ向かう動きに、監視カメラのセンサーが反応しました。 
タヌキの後ろ姿で尻尾の(付け根の)模様を見比べると、シーン1に登場したタヌキとは別個体bであることが分かります。 
【参考文献】野紫木 洋『オコジョの不思議』p74の模式図

4時間前のタヌキが雪原を歩いた足跡が未だくっきりと新雪に残っていることから、この間に積雪量はほとんどなかったことが伺えます。 
その古い足跡を読み解くと、営巣地から立ち去った足跡が無いので、シーン1のタヌキaは無事に入巣したのだと推理できました。 
自分の足跡を忠実に辿って手前に戻った可能性も考えましたが、前後の映像を見比べても足跡が完全にマッチする(変化なし)ことから却下しました。

一方、タヌキbは先行者aの付けた足跡を辿って巣口Mに来ると、匂いを嗅いで点検しました。 周囲を見回してから、ゆっくり巣穴Mに入りました。 


【考察】 
採餌中のタヌキは♀♂ペアで行動を共にすることが多いです。 
しかし今回は、(途中から?)別行動で採餌していたようです。 
餌の乏しい厳冬期は、各自が行動範囲を広げて餌を探し歩く必要があるのでしょう。 

外出から先に戻ったタヌキaが、留守中に新雪で埋もれてしまった巣口Mをなんとか探り当て、雪かきをしてから入巣Mしたようです。 
4時間も遅れてようやく営巣地に戻った後続タヌキbは、先行個体の足跡を辿って、雪原を迷わずに帰巣Mできました。 


つづく→


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河川敷の芝生で虫を捕食しようと探し歩く三毛猫

 

2023年11月上旬・午後13:10頃・晴れ 

河川敷の芝生でイエネコ♀(Felis silvestris catus)がうろついていました。 
舶来品種なのか、三毛猫にしては茶色も黒も薄い気がします。 

芝生の匂いを嗅ぎながら、忍び足でゆっくり前進しています。 
斜めに上げた尻尾の先をくねらせていることから、三毛猫がワクワクしている感情が伺えます。 
突然、前足を揃えて前方の地面に飛びかかりました。 
その足元をしげしげと見つめていますが、どうやら狩りには失敗したようです。 
獲物に跳びついた狩りの瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:12〜) 
逃げた獲物の正体は不明ですが、おそらくバッタやコオロギの仲間だと予想しています。 
三毛猫は残念そうに舌舐めずりしながら辺りを見回し、左に引き返しました。 

この個体は、やや太り気味の体格でした。 
(冬毛に生え変わったからそう見えるだけかな?) 
近所の飼い猫だと思われますが、首輪は付けていませんでした。 
三毛猫の♂は遺伝学的に極めて珍しいので、この個体は♀の可能性が高いのですが、股間に睾丸(にゃんたまω)は見えませんでした。 
ただし、野良猫でなければ、♂でも去勢されているはずです。


三毛猫は芝生に座り込んでも、私とは目を合わせようとしません。 
再び歩き出すと、生け垣(植え込み)の横を通って左へ向かいます。 
また座って身を低くしましたが、狩りの行動には移りませんでした。
しつこく動画を撮り続ける私を嫌がったのか、ついに三毛猫は生け垣の中に潜り込んで隠れてしまいました。 


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